異国での再会
「はっ!はっ!」
芳乃流と書かれた道場で木刀をふる音が聞こえていた。
「今日も精がでるのぉ椿」
筋肉質の年寄りの男がそう言う。
「あなたがやれって言っているのでしょう師匠」
椿と呼ばれる男は黒髪のどこにでもいそうな青年だ。
「うむ、魔法に頼ってばかりいる現代者は軟弱でならんからのぉ」
ファーストウィザードの誕生から世界に魔法が爆発的に普及し、世界中の政府が産まれつき魔法の使えないものには魔法使い化手術を義務づけるようになった。
今では普通の高校でも魔法の授業が行われるのが当たり前になりウィザード育成のための学校も何校も開校している。
「魔法は正しく使うんだぞ椿よ」
師匠がふいにそう呟いた。
「……分かってるよ爺ちゃん」
「ほっほっほ、ならばよい、そう言えばうずから手紙が届いておったぞ。」
椿宛に海外の魔法学校に通う妹の芳乃 うずから手紙が届いた。
「お兄様、お久しぶりでございます。お元気ですか?うずは元気にやっております。
さっそくで申し訳ないのですが、お兄様にご相談があります、詳しくは現地にてお話致しますので来週の便でこちらの国まで来ていただけないでしょうか?」
「来週!?」
「楽しみじゃのぉ椿~土産忘れるでないぞぉ」
手紙が届いてから一週間後、椿はイギリスに来ていた。
「ここか……」
椿がメモを見ながら足を止めた目の前には王立桜花魔法学園の文字が。
イギリスにありながら名前が日本風なのは創設メンバーのなかに日本人が入っていたからということらしい。
「お兄様!」
そう言いながら駆け寄ってきたのは黒髪にショートカットの女の子の妹のうずだった。
「お久しぶりです、お兄様!」
「ああ、ひさし……ぐはっ!」
うずは駆け寄りながら強烈なタックルをかましてきた。
「嬉しいのはわかるがもうちょっと加減してくれると助かるかな……」
「あら、これでも足りないくらいなのです!」
頬を赤めながらそう言ううず。
すると、うずの後ろから。
「あなたたち兄妹は相変わらずですね」
そういいながら出てきたのは赤髪でポニーテールの女の子だった。