グレイゾーン
次の日はケアホームへ慰問に行った。
慰問に行くとクリス牧師がランチをご馳走してくれることが私へのお礼になっていた。
ダウンタウンのジッピーズでランチを食べた。
ジッピーズはハワイの沖縄からの移民二世が始めたファミリーレストランでベーカリー部門もある。
ローカルのフェイバレットレストランだ,島のあちらこちらにある。
りさは、あまり好みのメニューがないので、オーバーボイルした感じのミートソーススパゲッティを食べる。りさはパスタはスパゲティが好き。
素麺みたいなスパゲティーニも嫌、きしめんみたいなフェトチーネも嫌なの、スパゲティが好き。
クリス牧師は話し出した
「幸子さんと付き合おうと思うから、りささんとこうして会うのも止めた方が良いと思うんだ。」
(はーあ!!!なんだあ、こいつ、身辺整理か?!お前とは付き合っていないし、お前が伴奏のお礼はランチにすると決めたのじゃないか!)心の中で叫んだ。
と同時にこう言った
「別に今まで通りの友人で良いのじゃないの?私だってグレーな関係の恋人が居るし」
グレーというのは、くっついたり、離れたりして、でも完全に別れていない龍一のことだった。
すると、
「そうかな、まあいいか」
と、クリス牧師が言った。
ここで初めてりさが体験したクリスから遮断される的な発言。
クリス自身がちょっかいを出しておいて、まずいなと思うと別れを切り出す。
自分を擁護する。
12月に起こった佐和子さんも、佐和子さんの友人も、ある意味犠牲者かもしれない。
それから一週間たってコーラスの練習日に教会に行った。
クリス牧師が終るのを待っていた、そして言った。
「幸子さんはすぐにハワイに来ないと言うのですよ。卒業したばかりで就職が決まっているし、しばらく日本で勤めたいと言うのです。僕はすぐに来てくれないと嫌なんですよ。」
幸子さんも体当たりで来た割にはおかしなことを言うなと思った。
彼女の親御さんも常識はずれな人たちだ。
りさの家は父親が従業員五〇人の製造業の優良企の業社長で、父も母も大学を出ていた。
一般的にまともな中上流階級の家で育っている。
りさの考え方はまともな方だと思う。
まともとは、一般的、大多数の考え方。
誰もが、まともだと思っているから世界の争い事は終らないのだけれど。。。
クリス牧師は幸子さんから少し気持ちが離れだしていた。
それから数日たってマノアの滝にウォーキングへ行った。
もともとりさがウォーキングの相手がほしいと言う話から
「僕が一緒に行きますよ」って言うから一緒に歩き出したのだ。
何回も書くが、
りさはクリスの顔が好きではないし、年齢も違う
でも
スピリチュアルな話は合うから、暇つぶし相手にキープしたい相手だった。
クリス牧師にとってはその時はフルートのピアノを伴奏してくれて、編曲も出来て、
素敵なお姉さんみたいな感じ。
と言う理由で、十分会いたかったと思う。
その後にクリスはもっともっとりさの価値を知ることとなる。ハワイに20年住んでいるりさはハワイのメディア業界にいて、色んなことを知っていて、人脈もあるから。