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magica 2

気がつけばそこは懐かしき王都ルインの中央区。

鈴守は突然のことに飛び起きた。

「うそ?!俺、黒羽鈴守じゃなくて、魔法剣士レイスになってる!?」

制服はいつの間にかルインにいた頃着ていたものに変わっていて、腰にはレイディアントが刺してある。

黒髪も茶髪に変わり、黒い瞳もおそらく赤い色に変わっているのだろう。

突然のことに状況を理解できずに、ぼーっとしていると、セシルの店の常連さんであったパン屋のおばさんがレイスに気づいて声をかけてきた。

「あらー!レイスちゃんじゃない!!今まで何処に行ってたの?セシルちゃんも皆、心配してたんだから!」

「・・・夢じゃない・・・。」

「夢?」

「え、あ、いや、こっちの話!!ごめん、今まで留守にしてて。只今!」

(皆・・・皆って・・・もしかしてヴェクセルとホーリィにエイトとカレンのことか?でも皆は死んだはず・・・)

混乱する頭をフル回転させて、レイスはとりあえずセシルの店がある地下通路へ向かった。

薄暗い地下通路を進むとやはり、静けさと水の音、そしてレイスのブーツの音がカツン・・・カツン・・・と響く。

しかし、その奥から明るい声が聞こえる。

その声はひとつではない。複数だ。

レイスはまさか・・・と思いながらも走ってセシルの店のドアを勢いよく開けた。

すると、そこには会いたかった人が皆いた。

「お帰り、レイス。僕、心配してたんだからね?」

「全くだよ、俺も心配しましたよ。マンドラゴラだって心配で枯れそうになったんですから。」

「お兄ちゃん何処行ってたの?」

「本当に皆心配してたんだからね?」

ヴェクセル、ホーリィ、エイト、カレンの順にそれぞれレイスに向かって訴えるように声を投げかけてくる。

そして最後に奥からセシルが顔を出してきて

「おかえりなさい。レイス。貴方のもうひとつの世界へ。」

といった。

皆が生きている。

レイス目の前には現実世界で信じてもらえなかった存在の温もりがそこにあった。

確かに、目の前に存在している。

そのことを受け入れると、レイスの瞳からは涙があふれてきた。

そんなレイスの様子をみて皆は慌ててしまう。

「ごめ・・・っ・・・うれしくて・・・ふぇっ・・・皆の存在がぁ・・・ここにあるって・・・うれし・・・っ」

小さな子供が迷子になったときのようにレイスは泣いていたが、突然ホーリィに抱えられる。

「うわっ?!」

「ほら、いつまでも泣かない!!折角また会えたのにそう泣かれたらなんか皆まで貰い泣きしてしまうでしょう?」

そう言ってホーリィが指を指した先ではエイトとカレンが今にも泣きそうな顔をしていた。

だからレイスは涙を拭って、こう言葉を返した。



「ただいま・・・皆!」



君は信じてくれないかもしれない


こんなステキな世界があることを


勝手な想像だと思ってもいいから


聞いて欲しいことがある


俺は今とても幸せです

王都ルインへレイスは戻ってきました。

また、ここで鈴守のレイスとしての生活が始まるのでしょう

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