プロローグ
はじめまして、蒼雲ふいです。初めて小説を書きます。ところでみなさんは、運命の人って存在すると思いますか?私はいたらいいな、という程度にしか考えたことはありませんが、広い世界ですから、人との出会いはすべてが運命なのだと思います。
この作品は、出来るだけ『優しい世界観』で、というのを意識して書いております。読んだ後に、なにかひとつでも、皆さんに感じるものがあればいいなと思います。どうか楽しんでいただけますように。
私がたまに、なんとなくだけど感じている疑問。
この世界に、運命の人なんているのだろうか。もし今、この世界のどこかにいるのなら、どこで何をして、どんな気持ちでいるのだろうか。まだ周りから子供と見なされる年齢の私に、運命とかいう都合のいい存在はいるのか。
でも贅沢を言うと、少女マンガとか、テレビドラマとか、はたまた聴き慣れたラブソングとか、そんなんじゃなくて。私の目の前に現れる、リアルに存在している人が。何もなくても、そばにいてくれるだけで、たったそれだけで自然と温かい気持ちになれるような誰かが。この広い空の下にいるのなら_。
会ってみたい。でもきっとそれは、物語の中だけの話であって、現実じゃない。フィクションでとどまってしまうような、夢物語にすぎない。間違いなく私には、縁のない話なのだ。そう。いつだってその結論に至ってきた。
_涼ちゃん。
そう呼んでくれたあの子にも、きっと運命の人がいて、幸せな未来が待っているのだろう。
あの子は今、どうしているのかな。元気にしているかな。
また会いたい。
_また会おうね!
そう言ってくれたあの子に。
ちょうどその時。いつも窓から見える桜の木が、今吹いた風に乗せて花弁を落とした。