プロローグand1st、[理解不能な世界」
こんな四字熟語を知っているだろうか?
ある時、画人が竜を描いた。完成まであと少し、最後に睛をかいて仕上げをした。
その瞬間、竜が飛び出てきたという。
この、伝説?都市伝説?はたまた例え話?よく分からないがこの出来事からできた言葉、
それが画竜点睛という四字熟語だ。
意味は
''最後の大仕上げ''
いきなりこんな話をしたのはこの言葉が...いや、
この言葉の意味がなぜか気に入っているからだ。
そう、この何の取り柄もない、
四字熟語を覚えるのが好きな訳でもない俺、
''里紅 練島''(りく れんと) が、だ。
不思議な事だと自分でも思う。なぜ、こんな言葉を覚えているのだろう...
まぁ見当はついている。
俺はあの言葉の''意味''に惹かれたのだ。確証という面では無いに等しいが...
まぁ一つぐらい変な事を考える俺だが
その他で言えばごく一般的な思考を持つごく一般的な生活を送るごく一般的な善良市民だ。
そこは信用出来るところだと俺は思う。
なぜなら、俺が、今年に地元の高校を志している中3だからだ。
学校には普通に友達はいるし、特に中二病らしきこともしていない。
まぁ、高校へはまだ春だから緊張感は無いけど。(ていうか普通にいけると思うけど)
そんなことはさておき これで証明出来たと思う。
自分がただの人間だということを。
時針は朝7時半を指していた
そろそろ学校に行かないとなー
あのバカ教師が怒るからな。
そんなことを思いながら練島は今日の予定を合わせていく
「ちっ今日、5教科そろってるな。最悪だ」
朝から最悪の気分だが...行くしかない、学生の義務だからな。
そんな憂鬱な事を覚えながらも家を出た
ここの通りをまっすぐ行ってその先の交差点を右に曲がり、
練島はふいに止まった。
「ここが学校に行く近道か、えらく細いな」
足元に注意しつつ、練島が歩いていく
歩いて行く内に何かに気づいた
下に何か赤い光が見えだしたのだ
何か考えられる時間もなく周りが赤く赤く光っていく
その刹那 世界が狂乱したかのような幻覚を覚えた
いきなり色が朽ちていく...
世界が白黒になっていくかのように
「なんだ??急に頭がクラクラして...」
コンクリートが溶けていく...視界がボヤける。
(なんだか下に飲み込まれていくような...)
(うっ頭が!意識がもうろうと...)
.................................................................
......................................
.................
.....
.
練島の意識はそのまま闇の中、深くへ沈んでいく。
状況が出来ないまま、ゆっくりとゆっくりと身体ごと沈んでいくかのように
* *
「ここは一体?」
練島はおもむろに目を開いた。
そこには見た事もないよう世界が広がっていた
だが、それより先に練島が気になったのは...
(なんだ?周りに人だかりが出来ている!!)
そう、練島をまじまじと見ている連中だった
興味深そうに見る者もいれば、
恐れているようなひともいた
そして練島はあるひとつの特徴を見つけた
全員、制服を着ている?
女子は全体的に白いような格好で
スカートのウエストらへんにそれぞれ違う色が施されており、
スカーフの色と同じになっている。
男子は日本の学生服の肩パットやら
上に突いているような襟を取り外したような
黒を基調としたデザインになっている。
右の二の腕の方に女子と同じようなそれぞれ違う色が施されていた。
色は学年を表しているのか....
練島はそれらの情報から判断する
まるで制服で学校をあてるかのように
そして、元の疑問を思い出す
「てっゆうか...なんなんだここは!?俺はさっきまで学校に行く途中で...」
そう練島は学校に向かっていたはずだったのだ。
こんな、自分が異物のように見られる場所なんて来た覚えがないのだ。
ましてやこんな学校の制服を着ているところなんて、
自分が住んでいる場所の近くにはない
練島は我ながら感心するような冷静な判断をしていたが
ふいと右端を見た
そして気が付いた
1人の女性が何かこっちにむかって叫んでいることを
「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」
いや、唱えているのだろうか
女性がこっちに手の平を指し出していて何か口を開いていた
その後、手をそっと下げた。どうやら唱え終わったようだ
そして今度はこちらに話しかけてくるように口を開けていた
俺は耳に何らかの支障が出たのか、彼女が口を開けて、
何かを、こちらに向かって言っているようにしか見れない
いったい何をいっているんだ?いったい何を....
練島は先ほどまで言葉が分からなかったが、
徐々に理解が進んでいく。
「大丈...」
深くなっていく。
「大丈夫で...」
より、もっと深く
「大丈夫ですか?」
言葉がはっきり聞こえてきた
「私の言葉は理解できますか?」
「あ...はい。理解出来ますけど...」
俺は??なんだが...
そう思いながら練島は1人の女性を見た
そこには黒髪で大人じみている優しい顔をしている女性の姿があった
(うわ、きれいな人だな~)
それしか練島は言えなかった
それ以外当てはまる言葉が見つからないのだ
さっきは急なことで顔をあまりみれなくて
女性ということしか分からなかったが...
まさかこんな人だったとは!!でも
(学生...ではなさそうだな、第一、制服ではないし、スーツをきているし)
「この人に聞いてみるか、ここのこと」
小声で誰にも聞こえないように練島はそう言った
「質問をしてもいいですか? まず俺はなぜこんなところに...」
質問内容を言おうとした瞬間、彼女の言葉が間に入ってきた
「まぁいろいろ思うところはあると思いますが、ここでは人が多いので違う所で話をしましょう。最初に休ませてあげたいところですが...あなたも先に話を聞きたいでしょう」
全くもって、正論だ。
こんな訳のわからないところで休めるはずがない。
彼女もそれを分かって言っているのだろう。
「分かりました。案内して下さい」
* *
練島は注目を...いや、
異物扱いされているように感じていた
廊下を抜けて行きながら
とんだ風評被害だ。
俺は何もしてないし何も知らないのに...
練島はそう思うが誰も共感してくれる人などおるはずもなく、
彼女にひとつの疑問を問いかける
「あ、あのどこに向かっているんですか?俺、行き先 知らされていないんですけど...」
そう、俺は行き先を知らされていない。
てっきり少し歩いたところで話をするのかと思ったが、思ったより遠いのだ。
どこまで行くんだ?俺
そんな事を思っていると女性が口を開いた。
「すみません、まだ伝えていませんでしたね」
「あ、その前にあなたの名前を教えて下さいますか?」
今頃名前か意味あるのか?
そんなことを覚えながら自分の名前を名字付きで言う。
「里紅 練島です。」
「珍しい名前ですね。...さすが~~」
(最後に何か言ったような気がするが気にしないでおこう)
「あなたの...お名前は?」
「私の名前は''リウムアース=サウファニア''気軽にサウファさんとお呼びください」
サウファ...か 外人さんなのか?
「さて、先ほどの質問にお答えしましょう。私達は今、学園長に会うため学長室に向かっています」
「学園長からこの世界、そしてあなたの存在、その他もろもろの説明があります」
この世界?何を言っているのだろう
当たり前だがこの世界は地球そのものだろう
わざわざそれを''この世界'なんて言うだろうか
だが、確かにここは地球じゃない..隔離されている世界のように感じる
さっきの学生は普通じゃない制服みたいなものを着てたし
よく見れば髪色が点でバラバラだった
この...サウファさん?って言う人は普通の人のように見えるが
俺に向かって何かを唱え、厨二病を全開していて
その瞬間、俺は彼女が語りかけてくる言葉がわかっ...た?
おかしくないか?
練紅は頭をフルで使い考えた。
なぜ?彼女が何か唱えた時、耳が正常になった?
思い出せば、学校の掲示物...
日本語じゃなかったし、
英語とかじゃない気がする。
練紅はさっきの人だかりの髪色も考察に加え、考えていく
そしてある合点にたどりついた
今、俺がいる世界が地球ではなかったら、
もしも異世界という別の世界だったら!?
練紅が頭の中で考えていると、サウファが喋り出す
「さぁ着きましたよここが学長室です。心してかかってください」
廊下を抜けた先には変なマークがついている扉があった。
練紅は妙な緊張感が自身にあることに気付いた
お読みになられた方ありがとうございます。
次回、学園長登場します!そしてこの世界について分かっていきます。
下手な小説ですが、まだ続きますので宜しくお願いします