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なってしまった…
今日が来てしまった…
こんな時呑気なヒロインが羨ましくなるんだよ。
なんで私にばっかり災難が降り注ぐんだ!
「おはよう。来たんだね、心配したよ」
…何もかも、君が渡瀬君が私に話しかけなかったら。
「ごめんって、帰れないって困っている子がいたからね」
なんでお前が行かないんだよ!
「だって、村山さんも知り合いだろ?」
「それに、蓮華さんもさすがに後輩には見えないと思うんだけど」
彼は超能力者なのか?心読みの持ち主なのか…
私たちの会話全部聞いてたんですね。
「ほらー、席につけ」
……誰あの先生。
昨日の先生より、見た目が――――
キャッーーーーー!
お、おい!み、耳にキィーーーンって来るだろう…
見た事ある気がしなくもない…
「1-1の担任の村山清伍だ。」
やっぱり、私の義理の兄ではないか。
ちなみに血がつながっていないのは私の方ね?
何かさ、捨てられてたのを拾われたんだって。
どうでもいいけど…
「後で副学級委員は教務室に来いよ」
…最後のいらないから。
それに、他の女子はすっごくメロメロになってたけど、鏡花ちゃんは普通だなー。
ん、じゃ教務室に行きますか。
※ ※
「久しぶり、桜花」
「そうだね。清伍兄、一体三年も何処に行ってたの?」
行き成り本題に持ってき過ぎたか?
このくらいが調度いいか…
「んーいやー、それがな」
「やっぱり、いいや」
無駄話のせいでもう一つの本題に入れなくなる。
「蓮華鏡花とどこかであった事あるでしょ」
「あー、朝―」
また朝かよっ!
イベント…っと、専門用語を使ってしまった。
「朝、蓮華が足を怪我したとかで、送ってやったが…」
はぁ、まさか義理の兄まで攻略対象だとは…
「まぁ、ロリコンにならないでね」
私は静かに教務室から出る。
後ろから、誰がロリコンだっ!っていう雄叫びが聞こえたのは秘密。