回復魔法の使い手
「サルビア!久しぶりじゃないか!」
サルビア アボット。
イギリス生まれの女の子は昔うちにホームステイをしていたことがある幼馴染みでもう一人の妹のような存在だ。
「兄さん、足を見せて」
そう言ってくるサルビア。
「いきなりだな」
さっき、うずのタックルを受けて少し擦りむいてる」
バレていたようだ……。
「ごめんなさい!お兄様!私ったらまた…」
「大丈夫だよ、ほんとにただの擦り傷だから」
ほんとになんともないのだが……
サルビアはウィザード化手術を受けている魔女でありその主な能力は治癒である。
「相変わらずすぐに見つけるね」
「ほら、早く見せて」
「分かったから、胸を離して……」
さりげなく胸を押し付けてきていたサルビアを離しズボンをまくった。
【ヒール】
傷の上にかざすように置いた手から緑色の光が現れた。
「綺麗な光だな…」
「っ…」
何も言ってこなかったがサルビアの頬は赤く染まっていた。
「相変わらず照れ屋だな」
「うるさいです……、はい終わりましたよ」
サルビアがそう言って手をどけると傷はきれいに塞がっていた。
「ありがとう、サルビア」
「兄さんの傷を治すのは私の役目です、今までも、これからも」
そう言ったサルビアの表情はどこか悲しげな表情だった、おそらく昔のことを思い出しているのだろう。
「む~」
声のした方を振り返ると、うずが可愛らしく頬を膨らませていた。
「サルビアばっかりお兄様とイチャイチャしてずるい!」
どうやら、ついに我慢できなくなってしまったらしい。
「もう、お兄様もサルビアも早く行きますよ!」
そう言うと、うずとサルビアがこっちを向き微笑みながらこう言った。
「ようこそ、桜花魔法学園へ」