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赤と紅と私と銀 塩味はまだ知らない


初めてのときのことは


はっきりとなんて覚えてない







ただただ


苦しくて




ただただ


不安で




塩味の液体さえ


私を見限って


目元を潤すことはない








気付けば



まくらが赤かった




それが私の初めて







私自信の



「痛み」を



初めて知った日







違和感を覚えた右手には



紅に染まる 銀色が一つ







あ・・・あぁ・・・・・




くすくす 



喉の奥から



笑いが漏れる





誰かが笑ってる




私を笑ってる



みじめな女







不安になるだけで




信じることを忘れてしまった







指の腹にのせた






口の中に広がった


鉄の味






笑いが止まらず






塩味の液体は



相変わらず私を見限ったまま






それから


闇が街を覆うたび




私の紅は



直線を描いて



幾重にも重なった








ピンクの四角が



ある日突然告げた



不幸な知らせ






わかっていたから




未来は知っていたから







それでもやっぱり



塩味の液体は



私を見限ったままだった







それきり




私は赤を捨てた




紅も銀もいらなくなった













・・・・・くす




誰かが笑ってる




私がみじめだと



今度は信じているのに





それが馬鹿だとあざけるように






ピンクの四角は



なにも



告げなくなった








でも待ってる




私今回は信じることにしたの




あなただけは 



失いたくないの







だけど聞いて



ピンクの四角が



あなたの言葉を告げるまで






闇が街を覆うそのときに





私は紅に染まった銀を




手に取るから





赤く染まって




変わりゆく自分を見つめながら





それでも待つから















指の腹にのせた








口の中に広がったのは



鉄の味







ほんのりしょっぱい




塩味




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