エピソード13 洞窟の試練 合宿二日目
早朝6時から合宿二日目の訓練が始まった。
今日の訓練は前日の厳しいランニングは無く、剣の修練だけ。
これだけ聞くと楽そうに見えるが実際は一日中「剣豪」が付きっきりになり、洞窟の中でモンスターをひたすら倒すというもの。
朝の内は弱いモンスターしか出ない為僕たちでも戦えるのだが、段々日が落ちてくると強いモンスターがわんさか出てくる。それはもう僕たちじゃ敵わないモンスターも出てくると言う。
しかし、皆の顔を見ると険しい表情をしていた。
洞窟での訓練は五人一組で行動する。五人一組で行動する理由は主にどんな状況になっても対応できるということらしい。
それにどの組も成績優秀者が一人以上いるのでまず死ぬことは無いということもある。だから皆、安心して洞窟の奥の奥へと進んでいるのだろう・・・・・・・・・・・・・僕たちの組以外では。
「どうしよう」
僕たちの組は運悪く成績優秀者が一人もいなかった。しかも一人一人自分勝手で連携がまともに取れない組だった。
このままの状態で行くと確実に複数のモンスターから襲われた時、真っ先に全滅する。
そう思った僕は四人に「せめて協力しよう」と説得を試みた。
結果、三人には連携することを断られた。
「俺一人で十分だ」とか「お前みたいな女の言うことになんで従わなきゃいけないんだ?」、「リーダーごっこに付き合ってやるほど子供じゃない」など散々な理由でだ。
諦めかけていたその時、一人の茶色い髪の少年「マレス」が声を掛けて来た。
「お困りのようですね、ユートリア様。もし宜しければこのマレス・オンリュートにお申し付けください」
礼儀正しいその姿勢と口調からは正しく誇り高い騎士そのものだった。その姿に不本意ながら少しときめいてしまった。
「うん、宜しくね!」
その後、僕とマレスは連携して弱いモンスターをどんどん倒していった。
残りの三人も負けず劣らず倒していく。
僕たちの組はどんどんどんどん勢いついて来た。
気づけば洞窟のかなり奥部にいた。
このまま最前線のまま、今日の訓練を終えられると思っていたがこの時の僕たちは洞窟のボスモンスターの存在にまだ気づいていなかった。
今回もこの物語を読んで下さりありがとうございます。
次回も是非読んで下さいね