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父親の惚気

 魔女ヤヒュニアによって女の子となり、克巳から克美になった大津克巳。

その前に現れた赤の女王の尖兵であるスペードの10のトランプ兵は、

 克美に王子様としての力を与えられた伊賀啓介によって倒されたのだった。

「ふう。で、どうやって変身を……」

 克美がそういうや否や、二人の服装は元の制服へと戻った。

「戦ってない状態で変身を解こうと思えば解けるようだな」

「みたいだね」

 そして、克美は家へと帰る。すると、そこには父親が居た。

「女の子になったとは聞いたが、ずいぶんと可愛いじゃないか!」

「落ち着いてよ、父さん……」

「俺は息子でも娘でもよかったんだが妻は女の子が欲しいっていってたからな」

「だから嬉しいっていうのはわかるよ。けど、はしゃぎすぎじゃないかな?」

 そういう克美に父親はこういう。

「可愛い娘ができたんだ。はしゃがずにいられるか!」

「惚気だね。僕が生まれつきの女の子ならまんざらでもなかったんだろうけど」

「まあ、元がどうだろうと関係ない。わが子はわが子だ」

 父親の発言に克美はこう返す。

「それってどっかで聞いたような……」

「ともかく、今日もゲームをするぞ!」

 そうして父親は据え置きゲーム機を起動させる。

 そのゲーム機にはミスタービデオゲームといわれるキャラがメインを張っている、

レースゲームのディスクが入っていた。

「女の子になったからといって腕前が衰えてないってことを見せてあげるよ!」

「ああ。こっちこそ、女の子になったからといって手加減はしないぞ」

 キャラクター選択の際、彼らはお互いにいつも使っているキャラを選ぶ。

 そしてコースはいつものようにスティックを回して当たったところを選ぶ。

 一コース目。克美は身体になれてはいないもののゲームをするなら変わらないため、

いつもと同じようにレースを運べた。

 妨害用のアイテムもきっちり使ったが、父親が得意なコースだったので競り負けてしまった。

 二コース目。やはり克美のレース運びは普段と変わらない。

 妨害用アイテムを駆使し、どうにか父親を追い落とした。

「やはり、腕は衰えてないな」

「そうだよ。お父さんも、舐めてはいないみたいだね」

「お前とのゲームはいつでも真剣勝負さ。腕に差があればハンデも付けるがな」

 そしてレースは進み、一進一退の戦いの末克美は勝利を収めたのだった。

「それじゃあ夜ご飯を作って食べて、勉強と寝支度をしたら今日は眠るよ」

 そういって、克美は台所へと向かう。

 昨日は女の子になったこともあってやらなかったが、

それは彼女がいつもやっていることであった。


続く

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