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そして学校で

 魔女ヤヒュニアによって女の子となり、克巳から克美になった大津克巳。

 彼女は異世界へと侵攻してくる赤の女王に対抗するために、

王子様に力を与える役目を魔女から押し付けられた。

 世界を守るということに関していえばやぶさかではない彼女は、

王子様でもある親友の伊賀啓介に合うため学校へと向かうのだった。

「みんな、今の僕を見たらどう思うんだろう」

 女の子になったことは皆が知ることであるとはいえ、

自分がどんな扱いを受けるかは克美の不安要素となっていた。

 すると、飯塚琴美がこういう。

「あ、克巳。なんだか宇宙人の手違いで女の子になったとか色んな憶測があるけど」

「実際どうなのかって?宇宙人ならある意味話は簡単だったんだろうけど……」

「違うの?」

「魔女に変えられたんだ。それもシンデレラの魔女にね」

「だったら王子様に出会わないといけないわね」

 琴美は悪ふざけのつもりか茶化すつもりかわからないが、

克美は彼女にこう返した。

「王子様にはもう会ってるよ、女の子になってからは会ってないけど」

「誰なの?」

 克美は無言で啓介を指差した。

「確かに啓介は王子様っぽいけど、性格はいいってほどじゃないわよ」

「まあ、それでも気心が知れた友人は王子様みたいに頼れるからね」

「やっぱり身体は変わっても心までは変わらないみたいね」

 すると、啓介がやってくる。

「ふう。女の子になったっていうからどうなってんのかと思ってたけど……」

 すると男子達が克美の顔とその豊満な胸を何度も見比べているのを見た啓介はこういう。

「こいつは胸は大きいかもしれないが克巳だぞ?いやらしい目で見るんじゃない」

 しかし男子達の視線が克美から剃れることは無い。

「まあ、俺も女の子になったこいつは美人だなとは思うけどな……」

(啓介も強くいえないなんて。僕は元男ってみんな知ってるはずなのに……)

 克美がいたたまれない気持ちになっていると、琴美はこういう。

「はいはい。男子はちゃんと席に座って」

「こういう時の琴美は頼りになるよ」

「ありがとう」

「そのままをいっただけだよ」

 ともかく、克美の周囲に居た男子の視線は琴美のおかげもあって引いていった。

 さすがにスケベな男子を引き剥がすことは難しかった。

 だが手を出すとただじゃおかないオーラを琴美が出したため、

スケベな男子の視線もどうにか引き剥がされる。

(ふう。これでひとまずは安心できるかな)

 克美は心の中でこう呟いた。

 するとそこに先生が来て、こういう。

「克巳は女の子になりましたが、男子は変な目で見ないようにしてくださいね」

 それは一部を除いた男子達に釘を刺すためのものとしては充分な一言だった。


続く

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