世代最強の歌姫
「あいつかなり強いな」
「兄さんでもそう思うんですね」
「まさかあのレベルの選手がいるとは思っていなかったな」
椿はそう言いながらさっきリンが言っていたことを思い出していた
「あたしは椿とブレッシングディーヴァしか眼中にない」
椿が剣を交えるまでもなく強いと感じた王 リンユーが一目置くブレッシングディーヴァのアメリア クラリネット,この人物も警戒する必要がありそうだと思った椿であった。
「では兄さん私は今日も生徒会がありますので」
「ああ、悪かったな変なのに巻き込んで」
そういうとサルビアは首を横に振り
「兄さんも今日は特訓はなしにして休養日にしたのですから早く家に帰ってゆっくりと休んでください」
サルビアにそう言われたのでさっさと家に帰ることにした。
そしてその日の夜、椿が家に向かって歩いているときだった。
「んー、暗くてよくわからないなぁ」
メモを見ている人が前から歩いてきた
「ちょっといいかな?」
その人物が椿に向けて話しかけてきた、声を聴く限り女性の様だ
「どうかしましたか?」
「ちょっと道に迷っちゃって、桜花学園ってどこかな?」
どうやら学園に行く途中だったみたいだ
「それなら案内しましょうか?」
「ほんとかい?助かるよ~」
椿は今来た道を二人で戻ることになった
「悪いね、来た道を戻らせてしまって」
「いえ、今日は予定も無かったので…」
そう言いながら夜道を二人で歩き出す
「それにしてもこんな夜に学園に用があるなんて珍しいですね」
「ちょっと事情があってね、なかなかお日様が出ているうちは好きに動くことが難しいんだよ」
暗くてよく見えないが女性の表情は少し残念そうな表情をしているように見えた
「君は桜花学園の生徒なのかな?」
女性が不意に聞いてきた
「そうですよ、桜花の二年です」
「ふむふむ、同級生だったのか~意外だな~落ち着いてるから年上かと思ったよ」
女性がニヤニヤしながらそう言ってくる
「どうせ老け顔ですよ」
「あはは、ごめんごめん」
暗い顔だった女性が笑うのを見て椿は少し安心した。
「そういえば、自己紹介がまだだったね」
女性がそう言って立ち止まった瞬間月を隠していた雲が晴れて女性の顔が明らかになった
「私はアメリア クラリネット、チター女子高校の代表だよ」
そう自己紹介をしてきた彼女は銀色の髪に吸い込まれそうな青い瞳、そして全世界のアイドルといわれるだけはあるオーラのようなものを感じた。