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ぽろぽろおちる  作者: 亀甲マン
3/4

推理1

とりあえず2人に届いた手紙の内容をよんでもらった。


「読んで何か気付いたことあるか?」


カズに尋ねる


「とりあえずお前と同姓同名の男に会って

 話がしたいと言うのが内容のメインなんやろな」


カズは少し考えるそぶりをしたあと。


「なぁシュウお前が知りたいのはこの差出人と、

 同姓同名の男についてやろ?見つけたいのか、

 この手紙を放置するのかは知らんけど」


「最初は無視しようかと思ったけど、

 手紙の内容読んだらさすがに放置するわけにも

 いかんかなって思ってる」


「それなら今からこの手紙から推測出来ることを3人であげていったらどうや?

例えば、まず差出人にとってお前と同姓同名の人との関係は先輩後輩

つまり同じ学校に通っていたって事やろ。」


カズの提案をうけて俺たちはこの手紙から読み取れる

情報を出していく事にした。

 

「それなら差出人は高2の女子の可能性が高いな」と俺が答える

  

「なんでわかるの?」


 ウタが聞き返す。


「俺は学校選抜で高山のマラソンに出てたからな、

 だから名簿にはうちの高校名と住所を書いた。

 それを見てうちに手紙を送ったとしたら彼女の言う先輩は

 高校生で間違いないだろう。」


「確かに高校の屋号で大学生はないな、

 でも差出人が2年生って思う理由は?」


「推測ではあるんやけど、差出人が1年生としたら4月に入学してから

 さほど期間も経ってないのにもう先輩に会いたいって話的に無理筋やろ。

 まぁ同中だった先輩を追っかけて受験したって事も

 あると言えばあるやろうけど、

 それよりも差出人が1年生の時に出会って今2年生になった

 と考えるほうがしっくりくる。」

 

「なるほ~、ところでこの先輩も高山のマラソンに出場する予定があったの?」

 

「どうだろうか?俺が出た大会には俺以外に中富修也(なかとみしゅうや)っと言う名前はなかったし

 過去のマラソン大会のネット検索でもヒットしない

 たまたまアルバイトかボランティアに差出人の知人がいて同姓同名を見つけた

 んじゃなかろうか?」


俺なりに推理したものを話した。


「一つええか?」


カズが聞く。


「お前はこの手紙を放置するわけにいかんっていったよな?と言う事は

 この二人を探す方向で動くと言う事やな?」


「そう言う事になるな」

 

「結局のところこの手紙は同姓同名の他人に宛てた手紙でお前は全くの部外者、

 もし本当にこの二人を探すってことになると、

 お前は他人の問題に首を突っ込む事になりかねんぞ」


「確かに俺には無関係の話だと思う、でもこの手紙を読んだらなんとかして

 この先輩を見つけてあげたいと思ってしまった。

 本当に自分勝手で身勝手なお願いだとは分かっているんだけど……俺は

 二人ともこの人探しに巻き込みたいと思ってる、

 その結果何かしらの問題に首を突っ込む事になるかもしれない、

 それでも二人を頼りたいどうか俺のエゴに付き合ってくれないか?」

 

幼馴染二人はお互いに顔を会わせて


「しゃぁない、見返りは求めるけど、壮大な鬼ごっこと思って手伝おう」とウタ

 

 探すんだからどちらかと言うとかくれんぼでは?と言いたいのを我慢して。


「見返りについてはお手柔らかにお願いします。」



「いまさらやなw 俺たち3人はオギャアからの付き合いだ、

 当然手伝うつもりだが、ただ言うて俺たちは学生で時間も金もないから

 ある程度期間と条件を決める必要があると思ぞ。」


カズの言い分はもっともで、大阪と長野の間を往復しようと思うと相当の時間を

要するうえに出費もかさむ、ましてや学生が授業をおいそれと休むわけにもいか

ないのだ。

 

「じつはその事について提案があるのだが」


 俺は便箋を指さすと


「この手紙読んで思ったのだが、何かしらのイベントが発生するまで

 残り2ヶ月弱それまでに先輩に会って真実を話したいと

 差出人は言ってるように俺は思える。」


たしかにと二人はうなずく。


「そう考えると我々に残された期間は残念なことに2ヶ月弱しか

 ない事になるのだが.....」


 いったん間を開けて、


「なんと!奇跡と言うべきかその2ヶ月の間には学生の為に

 神から与えられた特権、夏休みがあるのだ‼」



「えぇ~せっかくの夏休みなんだから私は海や川で遊びたい~」


(とウタがごねだした。)


「確かに期間は決まったけど、まだ金銭的な問題が解決してないぞシュウ」


(とカズも突っ込む。)

 

そんな二人からの指摘を待ってましたとばかりに俺はスマホでとあるサイトを見せる。


二人は声をそろえて「安曇野三宝ビレッジ?」


「そそ、実はココおやじが努めるグループ会社の保養所で

 他にも白浜や伊豆にもあって夏休みの間だけ3食付きで

 住込みバイトが出来るねん、

 週休3日で拘束時間も夕飯準備の18時までやし

 社会学習も兼ねてるバイトやから休みの日に

 ラフティングやBBQとかのアクティビティーに

 参加できるんやけどどうですか?」ニヤ


「ハーイ!行く行く!ねぇねぇ何時からいけるの?」


 急に手のひら返しのウタに続いてカズが


「これで費用の面でも問題クリアやね、手紙から推測するに

 ここで言う先輩を探すよりも差出人の方が探しやすそうやし、

 となると目下の問題は来週に迫った期末テストを乗り切る事やな」


きゅうに現実に戻されてウタと俺が(うわぁ~)と声をあげる。


「とりま手紙を写真でとってLAINで送るから、

 テスト期間中もなんか気付いた事あったら

 教えて、それを見て事前に出来る事あったらやっとくし」


「了解」「りょ」


二人の同意を得て俺たちはテスト期間へと突入したのだった。

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