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雪との闘い

作者: 地本

私は新潟で機関士をもう長いことやっていて、一般的にはベテランと呼ばれる部類に入る機関士だ。こんな年齢になると「ラッセル」と呼ばれる線路から雪を掃けるために走らせる列車の乗務を担当したりもするのだが、この雪を捌けるという作業は非常に神経をつかう難しい仕事だ。


なぜならあまり雪を大胆に捌けてしまったりすると民間や人にあってしまいケガをさせてしまうので、そのようなことがないようにかつ列車がしっかり走れるように除雪をしないといけないからだ。もっともこの雪を捌ける作業は機関車の先に連結されている「ラッセルヘッド」という部分に乗る保線員の人が行うので私が作業するわけないのだが。


また今日もいきなりラッセルの要請が来た。前日から今日にかけてまた大雪が降って列車が走れないくらい積もったという。いつものように機関車に乗ってラッセル列車を運転する、しかしその日は特に降ったのかいつも以上に積もっていてラッセルヘッドに乗っている保線員の人と連絡をとりながら列車が通れるように除雪をしていく。


峠に差し掛かって少しした頃だろうか、少し機関車の調子が悪いことに気がついた。どこが悪いのかと思ったがどうも雪が深いのかいつも以上に力強く押さないといけないらしいがその次の瞬間、列車が道半ばというところで停車してしまいおかげで列車が進まない。

保線員の人と話すとこの雪の壁はギリギリ排雪できない量で、保線区に応援を頼まないといけないとのことなので足止めをくらい一息つこうとも思ったが仕事が完遂できていない状況においてそのような余裕があるわけもなく、只ひたすらに保線区からの応援を待つ。


保線区からの応援が来たおかげで皆スコップを持ち出し上の雪をどけてまた列車で除雪作業をしていったが、時間がかかりすぎて旅客列車は午後からとなってしまった。しかしこんなことは雪国ではざらだろうが、それでも列車を運休させるなど許されることではない。今日除雪したからといってもまた明日には山ほど積もる雪、列車の安全運行も地域の交通も守るためまた明日も戦い続ける。

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