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ec経済観察雑記  作者:
20/66

14 傘と越後屋

2017/3/12 本小説0話、プロローグの前に、地図を扱うページを投稿しました。

1512年3月19日


「傘ってありますよね」

「どうしました?いきなり」

 平凡な一日が今日も始まる。


 今は第12食堂(英国のダイニング風。因みに姉妹食堂として、ブリティッシュ・バー風の第70食堂がある)で、瓶入りの麦茶にワイングラスに入れて飲んでいる。

 ワイングラスは麦茶の香りを楽しむために、公務隊第三工業班(ガラス製品はここの担当)による特別加工が施されている。このグラスを使うと確かに大麦の香りがダイレクトに、しかしまろやかに鼻を包み込むのだが…ちょっと飲み辛い。

 普段ワイングラスでジュース等を飲まない質なので、やはりそれを使うのは抵抗がある。麦茶というものは、200mlのガラスコップで飲むのが一番風情があって良いと思う。いやそもそも麦茶を瓶に詰め、製造年を大書し、ブランド名を掲げている時点で風情も何もない、と言われればそれまでなのだが。

 ちなみにブランド名は「nénuphar」(ネニュファー)という。これはフランス語で「睡蓮」という意味なのだが、どういう過程で睡蓮になってしまったのか、少々分かりかねる。



 さて、傘のことについて話題を振ったのは第一秘書班(女中隊31班)2係の小池さんである。女中隊31班といえば、1係の面々を今まで紹介してきたと思う。しかし、秘書もいくつかの班を形成している以上(つまり数百人レベルでいる以上)、当然1係だけには留まらない。まだ紹介していない秘書も沢山いるのだが…まあ、少しづつで良かろう。


「いや、昨日434階の第十四秘書事務室で作業していたらですね、やっぱり傘は和傘が主流だなー、と思いまして」

 434階から地上の様子を目視していたのか。でもまあ、その通りな気はする。

「ああ、そう言われれば。僕が出かける日は毎回晴れ上がっているので気が付きませんでした」

「それはもう優秀な気象係がいますからね」


 そういう事だったのか。通りで今まで傘について意識しなくても大丈夫だったのか。

 気象係とは、女中隊観測班の6係~15係のことだ。本来は第一気象係、第二気象係…と番号が振られているが、全部を纏めて「気象係」と形容することが多い。これは調理班や工業班、秘書班にも同じことが言える。


「でも、あまり晴れの日に拘らず、雨の日とかもいれて頂けると嬉しいです。人間の営みの平均値を眺めたいので」

「了解しました。以後気をつけます」

「いやいや、そんな謝らなくても…で、傘の話でしたね」


 傘…か。そういえばまだecで生産していない。雨の日の散歩用には予戸の傘屋町で調達してきてもらったものを使っている。これはこれで職人の細やかな心配りが見えて、好きだったりする。

 職人が集積する、各都市の○屋町は、さながら専門店街だ。他の工場こうばから仕入れている店、工場と店舗が一体化している店、工房一本でやって小売を受け付けていない所…色々な店によって、○屋町は成り立っている。


「そうですそうです。でも、傘を差していない人も多数派だったんです。それも大橋やら旧宮やらは和傘のほうが多数派なのに、この屋敷の近辺だと往来のお客さんを含めて差していない人が多いのです」

「うーん、何ででしょう?」

「あれじゃないですか?」と、これは斜め向かいの前原さん。どうやら何かを思いついたようだ。彼女は持論を繰り出した。


「ほら、この付近の街道って、閑散としていますけど、大橋旧宮間を通り抜けるだけで言えば他の道を使うより、距離が短い、つまり早いわけじゃないですか」

少しこれについて解説しておこう。


 大橋から旧宮や予戸にいくには、さまざまなルートが有るが、基本的に刺木経由が一番近道だ。それで、尾親から刺木にいくためには、ポピュラーな道が二つ有る。

一つは、大橋から南西方面に折れ曲がり、すぐに南方向に行き、そのまま旗ヶ野や甘木、工沢を通り、路原にたどり着き、刺木を経由する、いわゆる「表街道」。

 もう一つは、尾親からそのまま南方向にぬけ、矢端を経由し、その後西に抜け路原で合流し、刺木を目指す、いわゆる「裏街道」。

 実際の賑やかさは裏街道の方が大きいのだが、どうやら「表街道を経由した方が早く行く事が出来る」と前原さんは主張したいようだ。でも、道のり的にはそんなに変わらなかったような…気のせいだろうか?


「あれ?そうでしたっけ?どちらを選んでも距離的には大して変わらなかったはずですが」

「確かに、距離的にはそうです」

 前原さんが不敵に笑う。距離以外の要素となると…あ。


「そうです。本街道と裏街道の間では、微妙に渡しを許すかどうかの基準が違うんです」


 そういう事か。旗ヶ野の北に位置する鯛野川を渡るためには、本街道は根淵、裏街道は滑崎の渡しを使う必要がある(今後大橋周辺の安定化や汽車の実用化に伴って状況も変わってくるだろうが、少なくとも橋は現在、軍備上の理由により設置されていない)。

 因みに根淵は川の旗ヶ野側、滑崎は川の尾親側。どうやら、滑崎よりも根淵の方が、鯛野川を早く渡れるということらしい。


「とはいっても同じ川なんですから、高々半日か、長くても一日程度でしょう?いくら双田領内が地方の代官にある程度権限を委譲しているからといって、そんな地元のためにわざと川止めを長くしたら、それこそ双田さんがその代官を左遷させそうですけど」

 江戸時代には、宿場町の利益(宿代等)を増すために、わざと川止めを長くした宿場が少なくなかったようだが。

「その一日、いや半日を惜しむ人たちがいるわけですよ。つまり、旅費を出来る限り抑えて移動したい人が」


 ああ、成程。そこまでヒントがあれば、この疑問に対する答えを導き出すことはそれ程大変では無い。

「つまり、出来るだけ旅費を抑えたいがために…」

「高い和傘を差さずに旅をする訳です」

 前原さんが緑茶(領内産)を一口すすりながら言った。確かにそういう事なら納得だ。


「まあその理由以外にも、重くて嵩張る和傘を敬遠する向きが旅人にはある、という理由もありますけどね」と、田名川さんが補足した。確かにそれはあるだろう。

 徒歩の旅では出来るだけ荷物は少ないほうが都合が良い。ビニールで張った傘ならともかく、わざわざ紙で張った傘を持つメリットは少ない。

 後はこの世界では傘がかなり高級品であることも大きいのではないかと思う。仮に傘を一本買うお金があったとして、高かったとしたら、途中でもし傘が必要なくなった時に誰かにあげるというのは、精神的余裕からみて難しいだろう。


「ただ、傘は旅行時だけでなく、普段の生活でも必要なものですから、作っておく必要は大いにあると思われます。大橋内でも、比較的貧しい人は傘を差せていないようなので、普及に耐えうる傘を製造する必要はありそうですね」とこれは小池さん。確かにそうだ。

 雨の日に仕事に行ったり、用事を済ませたりするのに、とにかく外に出る仕事が一つでも有る限り、傘は必要になってしまうわけだ。


「実際問題、傘を購入する代金を惜しむことによって、体を壊してしまってはトータルでマイナスになってしまいますしね。医薬品代だとか、休んだ時の給料だとか」と、これは前原さん。

 貧富の差で持ち物に影響を与えるのは、まあある程度は仕方ないにしても、それが生活を豊かにするために必要な物品の入手可否にまで関わるようなら、それは問題とせざるを得ないし、するべきだ。

傘問題を解決することで、風邪を減らすことが出来、それで庶民の健康状況は勿論、経済状況も改善するかもしれないし。


「そうですね。因みに島木屋さんは傘の販売はどうされてます?」

「ええっと…」

 瀬戸さんが分厚いファイルの頁を捲る。

 このファイルは前回島木屋に行ったときに、どんな商品がどんな価格で、その他一切の情報をまとめた物だ。繁体字混じりの、しかし整然としたレポートはこれは恐らく王さんの纏めたものだろう。どうやら目当ての情報を見つけたようだ。


「商品棚の記録を見る限り、傘の販売は、洋傘は勿論和傘も販売していないようですね」

「意外ですね。百貨を扱っているイメージがありましたが」

 総合スーパーっぽいラインナップから、つい傘も売っているものだと思っていた。

 江戸時代の百貨店にさえ傘に関する逸話が残っていたはずだ。三井越後屋の傘に関する逸話は何回か聞いたことがある。確かあれは販売せず…


「広告を織り込んだ番傘」

 ふと口に出てしまった。


「?…ああ。三井越後屋の戦法ですね」

 大塚さんが反応する。さすが。

 神造人間にはデフォルトで地球に関する知識をつけているのは、今までの会話を見ても明らかだろう。そんな事はさておき大塚さんの話はすすむ。


「江戸の町で越後屋の名前を広めるために、当時高価だった番傘に広告を入れて、大量に、しかも無料で貸していたそうですね。そんな太っ腹精神が、越後屋の信用を高めたのだとか」

 それそれ。今でこそテレビドラマの影響で越後屋は「悪徳商会」というイメージがついてしまっているが、それは小道具の都合だったらしく、実際の越後屋は、これ以上無いくらい革新的な百貨店だったようだ。切り売りとか、即売のシステムとかね。

 その経営手腕から、現在でも、大財閥とタッグをくんで東京をはじめとする全国の一等地に百貨店を構えている。百貨店の名前を冠した地下鉄駅が、東京にあるくらいだ。


「島木屋さんとタイアップして、似たような企画はやりたい所ですね」

「そうですね」

「そのためには…よいしょ」


[傘 Lv1 1本 7ec

ごく一般的な傘。結構逆さコウモリ(骨が突風等により通常とは逆向きの、盃のようなカーブをとること)になりやすいので、台風中継にもってこい。100円ショップレベルの代物。色は黒。]


 ビニールやら鉄やらは既に生産してあるので、傘をいきなり生産することができる。色違いも作ることによって、使用ecの量が跳ね上がるので、色違いも生産しておくことにしよう。


[傘 Lv2-2 1本 35ec

ごく一般的な傘。結構逆さコウモリ(骨が突風等により通常とは逆向きの、盃のようなカーブをとること)になりやすいので、台風中継にもってこい。100円ショップレベルの代物。色は赤。]


 色も無限といって差し支えないと思う。まあ人間の知覚できる色は高々800万色という研究結果もあるようだが。ついでに傘も軽く改良しておくことにしよう。


[傘 Lv17-2 1本 48万ec

ごく一般的な傘。とにかく丈夫で、どんな暴風雨でもまず壊れることはない。撥水性能も良好で、雨粒が表面張力で離れる事も有るほど。傘専門店にならべても全く恥ずかしくない性能。色は赤、無地。]


 これくらいの性能があれば、普段使いには不便しないだろう。

「じゃあ、これを卸すことにしましょうか」

「それで良いと思います。ところでどれ位の価格で卸しますか?」

 田名川さんに価格設定を聞かれた。うーん。

 出来るだけ安く、ビニール傘並にしたほうがいいのだろうか…そうした方が、いらなくなった時に捨てやすいし…あっ。あまり安くしすぎて捨てやすい環境を整えてしまうとごみ問題が発生してしまうわけか。これはちょっと舵取りが難しい。高くすると手に取りづらくなり、安くすると無駄な傘が出てしまい…


「うーん、では7文(280円)くらいでいかがでしょう」

 このあたりが落とし所だろうか。

「それくらいが無難かもしれませんね」

 こうして午前が終了した。お昼を食べに行くついでに郵便受けを確認したら、一通の手紙が届いていた。



===

蓮葉暖様

 陽気が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。早速ですが、今月分の取引内容の打ち合わせを行いたいので、お手数ですが島木屋までお越しください。 後略

島木屋 総務部長 紺原光

===



 端的な、すっきりとした手紙だ。流れるように書いているところから、多忙さを暗示させる。しかしこれは都合が良い。

 セールスも一緒に、取引商品の打ち合わせをしてしまおう。さすがに今日の午後から行くのは体がしんどいので、明日にまわそう。


「では明日向かいましょう。三角さん、これを逓信班の方へ」

「了解しました」

 逓信班は、領外と連絡を取るときに使う班だ。ここでは、島木屋の方に向かわせている。使用人に直接行って貰ったほうが、よっぽど早いし、信頼性も高い。




 さて、昼食は温かい饂飩。

「やっぱりおうどんはコシが有るのが良いですねー」

「毎回仰ってますね、それ。まあそのとおりですね」

「伊勢うどんとかあんまり食べた気がしないですよね」

「まああれはあれで別の食べ物として考えれば意外といけますよ」

「まあそうですけれども」

「ところで饂飩の始まりってどこででしたっけ」

「それはですね…」

 昼食時の雑談も楽しみのうちだ。



「…ところで、温かい麺類もそろそろシーズン最後ですかね」

「確かに、最近どんどん暖かくなって来ましたし、可能性はありますね。そもそも今は3月の下旬で、かなり水も温んできていますし」

「いやでもどうなるかは分かりませんよ。こういう暖かい日の後は、決まって冷え込むものです」

「三寒四温というやつですね」

 暖かさに身を任せる。




 昼食が終わると、資料の整理を行う。それと並行して、使用人の集めたデータの分析にもかかる。

「確かに水谷みなや村は物価が上昇しているような…」

「ベビーラッシュがどうもあったようです。あ、こちら村の冠婚葬祭の記録になります」


 記録係の王さんがデータの入ったファイルを差し出す。

 これを見ると、筆書きの資料をスキャナで読み取ってコピーしたかのようなA4用紙があった。これを見ると、たしかにここ3年間、立て続けに赤ちゃんが生まれている。「ベビーラッシュ」という表現も妥当だろう。


「有難うございます。どれどれ…成程。どの影響で特にタンパク質系の食品、例えば魚、大豆、あとはその加工品とかが不足しているようですね。

 産後の妊婦さんや、食べ盛りの子どもたちに、多くタンパク質を摂らせないといけないからでしょうか。最も、タンパク質系の食品に関しては、この国の内陸では比較的どこでも不足しているようですが」

 魚があまり遠くまで運べない、というのは大きい。

 水谷村は、旗ヶ野を南西に20km程行った所にある村だそうだ。「だそうだ」などと行っているのは、旗ヶ野と水谷の間には1本の獣道すら通っておらず、必ず巴坂、もしくは妥協して尾親まで行かないと行き来出来ないからだ。

 八王子から高崎まで行きたいのに、八高線が通っていないがために中央線と湘南新宿ラインを使わざるを得ない、といった感じだろうか。はたまた、明石海峡大橋がないがために神戸から鳴門までいくのに瀬戸大橋を経由せざるを得ない、といった感じだろう。


 なお、今回距離の勘定には迷宮隊作成の地図を使用している。

 ところでこの地図、どうやらサンソン図法で作っているらしい。正積図法は扱いやすくて好きだ。これとは別に、修正超多角直角菱形図法の地図も作成しているので、これも参照して欲しい。こちらも意外と便利だったりする。主に測量の手間的な面で。


「特に農村の生活は厳しいですからね。大豆も十分普及しているとは言い難いですし」

「そうなんですか?味噌は結構普及していそうですけど」

 昔の田舎でも、味噌は比較的生活必需品として流通していたような気もする。


「味噌も結構高いんですよね。確かに塩分の確保のために、必要最低限の味噌は全国どこでも手に入りますが…ただ、気候の影響で収量がただでさえ少ない大豆を味噌に割いちゃうので、どうしても大豆が口に入る機会は少なくなってしまいます。お豆腐を作るにしても、あれはあれで生物なまものなので運搬に苦労しますし…」

「うーん、その辺の生活改善もやっていかないといけませんね」


 農村の生活改善運動といえば何があっただろうか。確か、肉食の奨励とかだった気がする。後は儀礼食の簡素化、とかだったような。

 でも、儀礼食の簡素化って、文化の多様性という意味ではマイナスな気もする。トップダウンになりすぎないように、注意しないといけない。


「ええ、ですが無理はなさらずに」

「そうします」

 その後もデータの分析に明け暮れていった。


「さっぱりしますね」

「ええ」

 ここは第304浴場。1922階にある浴場である。このあたりまで来ると、もう遮るものが何もないくらいに高い。ここで秘書の面々と(当然タオル着用の上で)入浴…といっても湯船に浸かっているのは僕だけだが…している。

 第304浴場は、檜の単純泉で、一部の浴槽では、薔薇風呂など各種花風呂を用意している。


「しかし、いいお湯なだけに少し喉が乾きますね」

すると、タイミングをさも図ったかのようにドアがガラッと開いた。

「宜しければ、グレープフルーツジュースをどうぞ」

 そういって落合さんが、半升瓶(大橋領では、5合=半升=1000mlなので、この屋敷でもそれに従っている)とグラスが入った木桶を差し出した。


「有難うございます」

「では、取ってきますね」

 そういうや否や、木桶を受け取り瀬戸さんが湯船に浮かべ、木桶を浴槽に浮かべたのを見て、小池さんが半升瓶とグラスを一つ、木桶から取り出した。


「どうぞ、マスター」

 そう言ってグラスを持たせると、半分くらいまでそのグレープフルーツジュースを入れた。

「あ、有難うございます」

「足りなければ言って下さい。またお酌しますので」

そういって小池さんが白い歯を見せる。

「では」

 一口含むと、グレープフルーツの酸味が口に広がった。

 結構甘みは弱めで、酸味がガツンと来る感じだ。そういえばグレープフルーツは、葡萄のように実がなるらしい。巨大な葡萄がなっている姿を想像して頂ければ良いかと思う。

 しかし「グレープ」との差別化のために「グレープフルーツ」とは、まるでグレープが果物でないみたいだ。少し可笑しみがある。せめてグレープシトラスとかだったらかなり理解ができる命名だったのだが。


 ちなみにこのグレープフルーツ、当然のごとくec産品である。1ecで確か150kgくらい作れたはずなので、また改良しなくては…例えば、糖分の構成成分を、果糖ではなくもっと虫歯になり辛い成分、具体的にはキシリトールとかに変えてみるとか。うん、良さそう。お風呂から上がったら早速改良しておこう。


「美味しいですね」

「少し頂いて良いですか?」

 藤山さんがそう言って木桶を自分の方向に手繰り寄せる。ちゃんと飲む気なのが素敵。

「良いですよ」

「では、失礼しまして…やはり美味しい」

 藤山さんの良い飲みっぷりに、ついつい二杯目を伸ばしてしまう。こうして、湯けむりの中で時間が過ぎていった。

いつもお読み頂き有難うございます。

次回更新は3/17を予定しています。

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