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魔女と王子様

 魔女ヤヒュニアによって女の子となり、克巳から克美になった大津克巳。

 彼女は母親の手によってとりあえず着替えさせられることとなった。

「ふう。ともかく、学校に行かないと話にならないよ」

 そういって通学路に向かうと、そこにはヤヒュニアが居た。

「さて君は女の子になったわけじゃが、感想はどうだい?」

「夢を折られちゃったのは嫌だけど、それでも前に進まなきゃいけないからね」

「それより……」

 克美の言葉を聞く前にヤヒュニアがこういった。

「何のためにこんなことをしたのか、っていいたそうな顔をしているね」

「そうだよ。いくら僕に同情したからってありがた迷惑もいいとこだよ」

「元に戻せ、という前にいっておくとそれはできない相談だね」

「できないならできないなりに、ちゃんと理由をいって欲しいとこだね」

 克美がヤヒュニアを睨みつけるようにそういうと、ヤヒュニアはこういう。

「この世界に赤の女王の魔の手が迫っておる」

「シンデレラの次は赤の女王か。僕が女の子になったくらいだし本当のことだろうけど……」

「赤の女王はトランプ兵を生み出す力『ジョーカー』を持っている」

「そのトランプ兵がこの世界に攻めてくるから、僕に戦ってもらおうっていうの?」

 克美の疑問にヤヒュニアはこういう。

「世界を守ることはやぶさかでもないみたいだが、あんたはただのきっかけだ。それに」

「きっかけってどういうこと?それに何があるの?」

「ここに来るのはトランプ兵の中でも特に強いスペードのトランプ兵だけじゃ」

「スペードのトランプ兵ってことはやっぱり13種類いそうだけど、きっかけの意味が分からないよ」

 するとヤヒュニアはこう告げる。

「あんたはシンデレラだ。王子様と共に歩み、その力になることこそが役目なんだ」

「つまり、僕は王子様に力を与えるだけの存在ってこと?でも、回りくどくない?」

「戦う者に使命を与えるのではなく、自ら使命を持って欲しいからだ」

「つまり、シンデレラである僕を守ることを動機にさせるってこと?」

 ヤヒュニアは悪びれることなく、こう返した。

「まあ、そういうことだ。だが、あんたも世界を守りたいだろう?」

「そんな使命を背負わせてしまっていいのかって後ろめたさはある」

「けど、どのみちその王子様に会わなきゃ話が始まらないならやってみるしかないよ!」

 克美の思いを受け取ったヤヒュニアはこういう。

「王子様はあんたの親友だ。それでいいだろう?」

「確かに啓介なら、僕を悪いようにはしないだろうしね」


続く

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