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「村山さん、あそこで君をよんでる人がいるけど…」
渡瀬君に言われて教室の扉の方を見ると案の定、朝の不良曰く《いわく》神蔵先輩がいた。
多分、ヒロインちゃんを探しているんだが…
もう下校しちゃったよ。
入り口にあんな不良いたら教室から出れないよね。
「あの、神蔵先輩」
「なんだよ」
「鏡花ちゃんなら帰りましたよ」
「知ってる。お前は少し俺に付き合え」
……この人頭も可笑しい人だったのか…
「お前、なにフリーズしてだよ」
「私、今日は忙しいので…失礼します」
ガシッ
「この腕はなしてもらえませんか?」
「無理な相談だな。…明日の放課後図書室に来い」
はぁ、なんで鏡花ちゃんじゃないんだよ!
私脇役ですよ!
「ドンマイだね」
「渡瀬君…」
渡瀬君、分かってて…