泣き虫くんと私
名前 ：
基本スペック ： 黒髪黒目、マストラ（黒国）人、性別メス。（他非公開）
称号 ： パン屋『いちひめ』店主（屋台）
異世界放浪者（自動）
不思議パン製作者（自動）
黒国第1王女（元）
チャーシュー好き（研究者）
料理人（研究者）
薬師（ マスター級）
錬金術（ イケてる）
味噌ラーメン好き（味噌から作るレベル）
トッピング研究家（師範）
素敵なラーメン屋さんの弟子（のれん分け許可）
恋するお姫様（遠恋中）
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私、イケてるパン屋さん
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「パンパン、パパーン、パンパパーン♪ 私、イケてるパン職人ー♪」
「いちひめねーさん！ パンくださいな！」
「まぁまぁ！ 泣き虫くん、お元気ですか？ 勿論、パン屋さんは今日も元気に営業中ですよ」
「泣き虫くんはやめてほしいっす！ これでも、日本男児の高校生っすよ！ 泣いたことなんてないっす！！」
「そうよね、ごめんなさい。男の子ですものね！」
「……うぅっ！ 嘘つきました！ ごめんなさい！ その孫を見る祖父母の様な温かいまなざしはやめてほしいっす！！ ……ええと、これから遠出するので日持ちのするパンと、今日のおやつが欲しいんっすけど、いいのありますか？」
「遠出？ 皆でどこかに行くのかしら？」
「ちょっと海を渡って別の大陸に１か月程行くことになりそうなんっすよ。今ちょうど旅の準備をしているところなんすけど……うちって濃い異世界混合メンバーのパーティーなのに、オレ以外に２人も日本人がいて……食にうるさいんっすよね。あれはマズイ、これはゴミとかもう……！ 魔王社長もお坊ちゃまだから舌が肥えてるし……」
「私の師匠と同じお国の方々ならば、美味しいものに慣れていておかしくありませんもの。仕方がないことですよね」
「いや、うーん……。オレも、メシマズ世界とか都市伝説かと思ってたんっすよ。でもよく考えたら食の文化なんて自分トコの世界でだって全く違ったんすから、まあ、世界が違えば口に合う物探すのも一苦労なんだよなーって。海外に行く人が日本食持っていくって気持ち、今更ながら思い知ったんすよね！！！」
「ならそうですね……。これなんかどうかしら。師匠のお国で流行りの、『おやき（具沢山）詰め合わせ』です！」
「おやきだぁああ！！ ん？ でも、は、や、……流行ってるのかな？ え？ 聞いたことないけど……いや、一部地域の名物ではあるけど……しかも、パンの括りに入らない……よね？ あれ？ え？」
「もちろん、うちの工房で作られたパンなら！ 長持ちもっちもち！！ 調理パンだって１か月は持ちます！ さあさあ、ご試食どうぞ！」
「んぐ……っ！ これはっ……！ 野沢菜の塩気が絶妙なキノコ増し増しの具沢山おやきっ！ ちょっとピリッとしてて、食欲が溢れ出るぅう！ うんまっ！ いちひめねーさんうまいっすねこの……パ……、おやき、……パ……？ いやまあいっか！ 美味ければ！」
「あ、こちら、旅のお供に最適、『長期保存用の美味しいシュトーレン』です。フルーツたっぷりで美味しいのです！ 通常の物よりも長持ちもっちもち！……するように従業員の魔ほ……特別な技術で作り上げました。そのほか、魔ほ……特別な技術で保護された『バラエティ旅人セット』、こちらもおすすめです。色んな種類のパンが保存方法や消費期限を気にせずに楽しめますよ。ただし最大半年までです！」
「あ、はい、じゃあ、こっちもいただきます。ちゃんと普通のパン……普通の？ ええと、パンっすね……？ これ、パン屋さんに向かって言う言葉で合ってるのかな……？ ていうか、普通さが見当たらない……」
「まあ！ 私は７人の従業員と日夜頑張っている
『普通のイケてるパン屋さん』
ですよ！ ハイホー！」
「ハイホー……？ その掛け声、どこかで聞いたことがあるような……？」
「お品物はどうしましょう。量も多くなりそうですし、配達も承っておりますよ」
「お願いします！ おやきは今貰って行くっす。きっとみんな喜ぶし、日本を思い出すし……」
「あら……。こちら、開店の時に配っていた粗品のタオルです。お使いくださいな」
「べ、別に、泣いてないっすよ！？ でも、ありがとうございます……。あ、これ、粗品タオルって日本っぽい……」
「あらあらまあまあ」
「こんなんじゃ、みんなに笑われるな……。泣いてたことは……内緒にしてくださいっす！ いちひめねーさんのパンを食べて、元気にがんばるっす！！」
「私も、美味しいパンを作ります！ ハイホー！」
「ハイホー！！」
ｅｎｄ
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泣き虫男子高校生：
種：人間（平行世界：地球（日本国）産。オス。年齢：１７）
称号：
猫舌（軽度）
多重異世界トリッパー（帰還可？）
箸マスター
男子高校生
泣き虫高校生（返上）
勇者（魔王討伐：済 大魔王討伐：？）
餃子大使
味つき玉子好き（軽度）
おいしい名物探究者（模索中）
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蛇足）
未だにお家に帰れていない、異世界トリッパー男子高校生。長く帰れなさ過ぎて日本ぽいものを見ると涙ぐむように……不憫。パーティーメンバーのJKたちにはからかわれている。そんなときは魔王社長が、めっ！ってする係。
