俳句
眠い
「秋風と、空に輝く夕焼けや···。」
それは唐突だった。
「ど、どうしたの?」
「ふっふっふ、俳句だよ、俳句。」
水瀬は最近俳句にはまっているようだ。
どうしてそうなったかは知らないが、
「帰るネ、それじゃ。」
「まちなよ鞍馬ァ、あんたも一句つくっていきなよぉ。」
「笑っていいともはじまるネ、急いでるアル。」
適当な事を···終わってから何年たつとおもってるのだ、笑っていいとも。
ようは面倒くさいのだろう。
「おっと、俳句つくってかないと明日の掃除全部おしつけちゃうよぉ?」
「···ったく。」
そして少し考えると、
「退かぬなら、」
「お?」
わくわくした表情で水瀬は見る。
「殺っておしまい、」
「···。」
嫌な予感がする。
「ド○リアさん。」
「アウトォォォォオオオオ!!それ駄目!ガチて?駄目だから!ねっ!?」
焦った水瀬を見るのは初めてだ。
「面倒ネ。」
「いやいやいや、やるからにはいいの思い付こうよ!?」
まぁ、ごもっともだ。
「じゃあこれでいいアルか?
静けさや 岩に染み入る 蝉の声。」
「有名だよね!?それ!」
鞍馬は目が死んでいる。いや、本人曰く寝不足なんだそうだが。
「もういいじゃないアルか、どーせコンクールにだしてもいいの取れないネ、
それともナニカ?どっかの松尾芭蕉みたいに旅でもするつもりアルか?」
「キツこというのやめよ!?」
どっかの松尾芭蕉、それ松尾芭蕉じゃん。
「それと、言わしてもらうけど。」
一拍おいて彼女は言った。
「期末テスト近いネ。そんなことしてても大丈夫アルか?」
「···。」
「···それは···そうだけどさ···。」
空には綺麗な入道雲がでていた。
気分次第ネ