表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/16

フォーが好き

りさは20年間ホノルルに住んでいるのと、メディアの業界にいるからどこのレストランが新しく開店して美味しくて、どこに行けば何が買えるなど、ハワイのトレンドや日本のニュースが常に耳に入ってくる。

もちろん興味があるから知っている事も多い。

一家に一人ほしい便利な人物だと思う。


ハワイに来て2年目、その上宗教という狭い世界で暮らしているクリスに、そんな人が必要なニュースを、そして情報を話し、人を紹介する。クリスにとって得なことばかりだ。後に彼の言う感謝をしても仕切れないと言う言葉は本当だ。


クリスとの初食事会はフォーだった。それは安くてりさも好きなメニューであり、クリスのお財布を考えての選択だった。


その店はカイムキと言うホノルルの東側で、ワイキキとカハラの間の地域にある。ハレ・ベトナムと言うベトナム料理屋さん。


昔りさに夫がいた時に話題の店だった。

かつてフォーに載せる野菜はオーガニックを使っているとうたっていて、新鮮なノコギリコリアンダーやバジル、もやしが、沢山盛り付けられてきたと記憶している。


それらはお好みでちぎってフォーのスープの上に入れる。

日本人は香草が苦手な人がいるが、香草が全てのフォー屋さんで出てくるとは限らない。

多分ベトナムの地域性で野菜は変わるのだろう。

ハレ・ベトナムではコリアンダーは出なかった。


今回は食事に行きましょうと言われて来たのだし、りさは払うつもりがなかった。だから安い店にした。でもなんせ、16歳も年が離れているから割り勘になるのかな、割り勘だったらこれが最後にしようと思っていた。


今思うとその頃のりさはモテていた。次から次へとお誘いされ、出会いがあった。


フォーは何種類もあるから初めての人は選び方が分からない。

りさはゲテ物好きだからトライプとテンドンとビーフフランクにレアビーフアウトサイド。

トライプとは、牛の胃袋、テンドンは腱、ビーフフランクは胸肉、レアビーフアウトサイドは薄切りの生肉をしゃぶしゃぶのようにスープに入れて食べる為、別皿でもらう。


ベトナム人やフォー通な人はそうやって食べるが、スープが早く冷めてしまう欠点がある。

スープも濁る。

でもりさはいつもレアステーキアウトサイド。

クリスはもちろんインサイド、いかにも田舎者でチャレンジしなさそうな感じ。


出てきたフォーに入れる野菜がすごく品祖だ。


「あれっ、野菜少ないねー、日本人観光客だと思っているのかも」りさが言った。


ホノルルのレストランは、フライトアテンダント達が他のレストランの味も知らないくせに、美味しいと褒めたたえて雑誌に紹介すると、それを読んだ日本人観光客が押し寄せてしまう。


良い店はそのままの状態を保つが、悪い店は観光客だと手を抜く。レストラン自体を悪くする時が多々ある。


今回は、野菜の量で現れ、次はお支払いの時にも。


 クリスが現金の札を多めに払うと、釣り銭が返ってこなかった。

米国のレストランではチップがいる。

そんなことは十分に承知だが、給仕はまずはお釣りをもってきて、サービスが良かったか悪かったかでチップを15%にするか18%、20%にするかお客は考える。


この日はいくら待ってもお釣りが来ない。


「お釣りが来ないのだけど?」クリスが聞いてみた。


給仕はお釣りがいるのか?という顔で持ってきた。


多分、あげても良さそうな値段だったのかもしれないし、多めだったのか、りさにはわからなかった。が、私達が嫌な思いをしたことには違いなかった。


また、あれっ、前と何か違うな?と思うお店は良くある。


その場合は経営者が変わったケースも多い。従業員込みで売れば、お客さんにはわからない。

ただ、経営方針やその人の特徴などから味だけでは無くて、雰囲気などより店は変わっていく。


ハワイの店は年々移り変わりが早くなっていった。

それは、土地の値段が高騰し、物価が上がり、賃貸料金があがるから。


 りさの彼、龍一はイタリアンレストランを経営していた。オーナーシェフだ。

だからりさはこのような事にも詳しかった。


 家に帰ると龍一が待っていた。


「あれっ今日来る日だったっけ?」


龍一は遅く帰って来たりさに少し腹を立てて飲んで待っていた。


「そう言ったじゃないの」


キッチンには美味しそうなクリームコロッケが揚がっていた。


「ごめんごめん」

リサは謝った。


「すごく美味しそうだけど、コロッケは明日食べるね」

龍一は勘が良い。


でもりさは、前のように付き合っている訳では無い龍一に全てを話す気も無かった。


実際、テレビの出演者と夕食を友にしただけなのだから。


龍一はキスをしてきた。

そしてリサの服を脱がしにかかった。


「あっ、ここでえ」


もう5年も付き合った龍一なのだ。彼の気持ちはわかっている。

風を脱がせてりさの小さな胸をむさぼり始めて言った。


「誰と食事に行ったのだ」龍一


「テレビのゲストよ」りさ


「男と二人か?」龍一


「違うわよ、奥さんと三人よ」りさは嘘をついた。


龍一は精一杯相手を気持ち良くしようとしてくれる。特にりさの行動に不信感がぬぐえない今夜は嫉妬心もかりたてて丁寧にりさの大事な場所を舌を這わせて、りさはあっという間にいってしまった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ