12、覚醒
やっと更新できました。仕事忙しすぎ
俺達は、森の中へ逃げ込んだ。
鳥人達は、暫く、森の上を飛び回っていたが、
あきらめたのか、飛び去っていった。
「ルト、姫さん直せるか」
「大丈夫だよ、この森の中なら、回復魔法が使えるよ、そこに寝かせてもらえるかな」
「分かった」
俺は、姫さんを地面に寝かせた。
ルトは、姫さんの頭に手を載せると、何か呪文をつぶやいた。
すると、ルトと姫さんの身体は、淡い光に包まれた。
光が治まると、姫さんの様子は落ち着いていた。
「これで大丈夫だよ、でも、消耗が激しいから、暫くは起きないかな」
「そうか、それじゃ姫さんは抱えて、セレティスは背負って行くか、時間ないしな」
俺は、そういうと、セレティスを背負い、姫さんをお姫様抱っこし、走りだした。
私の前に現れた人は、確かにアミシャス副国王、しかし、その眼には生気がない、しかも、黒く淀んだ眼をしている。
「アミシャス副国王、いや、父上、私が分かりますか?」
だが、返事はない。
ゆっくりと、アミシャスは近づいてくる、その手に剣を持って。
「私は、貴方とは戦えない」
やはり、返事はない。
アミシャスは、フォルティに切りかかった。
フォルティは、その剣を自分の右手の剣で受け止めた、が、
あまりの力の強さに、左手の剣も添えて受け止めなければならなかった。
父上は、こんなに力は強くなかったはずだ、が、この力強さはなんだ。
フォルティは、徐々に押し込まれていく。
マルーンが、
「フォルティよ、アミシャスは生まれ変わったのだよ」
「お前が知っていたアミシャスではない」
「お前は、アミシャスへ攻撃出来まい、諦めて投稿しろ」
確かに、私は、父上へ攻撃できない。
「分かった、投稿する」
マルーンが、杖を振ると、
アミシャスの動きは止まった。
「フォルティよ、剣を捨てろ」
フォルティは、両手の剣を、地面に放った。
「この者を、地下の実験室に連れていけ」
マルーンが、そう言うと、
フォルティは、兵士に連れられていった。
マルーンが、更に、杖を振ると、アミシャスに黒い靄がまとわりつき、
靄が無くなると同時に、アミシャスの姿も消えていた。
翌朝、出陣した兵士たちの生き残りが、マグナに戻ってきた。
その数、およそ、3,000余り。
戻って来たのは、半分にも満たなかった。
獣人族たちは、それまでの行進が嘘のように、
マグナから見えるところで、立ち止まっていた。
その一番前には、REXを被った豹人族のパラダスが居た。
その赤い目は、マグナに向けられていた。
マグナには、東の砦と北の砦より戻った守備兵各10,000ずつとアンブル率いる第3守備隊2,000、計25,000人の兵が、守備を任せされていた。
先頭に立つのは、アプスタッド王その人。
マグナの守備兵たちは、街を出て布陣をし、獣人族達と対峙していた。
メティオ率いる第2部隊は、夜の内にマグナを出、エルフの国を目指していた。
その中に、宰相マルーンも居た。
獣人族28,000、人族25,000 マグナの外で対峙していた。
獣人族の王・パラダス、人族の王・アプスタッド、2人はお互いの陣営の前に出、ゆっくりと歩いてくる。
獣人族と人族の運命をかけた戦いが始まろうとしていた。
俺たちは、やっと、エルフの森の最深部にたどり着いた。
エルフの民約4,000人が避難している。
とりわけ大きな樹木がある。
その根元は、大きな空洞になっていて、100人くらいは平気で入れそうだ。
ここに祭壇があったらしい。
そこに、エルフの王子・フラタリスが居た。
だが、フラタリスは、眠っている。
事情を聴くと、昨日から、眠ったまま目を覚まさないそうだ。
姫も、まだ目を覚ましていなかった。
フラタリスの横に、姫を寝かせると、2人は淡い光に包まれ、
同時に2人が目を覚ました。
姫とフラタリスは、手を合わせた。
淡い光は、強い輝きとなり、金色の光にあふれた後、そこには、姫だけが居た。
そして、俺に向かって喋りかけてきた。
「貴方が異世界からきた召喚人ですね、私はアマール」
「は、貴方がアマール どういう事?」
俺は頭が混乱した。
姫さんがアマール?フラタリスは?
「時間があまりありません、今、私は、バルチャームとフラタリスの力を借りて、現下しています」
「貴方にお願いがあるのです」
「この世界をテネブリスから救って欲しいのです」
「それはどういう事かな?俺はテネブリスに召喚された、貴方を探すためにね。
貴方を見つければ、元の世界に戻れるはずなんだが・・」
「それだけでは戻れません、私の話を聞いてもらえますか?」
「戻れない?どういう事だい、とにかく話は聞こう」
俺は、とにかく、アマールの話を聞くことにした。
エルフ国に向っている8,000の軍勢。
マルーンの横に、黒い靄が起こり、リーンが現れた。
「リーンよ、エルフの民たちの場所はわかったか?」
マルーンの問いに、リーンは頷き、
「マルーンさま、場所は分かりました、ご案内します」
「そうか、これで手に入るか・・」
エルフの国に脅威はすぐそこまで迫っていた。
読んで下さり有難うございます。