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あの日見た満天の星空を見に  作者: 滝山雅文
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 それからショッピングモールでいろんなものを見て回って、映画館で最近流行りの洋画を観て、最後にいつものクレープ屋に行った。俺はチョコバナナ味、彼女は3種のベリー味を買った。因みに、3種というのがそれぞれ何ベリーを指しているのか、俺は未だに分かっていない。

 再び神社に戻った俺たちはクレープを食べながらおみくじを引いていた。彼女がこれからの運勢を占いたいと言い出したのだ。

「ラッキー♪私大吉だー!優希くんはどう?」

 ハイテンションで彼女が尋ねてくる。転校の話が終わってからはずっとこの調子だ。付き合いの長い俺からしてみれば空元気にしか見えないが。

「ふん、哀れだな流奈。今が大吉ということは後は下がるしかないんだぞ?」

 だけど付き合いが長いからこそ俺はそれに乗る。演技力は、彼女よりはあると思いたい。

「はいはいそういうのいいから……優希くんのはっと!」

 哀れみの目をする俺から彼女はおみくじを取り上げる。そしてその中身を見て……

「……慰めようとオロオロしなくていいから」

 今どき珍しい凶を引いた俺になんと声を掛けようか彼女は金魚みたいに口をぱくぱくさせる。

 やめてよ、そんな視線……私まで惨めになっちゃう(TT)

 俺は彼女からおみくじを取り上げ、ろくに内容も見ずに木に結びつける。どうせ悪い内容なら中身を見て気分まで悪くさせる必要もないだろう。

 紙を木から落ちないようにきつく結び付けるのに苦労したが、どうやらうまくいった。よし、これで運気はうなぎ上りだろう。世の中何かとバランスが取れてるものだ。幸不幸のバランスもきっと取れてる筈ーー俺の数少ない自論である。

 その後は境内で彼女の運勢を詳しく2人で見ていった。

「なるほど、学業は本人の実力相応に『努力せよ』、か。……まあ頑張れ」

 彼女はそこまで頭が良くない。というか、飲み込みは悪くないのだが日頃勉強せずに欲望のままに生きているから頭が悪いように見える、というのが正しい捉え方か。昨年の期末はその膨大な試験範囲に泣きながら勉強していた。

「私、優希くんがいないとテスト乗り越えられそうにないよ〜」

 ふええん、と縋り付いてくる彼女に「ええい、じれったい……」と言いながら腹に擦り付けてくる頭を退かそうとする。仔犬か。

「頑張って勉強看てくれる頭と性格の良いやつと友達になっとけ。人と仲良くなるの俺と違って得意だろ」

「そんなことないよ〜。私、優希くんがいないとうまくやる自信ないも〜ん」

 尚も擦り付いてくる彼女。

 引き剥がそうとするとそれはそれで疲れるので、俺は諦めてされるがままになった。

 満更でもないですね、はい。


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