7 1512年2月21日の何気ない日常
1512年2月21日
平和な一日が今日も訪れる。
寝室から起きると、恐らく寝ずに待機していた女中さん3,4人の顔が目に入る。
「あ、お目覚めですか」
「おはようございます。貴方がた、本当に寝なくて大丈夫ですか?」
「全く問題無いですよ」
左端の女中…女中隊68班7係の中尾さんが答える。
「そうです。マスターは少し心配性ですね」
中央の女中…同係森口さんも呼応する。2週間神造人間を見ているが、どうやら本当に大丈夫そうだ。
「まあ、あまり無理はしないで下さいね。ところで、今は何時ですか?」
「ええと、7時15分ですね」と、森口さんが壁にかかった時計を見て答える。
「ああ、ではもう良い時間ですね。起きないと…ふぁあ…」
少し眠い。もう日本にいた頃ならとっくに起きて、歯を磨いている時間なのだが…
「ええ。朝食は既に用意してあります。ここまでご用意しましょうか?」
「あ、いえ。食堂まで向かいます」
動かないのも問題ですし、ここはちょっと離れた食堂に、眠気覚ましも兼ねて行くことにしよう。
「ではそうしましょう」
そういって僕達は食堂…1階の主厨房に併設されている第一食堂ではなく、53階の第36食堂…に向った。第36食堂といっても、現在まともに稼働している食堂は、第1、第2、第18、第57と、その第36食堂しかない。
第1食堂は、極一般的なモダンな食堂だ。私立大学の最新鋭の学食、の椅子を座り心地良くしたもの、と言えば良いだろうか。椅子についてもec研究が進み次第どんどんと差し替えて行きたい。
ランチに最も適している、といって差し支えあるまい。日差しを光源木材で再現している(この間光量を日照時間に依存するタイプを開発したので、より自然な日差しを享受できるようになった。その分コストも上昇し、1gあたり200万ecになってしまった。ところで、昔『天窓だと思ったら光量を日照時間に再現したライトだった!』みたいな推理小説があった気もする)ので、かなり快適にランチタイムとおやつを楽しむことが出来る。当然朝食と夕食にも対応しており、明るくクリーンな食事を楽しむ事が出来る。
第2食堂は、クラシックな食堂だ。第一食堂も相当に広いが、第2食堂は10階を3分の2程全てぶち抜いてしまっているので非常に広い。宮中晩餐会とか、恐らくこれくらいのスペースでやっているのだろう。広いひと続きのテーブルで、人を集める/もてなすのには最適。それこそ他の人達を集めて、パーティーを開くも良し、例えば天皇や国会議員(まだ議会という仕組みは無いのでかなり先になるとは思うが)等を饗すも良し、外国から人を呼ぶも良し、様々なシチュエーションに対応することが出来る。厨房内の外付けアイボには、常に高級食材がストックされている。具体的に言えば以下の表のとおりだ。
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牛肉 17t
伊勢海老 600kg
アワビ 500kg
大トロ 2t
フグ 500kg
松茸 1.2t
フカヒレ 500kg
鯛 1t
クエ 1t
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ざっとこれ位の高級食材しか思い付かなかったので、これしか備蓄していない。しかし、今調理班に希望をとっているので、それを順次処理しておきたいところだ。取り敢えず興味のある所から、といった感じだろうか。まあそれは良い。
で、第18食堂は、「春」をモチーフとした食堂だ。常に春の花を咲かせ続ける…と言う事は流石に出来なかったが、機会があればやってみたい。枯れない桜とか。
桃、桜、梅が咲き誇る中での朝食、というのもまた乙なものだ。本来同時に咲かない春の風物詩。今は、桜と梅をプリザーブドして、春の気分を味わうと同時に、宿弥で購入してきたという造花で春の雰囲気に仕立て上げている。
この宿弥の造花は、化学繊維のないなか、職人の手によって作られたもので、値段もそこそこに張ったが本当に品質が良い。平成日本で商品化してもかなりの人気を集めるだろう。造花の努めとして、空気感まで含めて完全に花をコピーすると同時に、和紙や和布のメリットを最大限に活かして作ってある。
そのテリトリーを潰すのもそれはそれで面白そうではあるが、今敢えてそれをする事はしない。面倒くさいですし、それによって地域の産業が潰れたりしたら大問題だ。将来的には戦をするにあたって、相手側の産業を意図的に潰す必要も有るのだろうが。ともあれ今は春の造花と日持ちのする花が飾られている状態だ。生花は管理が面倒臭いですしね。
で、57食堂は秋だ。これに関してはそんなに説明はいらないだろう。昼は燃えるような紅葉、夜は満月で月見。そういった秋の行事を追体験する事も出来る。ここには、秋の食材を備蓄してある。
そして今向かっている第36食堂は、イタリア風の食事室だ。本格的なピザ窯(まだ使っていないので煤ひとつついていない)を中央に構える煉瓦(風)造で、イタリアンな雰囲気を楽しめる。
エレベータ(赤いカーペット張りだ)は順調に上っていく。総勢12名程の本日の担当女中隊が入ってなお定員オーバーにならないあたり、このワイヤーはかなり頑丈に作られている。でも少々、というかかなり狭い。少し息をするのが苦しい。
そんなこんなで停車もなく、無事に到着。53階に到着した僕達は、右折して第36食堂を目指した。
途中録音室と録音準備室、聴音室とパントリーを通り過ぎる。このあたりは視聴覚系の部屋が集積していて、映画室と映像室、映画鑑賞室、映画研究室は52階、映画等撮影室は51階、係員控室は53階。
特に大映画上映室に関しては52階と51階をぶち抜きにすることで、大画面で感動と迫力を楽しめる様にしてある。
因みに映写機の開発に必要だった金属類や有機化合物類は纏めて生産し、備蓄することで間に合わせた。145階の第145倉庫室辺りに行けば外付けアイボに大量の金属や有機化合物が収納されているだろう。
「さて、今日の朝食はこちらです」
今日の担当は船杉さんだ。出てきたのはスパゲッティやマカロニ、あるいはペンネ…これは美味しそう。
「美味しそうですね」
「最近すごく本格的なイタリア料理…この世界にまだ形式的なイタリア的世界が定着していないので暫定的にそう呼ばせて頂きます…が出来るようになったので、調理班も腕を振るっています。具体的に言えばこれくらい」
そう言うと同時に配膳補助班が登場するや、僕の座っているテーブルのみならず全てのテーブルに料理を載せ始めた。
「ああ、貴方がたも一緒に食べるのですね」
「いえ、これは全てマスターの分です。しかも2割しかご用意しておりません」
これで二割とは、かなり多い。
「いや、流石にこれは食べきれないです」
「では、私共も頂いて宜しいですか?」
まあそれは構わない、が。
「確か神造人間って非常にエネルギー変換効率が良い影響でそれほど食べないんじゃないんでしたっけ?」
「ああ、そうですね」
田名川さんが説明をする。
「確かに、我々神造人間は通常の食事で通常の活動ならば3年、いえマスターの度重なる改良によって10兆年は平気で持つようになっています。ただしこれは普通の人間と活動量の場合です」
「というと?」
「例えば荷物運びをとっても、普通の人間と比較して10万倍、20万倍の荷物を運ぶことが出来ます。あるいは」
そういうや否や食堂の扉が開き、自転車…のようなものが運び込まれた。
「このような物で―我々が作った、所謂試作品ですが―発電することも出来ます。1人で原発500基分の発電も出来ましょう」
原発500基分というと…原発1基が約100万kW。1時間で100万kWhだ。500基なら5億kWh。すると…約4300億kcalですか。普通の活動エネルギーでいったら約2億日、約54万年分だ。それが24時間労働×8日で1億年分。つまり8万日=220年。
「だとしても220年分も持ってしまいますよ?」
原発500基分にしたって、少し出力が足りないような気もする。それなら、原発10万基分くらいの出力は最低でも欲しい。いや、そんなに発電しても使い所はまず無いけど。
「言ったではないですか、試作品です。なので、運動エネルギーを変換できるのは0.001%に満たないのです。それでも原発500基分の発電が出来る、と言う事はつまり」
「1日半に一回エネルギーを補給しなければならない、という事ですか」
「そういう事です」と、田名川さんが満足気に頷いた。
「そうなると、エネルギー余りが心配ですね。当然エネルギー切れもそうですが。じゃあ、いつか来る日に備えて充電池を作っておきましょうかね」
充電器、といっても何から作ればいいのやら。あと、将来的には売電用に電線網を皇国に整備したほうが良いのかもしれない。あくまで将来的な話だが。
「とりあえず鯛坂さんにお話を聴いたほうがよさそうですね」
「ええ。全くです。まあ今は」
「朝食をとりましょう」
穏やかな空気のもと、女中隊第29班のメンバー(+秘書班)、計115人が40テーブルの中で食事をする姿は壮観だ。
しかも、ここに報告や雑談に来る公務隊の面々もやってくるので、今朝合う人数は結構多いものになるだろう。全てでは無いが、赤い料理の割合が日本料理に比べてやはり高い。トマトソースですね。
なお、本家のイタリア料理は新大陸がコロンブスによって再発見されて暫く立ってからもトマトが使われなかったらしい。どうもトマトの見た目が毒々しいからだったような。
「このペンネ、美味しいですね。ああ、マルゲリータも美味しかったです。ご馳走様でした」
「そう言っていただけると嬉しいです。あ、食後のコーヒー、いかがですか?」
「ああ、そういえばコーヒー豆も一応在庫に入ってましたね。お願いします」
「砂糖とミルクはどうなされます?」
「砂糖は2杯、ミルクはティースプーン4杯でお願いします」
そう言ったや否や、各テーブル1名ずつ立ったかと思えば絶妙なアイコンタクトを瞬時に取り、塩原さんが厨房へと向かっていった。…人の名前を覚えるのもそこそこに面倒くさいですね。
因みに砂糖はec産品であり、Lvにして380の砂糖を使っている。繊細かつ上品、それでいて濃厚な甘みが特徴の砂糖だ。蜂蜜や黒蜜、水飴やメイプルシロップの良い所も存分に取り入れた逸品で、我が家での定番品だ。
ただ、そのぼんやりした美味しさは料理にはあまり向いておらず、その時は調理用砂糖である「砂糖 Lv269-2」を使用している。このタイプの砂糖はガツンとした甘みが特徴で、大きな寸胴鍋にティースプーン1杯分の砂糖を入れるだけでジュースになるくらいの代物だ。
アルコール発酵用「砂糖 Lv310-3」も用意してあるが、現在使い所が殆ど無い。料理酒などに活用されているようだ。
「食後のコーヒーもまた格別ですね」
時刻は午前8時15分。お腹いっぱいのなか、こうした午前のひとときを過ごすのもまた格別だ。コーヒーはその苦味を隠すかのように砂糖と牛乳が入り、甘さが口中に行き渡る。
飲んでいる間、瀬戸さんが今日の本を持ってきてくれた本を読むこととする。「中島史 1」 という歴史の15分冊のうちの一つだ。1冊目は人類の中島定着から国家の成立までが描かれている。政治史だけかと言われれば決してそんな事はなく、(古代すぎるからかもしれないが)むしろ文化史や文学史が非常に充実している。
それ以外の箇所も分かりやすく、しかし詳細に書いてあり、この世界の把握には持って来いだ。お値段(勝手に設定)は1冊500文といった処だろうか。機会があれば大幅に値下げして歴史、そして書物の普及に努めたい。勿論さらに詳細な考証をして、正しい歴史を裏付けしてからの話になるが。
そうなると考古学や古典研究等をすすめる整備もしなければならない。神造人間のみがノウハウの蓄積につとめてもあまり良いことは無いので、出来れば市中の方々に参加願いたい。そうするとどうしても高等教育は不可欠。…一つのことをやろうとすると、連鎖的に他のものも必要となってしまう。
29班の皆さんは朝食を終えると仕事に戻っていく。中には前日中に仕事を終えた人もいて、そういう人は食堂に残り、雑談をする。
「で、それでですね…」
「それは傑作ですね」
他愛ない会話で、午前中が過ぎていく。使用人の話を聞くのは非常に面白い。青木さんのお金の数え方の話だったり、赤川さんの最近の悩みであったり。面白い中にもなかなか示唆に富んでいたりするので、良いひとときが過ごせる。
「青木さん、どうやらカマンベールチーズが好きみたいなんですね」
「ほう」
「でも彼、第二厨房の方にカマンベールチーズを調達に行ってしまいまして」
「確かそこは…チェダーチーズとプロセスチーズしか置いていなかったようですね」
メモ帳(といっても非常に分厚く、しかも分冊だ)を見返しながら返答する。
最近こうも色々なことをやっていると、全部覚えるのはかなり厳しい。使用人の名前も少しずつ覚えている状態だ。
「そうですね。それで階段を駆け上がってカマンベールチーズを確保したらしく」
「そうですか。ちょっと悪いことをしてしまいましたね。次回からはちょっとカマンベールを多めに生産しておきます」
「その方が彼も喜ぶと思います」
雑談の途中、廊下の方に目線を滑らせていると、見覚えのある影が移動していた。
「あ、おはようございます」
それに気づいたようで、一人、部屋に入ってくる。
「マスター、おはようございます」
「絨毯?」
「ええ、絨毯です。私、絨毯作りが趣味なもので」
目前の、入ってきた人…黒田さんはそう言った。黒田さんといえば、公務隊に所属する、当初から使用人の一人として活躍していたうちの一人だ。
縦にも横にも大きく、見るものに威圧感すら与える風貌だが、神造人間の例に漏れず丁寧な言葉づかいで話す。事務作業に関して他の追随を許さない事から、事務班長を任せている他、数字についての扱いが細かく、経理係長を任せている。
そんな彼の趣味が絨毯づくりであることを知って、僕はさもありなん、と思った。確かに彼の細やかな性格からすれば、絨毯のタペストリーを綺麗に組み上げることなど、少しも苦にならないだろう。
「では、例えばここの向かいの、係員控室の絨毯とかも?」
「ええ」
係員控室の絨毯は、経糸と緯糸を組み合わせて作ったと考えるのが無理なほど美しい。あれを手作業で作ることが出来ると言う事は、やはり実力は只者ではないだろう。
「それでですね」と、黒田さんが続ける。
「絨毯用の羊毛を少し増産して頂けますか?」
「まあ、いいでしょう」
実際問題、あのハイクオリティな絨毯を邸内に配備するとしたら、それなりの糸が必要となってくるだろう。その時に備えて、多めに羊毛を渡しておいても、別に実害はないだろう。羊毛くらい、ecで簡単に生産できてしまうわけだし。
「有難うございます。では、私はそろそろ仕事に戻ります」
「お気をつけて。ところで」と、仕事に戻ろうとした黒田さんを引き止めた。一つ確認しておきたいことがあったんだった。
「はい?」
「今月も数字はあっていますか?」
「ええ、1文の狂いもなく、1ecの狂いもなく、ぴったりと合っています」
「それは良かったです。でも、ecを管理しているのなら、私用の羊毛を生産することくらい、造作も無いのでは?…って、ああ」
そうだ。確か使用人の間では、僕の渡したecを使用する時に、各班の予算折衝の上、予算案が組まれていたのだ。確かに、そこに私用の羊毛を潜り込ませるわけにはいくまい。
「ええ、そういう事です。なので、いつかお話申し上げようと思っていたのですが…機会がありましたので、今日お話申し上げました。有難うございました。では、これで」
そういってそそくさと持ち場へ向かっていった。
午後は書類を見続ける。各班、各方面から上がってくる報告書の数々。それの全てに目を通すのはかなり厳しいが、少しずつ、無理せずにこなしていく。
「ここ、説明お願いします」
「あ、これはですね…」
どんなに細かい疑問点でも、しっかりと潰していくことが大事だ。
「…という訳です」
「成程、ではどうぞ」
細かくチェックしたら、判子を押す。お役所仕事のようだが、大事な作業だ。
一応判子が無くてもまともに仕事が進むように、各隊隊長と隊長の任命する班長、係長には委任状を与えている。当然の如く一個人の判断で暴走しないように、隊長間、班長間で監視制度を設けることで抑えているが、当然円滑な進行が阻害されることは無い。にも関わらずこうして執務室にはたくさんの使用人が訪れる。
「これ、判子お願いします」
「あ、これもお願いします」
「これ訂正版です」
「こちらは再訂正版です」
やっぱり色々相談したほうが気も楽でしょうしね。
そんな感じで判子を押していく。判子を朱肉に付けて、押して、口を挟んで、回答を得て、質問して、判子を朱肉に付けて、押して…ない。
「もう朱肉がきれてしまいましたか」
《筆者注…本来なら切れたのは朱肉でなく朱肉のインクなので、インクだけ補充すれば良い。しかし、蓮葉はその事についてまだ知らないため、『朱肉が切れた』という表現を採用した。》
朱肉が無いと中々大変だ。今は筆屋町で購入して来てもらった物を使用しているが、朱肉を新しく、ec産品として作ってしまうことにしよう。Lv1,1枚で3ec。安い。
空が暗くなり始めた。仕事を切り上げることにする。
「あ、今後重要な確認以外は判子を特に求めませんので、午後は自由にして頂いて結構ですよ。勿論、些細な事柄でも資料を求められればすぐに提供しますので、ご安心下さい」
青木さんが言う。さすが青木さん。イケメン。
これは先ほど想定していたよりもカマンベールチーズの在庫を増やすほかない。それくらい労っても良いな。
すっかり日も暮れたので、電気スタンドを点けた。
「ところで、今は電気の供給はどこでしているんですか?先ほど見た自転車型はまだ導入されてなかったと思いますけど」
今まで生活してきても、かなり電力が安定的に供給されている印象だ。
「あれです」
田名川さんが指差した先には、
「…何ですかあれ」
手回し発電機部隊がいた。
人力発電の姿といえば、普通は朝食時に話題に上がったような、自転車発電機を想像するだろう。しかし、目の前で広がっていたのは、例えば災害時にラジオの再生や携帯電話の充電を行うような、手回し発電機だった。
「マスター分の電力を賄うだけならあれでもいけない事は無いですからね。マスター近辺以外は全て電気が入っていません」と、田名川さんが説明を加える。
「かなり大掛かりなことしますねそれ」
「自転車型発電機の方がまだ効率良いと思いますけど」
「…今日中に自転車型の導入を検討して下さい」
あれは少々シュールすぎる。何としてでも今日中に止めなければならない。
で。
例の自転車型発電機が早速稼働を始めた。
使用人棟の工業フロアで操業が始まったのだが、見に行った時にものすごい熱気だった。恐らく、エネルギー変換効率を悪くした分、摩擦熱等熱エネルギーに変換したのではないか。固体空気(超低温)を提供して、とりあえずは事なきを得たが、先行き不安である。
超低音の固体空気をecで錬成した場合、宇宙全体のエネルギー収支は赤字になるのだろうか?あるいは今出しているような熱を含んだものは宇宙全体のエネルギー収支をプラスにしているのだろうか?
他にも色々なものを隙間時間を使って作成した。米に茶葉に糊に鰆に、ああ、忘れずにカマンベールチーズも。
お米は普及品を作って市場操作を早めにしたいところ。
茶葉は、まだ研究が進んでいないが緑茶、紅茶、烏龍茶にそれぞれ合うような味にしたい。そのためには使用人を集めた品評会も効果的かもしれない。あるいは大橋で公開品評会も面白いだろう。「大橋市民の58%が選んだ茶葉」とか。
鰆は実は作っていなかったので作り足した。後は鮃は作ったけど鰈をまだ作っていなかったはずだ。左鮃に右鰈。
糊は事務作業で使うためだ。実際は1tも使うわけでは無いが、それこそ市場にぶち込んでも良い。洗濯のりとして米糊を使っている人は決して少なくないが、もっと効率的な糊、あるいはもっといってボンド等を作成することで、糊の普及に努めたいところではある。
そんな事を漠然と考えながら、寝床(執務室のすぐ近くだ)についた。
いつもお読み頂き有難うございます。
次回の更新は1月中に行います。
書き溜めがどんどん少なくなってゆく…自分の筆の遅さが恨めしいです。