第1章・第1話「処刑される竜騎士」
第1章・第1話「処刑される竜騎士」
「レオン・アルヴェイン。貴様に王国の敵としての罪を言い渡す」
王国の裁判所。
石造りの大広間に、無数の兵士と貴族たちが集まり、俺を見下ろしていた。
中央の玉座には、一人の男が座っている。
エルディス・オルヴァンド王。
彼は穏やかで冷静な目を俺に向けながらも、心なしか悲しげだった。
「滅びの竜との契約……貴様のしたことは、この世界に対する反逆行為である」
「……反逆?」俺はゆっくりと口を開いた。「俺は、ただ……竜と共にあることを選んだだけだ」
貴族たちが怒声を上げる。
「ふざけるな! 竜騎士はすでに滅びた職業! 貴様がしたことは、禁忌を犯す行為だ!」
「滅びの竜は、かつて王国を滅ぼしかけた災厄の存在! 貴様はそんな化け物と契約したのだ!」
怒り狂う貴族たちを前にしても、王は静かに口を開く。
「レオンよ……お前に弁明の余地はあるか?」
俺はゆっくりと顔を上げた。
「……今更、言葉を尽くしても無駄だろう?」
「それでも聞こう」
王の声は静かで、しかし確かに俺に向けられていた。
俺は目を閉じる。
そして、あの日のことを思い出した——
すべての始まりとなった、滅びの竜との出会いを。
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