メンマ王様と私
名前 :
基本スペック : 黒髪黒目、マストラ(黒国)人、性別メス。(他非公開)
称号 : パン屋『いちひめ』店主(屋台)
異世界放浪者(自動)
不思議パン製作者(自動)
黒国第1王女(元)
料理人(研究者)
薬師( マスター級)
錬金術( イケてる)
素敵なラーメン屋さんの弟子(のれん分け許可)
恋するお姫様(遠恋中)
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私、イケてるパン屋さん
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「パンパン、パパーン、パンパパーン♪ 私、イケてるパン職人ー♪」
「……いちひめ殿、いちひめ殿、こそっと、こちらへ来てはくれまいか。ああ、移動販売用の車も、ちょっとその木陰に隠してくれ」
「あら、メンマ王様お久しぶりです! 戦争終結おめでとうございます。……それにしても、なぜこそこそなさっているんです? そのように壁に隠れて……。それと、私の名前は『いちひめ』でありません。何故店の名前が私の名前だと思われているんでしょう……?」
「それはこっちの台詞であるぞ。メンマは好きだが、それも余の名前ではないのだ……。うむ……まあ、よいか。実は余に男色のけがあるという噂が立ってな……。見合いの釣書を抱えた大臣に追い回されているのよ。つらい……」
「あらら……。めそめそと泣いて……。それはさぞ……ええと、お疲れでしょう……で、いいのかしら? お腹がすいてらっしゃるなら、パン食べます?」
「実は、朝から逃げ回っておって、空腹でな……。いちひめ殿のパンはあのラーメン屋の様に、体力も回復してくれるからな、是非ともいただきたい。それにしても、……ラーメン屋のお弟子殿がまさかパン屋になるとはな。思いもよらなんだぞ」
「……どうしても、どうしても! 師匠のようなラーメンを作ることは、ついに出来なかったんです……。私は落ちこぼれラーメン弟子!! ……ですが、師匠が『パン、イケてるじゃねーか!』とおっしゃってくださったので、お恥ずかしながらパン屋として再出発をすることになったんです。以前の職場の仲間7人も以前の工場を閉めて、パンの工房で働いてくれてます! それと、いちひめは私の名前ではありません」
「そうか……。今が幸せならば、それも運命だったのだろうな。……さて、おすすめのパンはあるかな?」
「はいっ! メンマ王様にお会いしましたら、おすすめしようと思っていたものがあるんです! こちらです! 『チャーハンバーガー(メンマチャーシュー入り)』です!」
「おぉ……!これは……チャーハンが丸く成形されパンのかわりに……!? それに、間に挟んであるのは、メンマのチャーシュー、そして、レタスっ!! ……って、いきなりパンじゃないものを渡された、だとっ!?」
「普通のパンもありますけれど、どうしても師匠との思い出を形にしたくて……。一番初めにメンマ王様に食べていただきたかったんです」
「いちひめ殿……! それと、メンマ王は余の名前ではないぞ」
「いかがです?」
「うむ、これは……うーまーいーぞーーー!! しっかりとチャーハンの味が口の中に広がるっ! メンマの歯ごたえもよい。メンマもチャーシューも細かくなっているので食いちぎれずにばらばらになるということもない……。いちひめ殿、素晴らしいパ……パン? ええと、食物だ」
「ありがとうございます! これでメニューに加えられます! あ、こちら、お疲れな方におすすめの、キャラメルくるみデニッシュです。どうぞ、後でつらくなったら食べてくださいね」
「……まともなパンだ……」
「まあ! 失礼な! 私は師匠にも認められた
『イケてるパン屋さん』
です!
大量購入のご相談も承っております。うちの7人の従業員と一緒に頑張ります。ハイホー!」
「美味いんだ。美味いし、効能も素晴らしいんだ。だが、何故チャーハン……」
end
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メンマ好き王様:
種:人間(平行世界:レプレス(オプティカ国)産。オス。年齢:30)
称号:
オプティカ国王(14代目)
無類のメンマ好き(重度)
箸の伝道者(師範)
戦場の英雄
精霊(青)の加護者
ネギ嫌い(重度)
デニッシュ好き(甘さ重視)
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蛇足)
再就職したお姫様は、7人の仲間たちと移動販売式のパン屋さんを始めます。
師匠から『いちひめ』という屋号をつけてもらい、改造バンでパンを売り歩く……。
口調も普通の娘さんを意識して、接客頑張っています。