表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6.22  作者: 和菓子屋
5/6

変色


No.9

気がつくと僕はシミのついた壁を見つめていた。いや、正確に言うと目を開けてたまたま目にはいったものがそれだった。というか、此処は何処だ?あいつは一体僕に何をしようとしたんだ...

まあ取り敢えず、すぐに起き上がって、あいつを見つけて、文句の一つや二つをかましてやるんだ...。と思い、僕は勢い良く立ち上がった。

どこかで聞いた事のある声がしたけれど分からなかった。視界はだんだん歪んできて、僕が崩れ落ちそうになった瞬間、毛布のように抱きしめられた。

「まだ顔色良くなってない...。無理しないでよ。」

彼女は僕に言っているかようで、遠い親戚に言っているかのように言った。

刹那だっただろうか、彼女はすぐにまた僕を寝かせた。そして深呼吸してこう言った。

「○○君、私二階堂よ。意識ある?」

「ああ、ごめん。さっきは助かったよ...............

...ってええ、お前二階堂なのか?昼休み僕に一体何をして___」

二階堂は首を傾げた。

「私が何をしたって言うのよ?確かに私が昼休みに○○君を呼んで図書室まで連れて行ったことは確かよ。でも何も話せなかったじゃない。私が話をする前にあなた、倒れたのよ。」

「そんな馬鹿な!僕が倒れるはずがな___」

「ないとでも?じゃあさっきのはどうなのかしら?それに此処、保健室よ。」

僕は石化した。二階堂の言っていることは正しいと僕の身体も言っていた。二階堂に会ったら文句を言ってやろうと思ったが、それどころでもなさそうだ。

「すまん。取り敢えず今日は帰ってもいいか?」

「そうね。お大事にすると良いわ。貧血と寝不足で倒れてしまい、午後の授業を通り越して、今起床の○○君。あら、言い過ぎちゃったかしら。」


ああああああああああああ!!!僕は馬鹿だ。何でよりにもよってこんな奴の前で倒れてしまったんだ。それに僕が意識を戻した瞬間人が変わったようになりやがって...。くそお...。


僕は保健室を無言で出て行き、カバンを取りに教室に戻り、昇降口を出た。足元はふらつきながらも、意識はあるので平気だった。


数十メートル先から二階堂が此方に走ってくるのが見える。ああ、本当に今日はついていないなあ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ