彼女の気持ちには気づけない
あけましておめでとうございます。
今回は早めに書くことが出来ました。今回から2000字程度の内容にして投稿したいと思います。
ぜひ感想お待ちしております。
第3章
あんなに忙しかった学校生活も早いものでもう1ヶ月が経とうとしていた。忙しかった生徒会とクラス委員の掛け持ちも慣れてきて、そこまで大変では無いようになってきた。
「今日のロング何するんだろうね?」
「さあ、いつもみたいに俺らにまかせるんじゃないの?」
「最近クラス委員の仕事が板についてきましたからね。」
いつもの様に3人で授業前に話していると授業開始のチャイムが鳴った。時間ぴったりに先生が入ってきた。
「今日のHRは2週間後にあるクラス対抗スポーツ大会の競技決めをしたいと思う。要項は2人に渡すからいい感じに決めてくれ。」
「分かりました。」
「という事で競技を決めたいと思うけど種目を黒板に書いとくね。」
そう言って書いてもらった競技はバスケットボール男女、男子サッカー、女子ソフトテニス、男女混合のリレーの4種目だった。
「この中から1人1種目選んでください。」
そう言ってクラスの皆に選んでもらった。思ったよりもケンカにならずあっさり決まった。
僕はバスケットボール、万理香はソフトテニス、理恵もバスケットボールだった。
「先生決まりました。」
「おお、お疲れ様。それじゃ残りの時間は同じ競技の奴らとどういう感じにするか決めといてくれ。」
そう言うとクラスの雰囲気は緩くなりあちらこちらで話す声が聞こえてきた。
「バスケの奴らはこっちに集まってくれ。」
クラス唯一のバスケ部員、河野が呼んだ。
「この中でバスケ経験者とかいる?」
そう聞いてきた河野に対して上がった手は僕しかいなかった。
「良かった、1人だけいた。」
そう安堵の表情を浮かべた河野は、
「なら立川は初心者の女子に教えてあげてくれ。」
「僕が女子に教えるの?」
「だって菜月と仲が良いだろ?菜月からほかの女子にも教えられるしいいじゃん。」
そう言われて渋々
「分かった。けどあんまり期待はしないでね。」
「そこは大丈夫。少し動けるくらいになればそれでいいから。という事で女子の皆今日から少しずつ立川に教えて貰ってくれ。」
そう言った直後チャイムが鳴った。
「はい、そこまで。それじゃ頑張って練習しろよ。」
そう言って山内先生は帰って行った。
「立川、学校出てすぐの所に橋があるだろ?その下にゴールがあるからそこで練習してくれ。俺は部活があるからちょっとしたらそっちに行くよ。」
「分かった。なら理恵行っとこうよ。」
「そうね。じゃあ河野くん。また後でね。」
「おう、後でな。」
僕達もそう言って教室から出て行った。
橋に着くとすぐそのゴールは見つかった。
動ける格好になって、まず理恵にどれくらい動けるか見せてもらうことにした。
「じゃあ理恵、まずレイアップで決めてみてくれ。」
「分かった。それくらい簡単よ。」
そう言い自信満々にレイアップを決めたはずだった。
コツン「あっ」バタッ、派手な音を立てて理恵が転けていた。
「・・・」
「もしかして理恵超運動音痴?」
小さい頃はここまで酷くなかったはずの理恵は石に躓いてこけていた。
「違うのよちょっと1部分が邪魔で動きにくいのよ//」
少し恥ずかしそうそう言う理恵を見て僕も察しがついた、そうデカイのだ。何がとは言わないがデカイのだ。
・・・気まずい空気が流れる。
「分かった。ならまずは俺も近くに居るからドリブルの練習から始めよう、なっ?」
「分かったわよ。ああ言った手前頑張るしかないしね。」
そうして理恵のドリブル練習が始まった。
「そうそうそんな感じ。」
30分近く練習しているとだんだん上手くなってきた。
「今ならきっと出来るわよ。」
「あっ、待ってまだ危ないって。」
勢いよくドリブルして行った理恵はまた石に躓いてしまった。
「あっ。」
「危ない!」
僕は理恵を守るように覆いかぶさって転けた。
「・・・」
「・・・」
理恵の顔が近い。あと少し近くによればキスが出来る距離にまで...
「お前らなにしてんの?」
声のした方を見てみると部活が終わった河野がいた。
「いや、これは色々ありまして...。」
「やっぱりお前ら出来てたのかよ。邪魔して悪かったな。」
「なっ、違うわよ。これはただ転けただけで...。」
「あーはいはい。わかったわかった。で、どのくらい進んでいたんだ?」
河野が来たおかげで気まずい空気が無くなったが理恵の方を見るとすごく恥ずかしそうにすぐそっぽを向いてしまう。結局気まずいまま練習は続き次の日になっても理恵はあまり口を聞いてくれなかった。
そのまま2週間はあっという間に過ぎ、大会当日になった...。
次回はついにクラス対抗スポーツ大会の完結です。期待しておいて下さい。