突然の決闘の申し込み
「ここですよ兄さん」
「望んだ転校ではないとはいえやっぱり緊張するな」
サルビアとそんな話をしながら教室の前に到着した。
うずは一学年下でアズ姉は一学年上であるため二人はいない。
サルビアと会話していると中から一人の女性が出てきた。
「おーっし、やっと来たな転校生」
ちょっと男勝りなイメージの女性だ。
「紹介します兄さん、このクラスの担任のデュランタ ミラー先生です。」
「おう!よろしくな椿!」
「よろしくおねがいします」
いい人そうで良かった。
「それじゃあ、さっそくみんなに挨拶してもらうから準備はいいか?」
「はい、大丈夫です」
そう言うと先生はニヤリとし教室の扉を開けた。
「おーし、お前らお待ちかねの転校生だ~入ってこい」
そう言われたので先生に続いて教室に入った。
「じゃ、まずは自己紹介してもらおうかな」
少し緊張しながら先に席についていたサルビアと目を合わせアイコンタクトで勇気をもらった。
「芳乃 椿です、わけあってこの桜花学園に転入することになりました、仲良くしてもらえるとありがたいです」
そう言うと、クラスメイトになる子たちから拍手をしてもらえた。
そう思っていると、一人に女生徒が立ち上がりこう言った。
「あなたが学園長からの推薦で今回入られたのは知っています、しかし!いきなり来たものに学園の代表となる資格があるとは思えません!」
金髪の女の子がそう言いながらにらんでくる。
「いや、なんかごめんね美人さん」
「ふざけているのかしら」
さらに彼女の機嫌を損ねてしまったようだ。
「先生!一時限目は体育でしたよね?私とこの方と決闘させてください!」
そう女の子はミラー先生に尋ねる。
「おー、今日は大したことする予定なかったしいいぞー」
なんて適当な先生なんだ……
「覚悟しておいてくださいね」
「……わかったよ」
女の子はそのまま教室を出て行った。
すると騒然とする教室の中一人の金髪の男の子が話しかけてきた。
「あの、いきなり姉さんがすみません」
礼儀正しそうな穏やかなそうな人だ
「いや、かまわないよ、いきなり来たよそ者が学園の代表になるって言われたら当然の反応だと思うよ」
「ありがとうございます!自己紹介がまだでしたね、僕は
ガザニア ベルそしてさっきの姉がガーベラ ベルです、よろしくお願いします!」
そう言いながら手を差し出してくるガザニアに対し握手で応じた。
「ああ、こちらこそよろしく」
するとその後ろからサルビアが話しかけてきた。
「兄さん分かっていると思いますが……」
「ああ、わかってるよ」
ガザニアが不思議そうな顔で見ていたが、気にしないでと言いその場は収めた。
そして一限目の時間になり、決闘の時間になったのだが
「どういうことだ」
控室にいる俺がそうつぶやくのも無理はない、なぜなら……
「なんで、全校生徒が集まっているんだ……」
そう、何故か桜花学園の全生徒がメインアリーナと呼ばれている場所にあつめられていた。
「ふっふっふ、びっくりしたかね椿君」
アズ姉がそう言いながらとうずと歩いてきた。
「アズ姉、どういうことなんだ」
俺がそう聞くとアズ姉がこう続けた。
「私達はあなたの実力をよーく知っているわ、だけどガーベラのようにいきなりきた転校生が代表になるのに懐疑的な人たちもいるわ」
「そこで!決闘するとのうわさを聞き付けたこのアズ姉が学園長に頼んで一限目をこうしたあなたのお披露目会にしたってわけよ!」
かわいく言うのが余計にはらたつな。
「お兄様の戦闘がまた見られるなんて感激です!」
うずがいつにもなくハイテンションでそう言う。
「兄さん時間になりました」
後から入ってきたサルビアが迎えに来た。
「やることになってしまったのなら仕方ないか……」
俺がそうつぶやくと三人から
「勝ったらお祝いだぁ!」
「お兄様!頑張って下さい!」
「もしケガしても治してあげるから」
三人からエールをもらい俺はフィールドへと向かうのであった……。