エピソード16 伝説の聖剣 後編
三人は同時に心臓部を狙って剣で攻撃したが豹変したモンスターが上へ飛んだため、かわされる。
でかい体をどうやって飛ばしたのかは知らないが前より速く攻撃してくるようになった。
その動きは洗練された格闘技選手のように無駄がなく、相手を一撃で無力化しようと的確に致命傷になる部分を狙っている。
そして今狙われているのがさっき攻撃に失敗した三人。
彼らは攻撃した際、心臓部を刺そうとして思いっきりジャンプしていた。
モンスターから異様なオーラの拳が向けられているが回避することが出来ない。
「マレス、僕が時間を稼ぐ。だからその間に三人を合宿場のテントまで頼む!」
「君はどうなるんだ。実力差はもはや歴然。どう見たって勝ち目なんてないよ」
「大丈夫、僕は強いから。それにみんなが助けてくれるって信じてるから」
マレスはその時涙目になりながら笑っていた。
「君はずるいよ。そうゆう時だけ友達を頼るんだから。後は頼んだよ。絶対に助けを呼んでくる!!!!」
三人を抱えてマレスは走る。
僕は1人、このモンスターと一対一することになった。
この状況はどこか似ている。剣舞祭のドラゴンの時もこんな感じだった。
最初は楽勝でも一定量のダメージを負わせると突如狂暴化する。
そんなことを考えていたら次々に拳が飛んできた。
避けても避けても攻撃を続けるモンスターに対し、僕はもうヘトヘト。
「僕は強いから!」と言ったけどこれは思った以上にキツイ。
避けてるだけじゃ一生このままだ。
そう思った僕は体を起こし、奮い立たせた。
こうなったら受け身覚悟で攻撃に出るしかない。
拳をギリギリで避け、最小限体力を温存して攻撃に移る。
持ち前のスピードが功を奏したのか計画通り体力を温存出来た。
「後は心臓を貫くだけ」、そう思ってモンスターの背後を取り、壁に足を一回付けて勢い良く剣を手に跳び込む。
「女神の一撃を喰らえ!!!!!!」
僕は剣に女神に与えた力を込め剣を力一杯振るった。
膨大に放出したエネルギーは風を切り、そのままモンスターに直撃し、膝を地面に付けた。
「やったか???」
敵がもう立ち上がらないか確認しようとしたが大量の魔力並びに体力を消耗したため、こちらがもう立ち上げれなくなっていた。
「おーい、ユートリア!大丈夫かー⁉︎」
ちょうど助けが来た。僕は残り僅かな体力を使って体を引きずってマレスたちがいる方へ行こうとする。
「ユートリア、待って!」
その時、聞き覚えがある声が聞こえたので振り向いてみるとそこには「聖剣カーレッジ」があった。
洞窟の鉱石が聖剣を輝かせていてとても綺麗だ。
その光景に釘付けで見た時、モンスターが再び起き上がりこっちに攻撃してきていることに気づいてなかった。
次の瞬間、僕は直で拳に当たり壁に頭を強く打った。
今回もこの物語を読んで下さりありがとうございます。
遅くなってすいません。
次回からもお楽しみに!