エピソード9 新たなる人生の道・続
騎士とは人々を守る貴族だ。
ここフィードル王国の騎士は例外なく、王家に忠誠を捧げていて、王家のために動く。
そんな騎士に僕がなる?
冗談じゃないよ。
6歳児にそんな責任重大な責務をさせるなんて一体エレクさんは何を考えているんだ。
周りの反応を見たって当然反対の声が挙がった。
それも声を挙げているひとは大半が現役の騎士達だ。
「エレク様、王国騎士団団長としてその者が騎士になることに反対です」
そう言って来たのはこの国に5人といない剣豪の称号を持つキルラ・エスリックその人だった。
「なぜだキルラ。これは民選委員会でも認められた政策なのだぞ」
「騎士とは主人のために命を捧げ、日々の努力を積み重ね、修行した者のみそれを名乗れる者。
だが、その者は幼子。なんの修練もしていない者を騎士にさせるなど言語道断です」
騎士団長は騎士としてのプライドを語っている。
・・・ごもっともだ。
僕はその時そう思った。
まず、僕は自体騎士になるなど初めて聞くことだ。
誰だそんな後先考えていない提案をしたのは。
「お父さんだよ!ユートリア」
目の前に現れたのは紛れもなく僕のお父さんだ。
「いやはや、人の心を読むのは久しぶりだな〜。
んと、そんなことは後にして」
そんなことってなんだよ。
今すぐ僕は再会を喜びたいのに・・・。
「聞き捨てならないな。キルラ殿。あんたは剣舞祭でのことを知らないからそんな事が言えるんだ!
お父さんは得意げに話した。
さすがの騎士団長もキレかかっていたがエレクさんがその場を収めたため、自体は大事には至らなかった。
その後、僕とお父さんは今夜王宮に泊めてもらう事になった。
見慣れない天井の下で寝るのは落ち着かなかったがエレクさんが一緒に寝てくれたおかげで朝、目覚め良く起きることが出来た。
(寝付くまでは子守唄とか歌われて子供扱いされているのが恥ずかしかったけど・・・)
早朝6時、僕は昨日エレクさんとの約束を守るために王国騎士道学園に出かけた。
「6年間学校に通い剣術を磨くこと。そして騎士選定試験に合格して騎士になって戻って来ること」か。
簡単だと思って2つ返事で引き受けてしまったが、そうではないらしい。
噂によると選定試験の合格率はとても低いらしく、毎度4、5人ぐらいしか合格できないらしい。
学園に着くと担任の先生がクラスに案内してくれた。
ドアを開けることを一瞬戸惑う。
それでも覚悟を決め、ドアを開けた。
今回もこの物語を読んで下さりありがとうございます。
次回からは学園編を書こうかと思うので是非読んで下さい!