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しりとり

放課後の教室にて、


「ほぎゃああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーっっっ!!」

「あんぎょらあああああああぁぁぁぃぃぃぃいいいいいーーーーー!」

「···。」


···一応いっておこう。これはしりとりである。


数時間前、私、神音みことは親友である南方水瀬と鞍馬ポイ(どんな名前だ)

に誘われてしりとりをすることになった。

ここでは彼女達ーおっと、いい忘れていた。一応私たちは全員女子だ。

ーのことを「水瀬」と「鞍馬」と呼ぶことにしよう。


放課後、ガールズトークをしながら皆でクッキーを食べていたときのこと、


「····あ、」

「どした?」

若干女子力に欠ける男口調の水瀬が私の異変に気づいたようだ。

「あと一個しかないね。」

「そうアルね。」

と、鞍馬ポイ。鞍馬のほうは···変な口調だ。「~アル」や「ーーネ」とか中国云々に無知な私にはそれしかいいようがない。


「どうするよ、これ誰が食べる?」

「こう言うときはなんか勝負とかで決めるのが定番ネ。」

「お、勝負か!いいねぇ、そうこなくっちゃ!」


と、水瀬は私の方を向いて、


「なぁ、勝負ってどんなのにする?やっぱ喧嘩よな!」

「や、やめようよ···、こういうのはじゃんけんや···うーん、


ゲーム感覚で楽しみたいならしりとりとか。」

これを思い付くのは人それぞれだろう。一応私は適当に言ったつもりだった。


「···しりとりって何ネ?」

「···え?」


驚いた、しりとりを知らない人がいたなんて。


「知らねーの!? ほらアレだよ!音楽がなりやんだら座るやつ!」


それは椅子とり。二人はどうやら本気で知らなさそうだ、

決めつけるな?うん、いや文章じゃわからないだろうけど二人とも完全にきょとんとしている。

絶対に知らないだろう。

···まさかしりとりのルールを教えるような日が来ようとは···。


それから私はルールを一通り教えた。しりとりをするのにテーマをきめるひとがいるだろうが、

それも教え、テーマは「なんでもあり」にした。

その結果が···。


「じゅんじゅらぁぁぁぁあああああああああいいいいい!」

「イヒィィィィイイイイぶるぁぁぁぁぁああああああ!!!(若本声)」

「···アイス。」


どうやら彼女達は「なんでもあり」を単語だけでなく、台詞や奇声もありだと思っているのだろう。

いや、言ったんだ。六回言ったんだ。だがかれこれ何時間も続けているともうツッコむ気も完全に失せていた。

女子高生二人が教室で奇声をあげている。客観的に見ればかなりシュールだろう。


そしてやっと終わった。

最後に勝ち残ったのは水瀬だ。鞍馬は血を吐いて机に伏せている。

私の方はもう「ん」を言ってリタイアしたのだ。そのあとも「残っていてほしい」と言われてずって発狂というなの不協和音を聞いていたわけだが。


「おっしゃぁぁあああああ!ゲホッゴホッ。」

「ヤットオワッタネジャアカエルネバイバイ。」

「みこと、お前顔がハトがアハトアハト食らったみたいにしんでるぞ?」


それ跡形も残らない。と指摘する気も失せていた。

じゃあ帰るかって言おうとすると。先に口を開いたのは水瀬のほうだった。


「おい!校門閉まってね!?」


校門周辺には人の気配すらしないどころかこの学校そのものからっぽのような感じがする。

いつもなら教師が戸締まりを···そうだ、確か水瀬がこの教室開けるために鍵盗んできたんだった。

つまり、担任はここを「閉まってる」と思い込み、さっさと帰ったのだろう。

いや、こんだけ時間がかかったのに気づかなかった。色々と麻痺してたのだろう。


「···今何時?」


私は腕時計を見る。


「9時。」

「···。」

「···。」


さて、どうしたものか。

とりあえず水筒のお茶うめぇ。



·······次回に続かない

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