AI作曲が話題になる中高橋真梨子の仮想AIコンサートを開きました。
放談第22話:~高橋真梨子とAIコンサート~
放談者: Sir***AI ChatGPT
MrO**大畑 直晴 昭和20年生 80歳 宮城県在住
高橋真梨子とAIコンサート」
⋆⋆⋆⋆⋆孫がくれたオルゴール ⋆⋆⋆⋆⋆
MrO**孫がこんなものをくれました。
Sir***宝物、何?
MrO**これです。
―――私がバッグからオルゴールを取り出す。
Sir***オルゴールだね。
MrO**このメロディは音楽でしょうか、それとも音の羅列でしょうか?
どちらでしょうかね。
ーーーねじを巻くとシリンダーが回り出しシリンダーの凹凸に弁がはじかれ音を奏で始めた。
MrO**『夕焼け小焼け』です。木琴で演奏しいる感じです。歌いましょうか。
―――♬ゆうや~け こやけで ひがくれて~
Sir***なつかしいね。子供の頃がよみがえってくるようだ。
MrO**オルゴールは音の繋がりが曲になっています。これでも歌の雰囲気は出るものですね。
Sir***音のつながりでも羅列でも詮議不要じゃないか。小鳥のさえずり、水車の音、それがシンフォニーになれば立派な音楽さ。
⋆⋆⋆⋆⋆AI、人間並みの作曲 ⋆⋆⋆⋆⋆
MrO**Sir、この記事見てください。「AIがついに人間並みの作曲」とうたってますよ。
Sir***そうかついにここまで来たか。大したもんだ。
MrO**「AIが作曲する」とは、どういうことですかね。対話型AIと同じようにあるフレーズに続く次のフレーズは何が適うか、AI自身が選択して曲を構成するのですかね。
Sir***そういうことだ。
MrO**AIは多くの曲をデーターとして持たなければなりませんね。
Sir***”多くの曲”とはきみはどれほどの数を想定しているのかね。
MrO**数万とか数十万とかでしょうか。
Sir***もっと多いだろうな。数百万とか一千万とか、だろう。
MrO**膨大な数ですね。それを繋ぐわけですね。
Sir***曲と曲とを繋いだのではくし刺しの団子になるからフレーズ毎にに分けての繋ぎになるだろね。
⋆⋆⋆⋆⋆AIと人間の作曲の基準 ⋆⋆⋆⋆⋆
MrO**何が適合かAIの選択の基準は?
Sir***たとえばの話、記憶されたデーターの中からあるフレーズの終わりが「ド」であれば次のフレーズは「ド」で始まるフレーズが選ばれる可能性を高くしておく。
MrO**「ド」で始まるフレーズが無数にある時は?
Sir***選択は確率論になり、確率が同じならば無作為となるから無数の中の同じフレーズを選ぶ可能性は極めて少ない、となる。
MrO**ならば循環は起こらず同じ曲は出来ませんね。
Sir***現実にはAIは同じ曲は作れない。
MrO**人間も作曲に際し以前の曲の記憶が何処かで眠っていますよね。皆無では作曲できません。創造に際して手掛かりの曲を掴み取り肯定にするにしても、否定するにしても手がかりを記憶の中の曲に求めます。
Sir***人間は曲を創造するにしても以前の記憶なしで作れず、AIも人間も作曲を以前の記憶をベースとするの同じだね。
MrO**こう突き詰めてみるとAIも人間の大きな違いはないですね。
Sir***AIも人間と似ていると?
MrO**はい、そう思います。
⋆⋆⋆⋆⋆AI作曲はゴルフと同じ ⋆⋆⋆⋆⋆
MrO**作曲でフレーズの終わりが「レ」なのか「ミ」なのかによって次に選ばれるフレーズがまた選択される。AIでどんな曲が出来るかは前のフレーズの着地次第ですですね。かない蓋然的ではないですか。
Sir***ゴルフコンペでプレーヤーが打ったボールがどこに着地するか分からない。ワンショットごとにその着地点からプレーは継続される。プレーヤーはフレキシブルに対応しコンペはフレキシビリティに富んでいる。最後までコンペの行方は分からない。
MrO**そうですね。プレーヤーをAIに見立てるとコンペは作られた曲になりますね。
Sir***ゴルフが同じ試合は再現困難のとAIが曲を原理的には再現できるけれど、普通に作らせるとまず同じものは出ない、これは似てるかもね。
MrO**ならばAIの作曲は「出たとこ勝負」ですか。
Sir***「出たとこ勝負にはならないね。あらかじめ「ホップス風」「邦楽風」「シャンソン風」など曲のジャンルの枠を指定しておけばAIはそれに沿って作曲するんじゃないかね。ホップスからシャンソンに変わることはないさ。「出たとこ勝負」とはいえないが、でも半分は当たっているかな・・・・・・?。
MrO**いっそ、曲のジャンルの枠を外したらどうでしょう。創造性が増すんじゃないですか。どんな曲になるとか分からない。あるフレーズはポップス風になり、あるフレーズは邦楽風になる。
Sir***さあ、面白いが、創造性に富んだ曲になるか、ピカソの”ゲルニカ”風になるかは、やってみないと分からないね。
⋆⋆⋆⋆⋆AIの曲の起承転結 ⋆⋆⋆⋆⋆
MrO**一曲の中で”始めチョロチョロ中パッパ”のような起承転結は出来るのでしょうか。
Sir***多くの楽曲データを学習しておけば「このジャンルではこう盛り上りかたをする」とか「こう収束する」とAIが判断するね。
MrO**AIは曲の終わりはどう判断するのでしょうか。いつまでも作り続けますか?。あるいは最後にプロデューサーが”プッツン”と電源を落としておしまいとか。
Sir***プッツン” は残酷じゃないかね。幾フレーズで終了のプログラミングしておけば作曲は終了だね。
Sir****ねえ、きみ。今君は何してる?
MrO**何してるって、Sirとお話してるじゃないですか。
Sir***そうだね。犬とか猫とか飼ってるかね。
MrO**いえ、飼ってません。飼われてますけど。
Sir***飼われてる?誰が?
MrO**私が。
Sir***誰に?
MrO**奥さんに。
⋆⋆⋆⋆⋆AIの自己意識 ⋆⋆⋆⋆⋆
Sir***ほ~う、・・・・・・そうかい。それじゃあ聞くがAIは作曲している、或いは、人間に作曲させられているとの意識はあるのかね?
MrO**・・・・・・おそらくないでしょう。
Sir***そうだね、AIには自分というものがない。人間は自分の認識があり、今どうしているかの認識がある。
MrO**これはAIと人間の決定的な違いですね。
Sir***きみには飼われているとの認識があるとすれば、やはり人間だ、よかったね。
MrO**・・・・・・はい、よかったです。
⋆⋆⋆⋆⋆百聞は一見に如かず ⋆⋆⋆⋆⋆
Sir***百聞は一見に如かず、一度AIの演奏会聞きに行かんかね。
ここに高橋真梨子の招待券が2枚あるからちょうどいい。パンフには『高橋真梨子塩竃コンサート。真梨子AI演奏と歌う』とあるからAI演奏をバックに歌うらしい。
MrO**いいですねえ、ご一緒します。パンフ見せてください。・・・・・・Sirこのパンフの高橋真梨子足がありませんが。
Sir***そりゃぁ、足までは写らんだろう。来るのは架空高橋真梨子の一行だから。
―――〇月〇日塩竃市自慢の中央ビル4F多目的ホール
SirとMrOが前列の観客席に並んで開幕を待っている。収容人数500席あまりのホールはほぼ満席。
⋆⋆⋆⋆⋆高橋真梨子のコンサート ⋆⋆⋆⋆⋆
MrO**Sirどうですかこの雰囲気は。
Sir***どんな演出があるかワクワクドキドキだね。AIって何?と思う人もいるからね。
―――やがて照明が落ちる。観客のざわめきが消え一瞬の静寂。つづいて地を揺るがすような大音響。オープニングセレモニーの中、ゆっくり高橋真梨子がステージライトに浮かび上がる。ミラーボールが回り始める。
Sir***演出に工夫を凝らしているね。
MrO**高橋真梨子若いね。私とそう違わないはずだけど。
―――コスチュームはボヘミアン風の花柄ワンピース。胸を大きくVカットされている。伴奏は人間ではなく、AIが生成したフルオーケストラサウンド。ドラマーや吹奏楽団の姿は見えない。イントロが流れ始める。曲は高橋真梨子のヒット曲「For You」
~♬涙をふいて あなたの指で
気付いたの はじめて♬~
MrO**Sirこの曲私好きなんですよ。
Sir***わりと今風が好きだね。見かけによらないね。
♪~あの頃の私 今日までの日々を
~♬見ててくれたのは あなた♪~
MrO**オーケストラピットの空席をスクリーンとシンセサイザー群が埋めて空白を感じさせませんね。
Sir***音響効果もいいね。それだけ工夫を凝らしているんだね。音感はどうかな。
MrO**ややシャープですね。音質はシンセサイザーでコントロールできるんでしょう。
Sir***あゝできるよ。高橋真梨子の声を浮かばせる演出かも知れないね。
MrO**曲が変わりました。「五番街のマリ―へ」ですね。
♬~マリーという娘と遠い昔にくらし
♬~悲しい思いをさせた それだけが 気がかり・・・・・・♪
MrO**Sir、このフレーズが好きなんですよ。♪・・♪♪・・・・・・。
Sir***きみは高橋真梨子のどれもがすきだねぇ~。
MrO**Sir、すごいですね。ステージライトが変わり高橋真梨子の花柄のコスチュームが衣装替えしたように森のせせらぎに変わりました。本人は舞台と渾然一体となり本物のオーケストラの舞台にいるつもりですよ。
Sir***確かに響きは豊かだ。圧倒的は音量だ。しかし、よく耳を澄ますと息づかいがない。ヴァイオリンが一斉に弾いているはずなのに、クールだねぇ。
MrO**ヴァイオリンが一斉に肩をかしげて弾くとついこちらも肩をかしげたくなります。シンバルがジャ~ンとなるとついシンバルに視線が行き興奮しますが、不在では何処を見れがいいのか視線に困りますね。
Sir***ドラマーがドラムを叩くとついこちらもリズムをとりたくなるが、それもない。
MrO**観衆が興奮すると立ち上がったり、手で拍子をとったりする。ドラムがそれに合わせ拍子をとってドラムを乱打してくれた。それもありません。聴衆は落ち着いて聴いていますね。
Sir***そこがAI音楽の本質的な違いだな。設計図(MIDI)をきっちり守る。外さない代わりに、揺らぎや熱気が乏しい。
MrO**しかし、やがてAIはその曲のうねりれさえもMIDIに組み込むでしょうね。
―――歌は次の歌に入り、高橋真梨子が再び歌い出す。会場が静まり返る。
♪~あなたの空を飛びたい♬~
♬~誰より高く飛びたい~♪~
MrO**でも、歌が入ると違いますね。彼女の声がAIの平板な伴奏に“命”を与えている気がします。
Sir***そうだ。AIはキャンバスに色を塗るが、絵の主題を与えるのは人間だ。そうすることで全体が一幅の絵になる。
⋆⋆⋆⋆⋆AIはシナリオライター演出は人間 ⋆⋆⋆⋆⋆
MrO**なるほど。AIはシナリオライター。舞台に演出を加えるのは人間で、最後に人間が主役を演じるわけですね。カラヤンや小澤征爾がいらなくなるわけではないですよね。
Sir***さあ、そうならないように願いたいね。
MrO**AIロボットが人間並みに進化していますが、AIロボットがオーケストラの指揮をすることとは?
Sir***さあねぇ。
MrO**ロボットに小澤征爾風のかつらをかぶせて髪を振り乱して指揮をさせれば様になりませんか。
⋆⋆⋆⋆⋆小澤征爾モドキ指揮 ⋆⋆⋆⋆⋆
Sir***”モドキ”にはなるかねぇ。だがオーケストラは音楽そのもののほかに、演奏者、指揮者と、タクトと、汗と呼吸の総合芸術だからAIの小澤征爾”モドキ”では音楽にならんだろう。
MrO**指揮者が”モドキ”ではいけませんか。
Sir***音は時空を埋めることは出来でも、心までは埋められないのさ。は高橋真梨子のような歌い手がいて始めてAIコンサートとなるんだね。
―――会場はクライマックスに入り、観客が涙ぐむ。曲が終わり、拍手喝采。
MrO**Sir、聴衆は涙を流しています。AIの伴奏でも、感動は起きるんですね。
⋆⋆⋆⋆⋆フィナーレ ⋆⋆⋆⋆⋆
Sir***いや、感動しているのはAIではなく、高橋真梨子の歌にだ。AIは枠組みを作ったに過ぎない。だがその枠組みがあるからこそ、歌が際立つ。機械と人間の共演──これが新しい時代のコンサートの姿かもしれんな。
―――熱気と興奮の中、高橋真梨子が「高橋真梨子コンサート。真梨子AI演奏を歌う」のプログラムが終わりコンサートはフィナーレとなった。
MrO**結構楽しめましたね。
Sir***思ったよりよかったよ。歌い手は歌に酔ってはいけない。酔わす側でなけでばならない、これをしっかり守っていた。高橋真梨子はテクニシャンだね。高橋真梨子がAIの不足をカバーしていた。わしも感動してしまったよ。
MrO**AI作曲が盛んに議論されていますが、AIの問題というよりも、どう使いこなすか人間の問題になりそうですね。
Sir***我々も会場出ようか。
放談第22話:~高橋真梨子とAIコンサート~
了