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8、戦闘

獣人族の進行が始まった。

飲み込まれていく人族たち、

アミシャスとバニスタの仕合、魔法を行使できないアミシャスは、

魔法を使うために、最後の手段にでる。


西の砦、守備隊帳・ランスロットは叫ぶ、

「敵の様子はどうだ」


直ぐに、物見の塔の見張りから返事がある。

「先頭を狼族が3,000程、その後は、しばらく間があいて、熊、馬、・・

多種多様な獣人の姿が見えますが、すべてわかりません」


ランスロットは知らなかったが、獣人の王、パラダスに逆らったとして、

狼人族達は、先陣を命ぜられていた。

“すべての人族を殺せと”


ランスロットの判断は、早かった。

「リンゼル、方陣を変えるぞ、逆扇型だ、騎馬で先に仕掛ける」

「騎馬200には、魔術兵を乗せろ、100騎ずつに分けて両側に配置」


砦では、各部隊ごとの戦方はもちろん、砦での戦方も、常時、演習されていた。


「獣人たちは、戦いになると見境がなくなる、そこを突くぞ」

「まず、騎馬で先陣を突く、その後、引き込め、殲滅する間に、両側の騎馬隊は、後方の一団を魔術で足止めをしろ」


騎馬隊1,400騎は、3隊に分かれ、蛇のようにうねりを上げて、狼人たちに襲い掛かった。襲いかかるとすぐに離脱、いわゆるヒット・アンド。ウェイの戦術であるが、狼人たちは、その跳躍力を生かし、いくつもの騎馬を倒した。


「騎馬のスピードで、攪乱しろ、突いたら引け」

騎馬隊長リンゼルは叫びながら、馬を巧みに操り、少しずつ味方の陣に引き込んで行く。


狼人たちも、戦いに酔ったのか、目が血走り、大声を上げながら、騎馬を倒しながら、止まることなく進んでいく。


扇形の内部に狼人たちはなだれ込んでいく


「円形陣、盾に3人付け、魔術兵は魔術を放て」

ランスロットが叫ぶと、逆扇形は、袋の口を閉めるように円形陣へと移動し、

両側にいた騎馬上の魔術兵たちは、移動しながらスクロールを出し、魔術を放とうとした。


その時、空が曇ったかと思うと、

甲高い声がし、鳥人たちが空から舞い降りてきた


魔術を放とうとしていた魔術兵を刈っていく鳥人たち。


「いつ現れたんだ、さっきまで何もなかったぞ」

1人の魔術兵が叫ぶが、同時にその魔術兵は、鳥人にその鋭い爪で、首を飛ばされ絶命した。


更に狼人達は、その跳躍力で、盾を飛越し、陣形の中へ入ると、周りの兵士たちを食い散らかした。

はらわたを食われるもの、手足を刈り取られるもの、そこかしこで、

悲鳴があがった。


空と陸の攻撃をうけ、守備隊陣形は崩壊した。


「撤退しろ、後退だ」

ランスロットは叫んだが、既に、指揮系統は機能していなかった。


その時、虎人、熊人、鰐人の3部隊が、人族部隊に襲い掛かった。

1時間もしない内に、獣人以外、そこにはだれも居なくなった。


狼人の一人が、パラダスの前に跪き、

「これで、マグナまでの食料は確保されました」

「途中の人族の村でも、確保できるでしょう」


パラダスが頷くと、獣人たちは、また、進行を開始した。


マルーンの合図で、

第1部隊隊長 バニスタとエルフ国 副国王 アミシャスの仕合は始まった。

バニスタは動かない、大剣を右手1本で持ち、下にさげて構えている。

いわゆる自然体の構え。

アミシャスは、右手に長剣を持ち、右半身の構えで、ゆっくりとバニスタの周りをまわる。バニスタは、それに合わせて、こちらもゆっくりと移動する。


その時、アプスタッド王が、持っていた剣で、地面を叩いた。

その音と同時に、バニスタは両手で剣を持ち、振り上げると、アミシャスに向かって振り下ろした。

アミシャスは、その剣を正面から受けるのではなく、自分の剣でいなすようにし、後ろへ下がる。

「これをまともに受けたら、一撃で終わりだな」

「しかもいなしただけなのに、もう手がしびれている」

「剣技ではかなわない(・・・・)」


バニスタは無言のまま、右手で剣を持ち、切っ先をアミシャスに向け、ゆっくりと近づいてくる。


「妖精がいなく魔法が使えなければ、使えるようにするしかない」

「クペランテ王、あとは頼みます」

そう言うと、アミシャスは、剣を自分の胸に向けた

「アミ・・」

クペランテが名前を呼び終わらないうちに、

アミシャスは、自分の剣で自分の心臓をさした。

剣が刺さると、まばゆい光が現れ、そこから妖精たちが溢れた。

「マジックカットタンブレム・・」

アミシャスはそう呟くと、その場に倒れた。

妖精たちは、幾つもの光の刃となり、バニスタに襲い掛かった。

バニスタは、それを、その大剣で一閃した。

光の刃が砕け散ると、そこには妖精たちが地面に倒れていた。

少しずつ、影が薄れ、妖精たちの姿は消えていこうとしていた。


「ばかな、妖精の存在が無くなっていくだと・・」

「アミ!」

クペランテは、叫びながらアミシャスの元へ近づいた。

アミシャスは既にこと切れていた。

アミシャスの命を懸けた魔法でさえ、全くバニスタには通用しなかった。


マルーンは、一言

「この仕合は、バニスタの勝利」

「クペランテ王、いや、既に王ではない、我がアプスタッド王の配下の一人」

マルーンが手を上げると、

入口から衛兵たちが入ってきた。

この(クペランテ)を、獄に入れておけ、それとその倒れている物を、私の研究室に、宿舎に居る(エルフ)は、全て、地下の実験室につれて行け。


それを聞いたクペランテは、

「アミをどうするつもりだ、マルーン殿」

マルーンに近づこうとするが、衛兵たちに両手を掴まれ、連れていかれた。


「アミをどうするつもりかと、この様な上質な物は、良い材料なのだよ」

マルーンは、そう呟くと、その場を後にした。


宿舎では、クペランテ王と共に来たエルフの兵たちは、不安に苛まれていた。


「王と副国王はぶじであろうか」

一人が呟く、その時、光の刃が一枚、皆の前に飛んできた。

刃は一人の妖精の姿になった。


妖精は皆に念話を送った

「アミシャス死亡、クペランテは囚われの身、会談は失敗 すぐに逃げろ」

妖精は影が薄れ消えて行った。


エルフ兵たちは騒然となったが、

衛兵隊長ガカークが、

「皆、沈まれ、事前の取り決め通り、王の云った通り動くのだ」


「ベルジャムはいるか」


「ここにおります」


「お前はスキル・隠匿をもっているな。必ず、この知らせをメディオクリスまで知らせるのだ」


「他の皆は、ベルジャムを助けるために陽動するぞ」


ベルジャム以外のエルフ兵たちは、外にでて、騒ぎ出した。


その時、人族の兵の一団が、

「エルフ共、抵抗するな、抵抗すれば殺す」


兵たちは剣を抜き、エルフたちを取り囲んだ。

エルフ兵たちは、入国する時に、武器は取り上げられていた。

だが、ベルジャムを逃がすために、無手で抵抗しようとした。

得意の魔法も、ここでは使えなかった。


「放て、その一言で、魔術兵たちから魔法が放たれた」


エルフ兵たちは、次々と倒れていく。


「マルーン様からは、死んでいても良いとの仰せだ」


ベルジャムは、隠匿のスキルを使い、その隙に、王宮を抜け出した。


「皆、すまない、必ず、知らせる」


暫くすると、その場に生きたエルフは居なくなった。



(シュウ)とベルチャーム姫、フォルティ、ルトとセレティスの5人は、

エルフの国を抜け、人族の国チャオの領地に入った。

後、3日もすれば、首都マグナだそうだ。


今日で4日目の野宿だ。

姫さん、野宿大丈夫かなと思ったが、なんてことなかったな。

旅の道中で、いろいろと話を聞いたが、

不思議だったのは、妖精が混合して、エルフになることもだけど、

エルフになった時、それが誰かということが、どうやってわかるのかってことだよな。

夫婦から赤ん坊が生まれてくるわけじゃないしな。

姫に聞いてみたら、


「エルフになった時、分かるんですよ。貴方はベルチャーム、皇女だと。

アマール神の啓示があります」


不思議な話だな。

そう言えば、昨日まで、全然食欲なかったんだけど、何故か、今日は腹が減った。これって、この世界と同化していってるって事だよな。

俺にも、時間があまりないのかな。


いや、やれる事をやるだけだ。


香織、必ず会って見せる・・


年末・年始は地獄のようなシフトで動いています。

やっと、更新で来た。

今年も宜しくお願いします。

そろそろ、おっさん、活躍させたい・・

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