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寝不足です。
先生、どれだけ冊子を作らせれば気が済むんですか!
全部終わるのに二時間かかったんですよ!
おかげさまで授業の内容が分かりません。
それに眠いし…
「おっはよー!」
この声は…
「桜花ちゃん大丈夫?顔色悪いよー」
「大丈夫だと思う。おはようね」
すると突然教室の扉が音を立てて空いた。
「おーまーえーなー!いい加減にしろよ!」
「あ、あの時の…」
二人の世界に入らないでー。
桜花ちゃん悲し…くないか。
どうぞ、そのまま二人で―――
「だって私、桜花ちゃんっていうお友達だっているもんね!」
「あぁ!」
ひっ!
行き成りっていうか、私に話し降らないで…
イケメンの不良オーラを漂わせた彼がこっちを見ています。
1.無視する。
2・自己紹介する。
3.寝たふりをする。
私は3の寝たふりを実行。
「寝てんじゃねぇかよ!」
「えっ!桜花ちゃん起きて~!」
そんなに揺らさないで気持ち悪い。
寝たふりしてんだよー、少しは気を聞かせて…
はぁ、諦めて自己紹介しますか。
「どうしたの?」
「桜花ちゃん、私たちお友達だよね?」
「たぶん…?」
男は舌打ちをした!
誰だよ、こいつ。
「鏡花ちゃん、この人誰?」
「確か、神蔵梓だった気がする」
ん?知り合いじゃないのか…
「いいか、俺は先輩だっつの!後輩じゃねぇ!」
あぁ、そういう事ね…
鏡花ちゃんの身長は結構ある。
神楽先輩の方が少し小さい…
それで小動物でもかまってたんだろう。
そこを鏡花ちゃんと遭遇ね…
よくあるパティーンだよ。
「お前みたいな自己中心的な奴にも友達がいるなんてな!」
神楽先輩が捨て台詞を吐き捨て、出て行ってくれた。
嬉しい限りだね。
「桜花ちゃん、あの人絶対後輩だよね?」
「……どうだろうね」