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そして、当日。
「あー…もう、どうしよう」
学校の机にベタッと張り付くように項垂れた。
「会ってくれますか?」
そのメールの送信ボタンがなかなか押せない。そのまま、当日になってしまった。未送信メールのなかにあるそれ。
「サーユリ!!」
「あ、おはよう、アイちゃん」
バタンと携帯を勢いよく閉じて、スカートのポケットに突っ込んだ。
「あ、アイちゃん? これ」
かばんの中に手を入れた。綺麗にラッピングしたそれを渡す。
「友チョコ………美味しくなかったらごめんね」
そう付け足したらアイちゃんは目をうるうるとさせた。
「サユリぃ!! ありがとーう!!」
ほんと、いい子!!
ほんと、いい子!!
と騒ぎながら、あたしにアイちゃんは抱き付いた。
「ほんと、サユリが誰か男子にあげたらその男子はっ倒す!!」
かわいらしい見た目からは想像できないような言葉が聞こえた。
「あ、あ、アイちゃん?」
「おはよう、サユ」
「あ、あ、おはよう、ユズルくん!!」
ポンと頭を叩いて、ユズルくんはさっさと歩いていった。
ユズルくんの机の引き出しから赤のラッピングした箱が見えた。
「うー……」
何となく焦りが生じて、携帯を触って、かばんの取っ手をギュッとにぎった。
パチと開けた携帯の未送信メールを開いた。
「サユリ?」
「アイちゃーん」
相当情けない声が出てしまった。
ユズルくんが違うクラスの子に呼ばれて行ってしまったのが見えてしまった。
クラスの人気者、高橋くん、の友達の、ユズルくん。
ふわふわな黒髪に黒渕の眼鏡が似合う、寒がりな男の子だ。さーみぃ、とよく言う。
「よかったら会ってくれますか?」
「ひゃっ!!」
アイちゃんが後ろから携帯を除き混んで読み上げた。
「何、これ? 誰!? 誰に」
アイちゃんが声をはりあげる。
「あぁぁあ!! アイちゃんのばか!!」
メールの内容にアイちゃんは驚いた顔をした。アイちゃんの声はよく響くのである。
当然のように、多くの視線があつまる。
その中に戻ってきたユズルくんもいて、恥ずかしくなる。ユズルくん、なんて、答えたんだろうか。




