まさかの隣人さん
「お兄様!」
うずが駆け寄ってくるのと同時にアズレア、サルビア、ガザレアもかけよってきた。
「サルビア、ガーベラを頼むかなり弱っているみたいだ」
「わかりました、そのつぎは兄さんですからね」
「ああ、よろしく頼むよ」
ニコッと笑う椿にサルビアが頬を染める。
「とにかく椿とガーベラさんが回復したら祝勝会するわよ!もちろんガーベラさんも呼んで!」
アズレアがそんなことを言いただす。
「アズレアお姉さまそれはただの嫌がらせなのでは?」
うずがごもっともな意見を言う。
「いいえ、きっとおもしろいことになるわよ~、そういうことだからガザレア君はガーベラさんも連れてきてね~」
その場はそのまま一時解散し三時間後
「そろそろ向かうか、行かなかったらアズ姉うるさいだろうし」
ロンドンに来てから暮らしている家を出て鍵を閉めていると後ろから聞いたことのある声が聞こえた。
「どうして私が……そもそも何て声をかければいいのかしら」
「「え……」」
「芳乃 椿君!?どうしてここに!?」
「こっちに転校してきて紹介された部屋がここだったんだよ」
ガーベラが顔を真っ赤にして質問してくる
「そんな!そ、それよりも芳乃 椿君、先程の独り言を聞いていましたか!?」
「いや、そんなに大きな声じゃなかったし聞こえてなかったよ」
「そ、そうですか」
ガーベラはそのまま下を向いてしまった。
「とりあえず、そろそろ行こうこのままだと後れちゃうよ」
「わ、わかりましたわ」
二人でアパートを出て会場までの道を歩いていく。
「よ、芳乃さん先程の決闘では助けていただき本当にありがとうございました」
ガーベラが申し訳なさそうにそう言ってきた。
「助けてって言ってたからな、助けるのは当然だろ?それと芳乃さんはむず痒いからやめてくれ、呼び捨てでいいよ」
「じ、じゃあせめて椿さん本当にありがとうございました」
ガーベラが照れたようにそう言ってきた
「じゃあ、これで認めてもらえたかな?」
「も、もちろんですわ!」
二人でそんなこと言いながら祝勝会の会場へと到着した。
ロンドンに似合う木製の古い喫茶店の扉を開け中に入ると椿とガーベラ以外の全員が既に揃っていた。