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事件
その場にいた全員が言葉を失った。
お腹にポッカリ穴があいていたのだ。
しかもただの穴ではない。
普通なら“あるはずの”物がなかった。
腸やお腹にある臓器類がすべてないのだ。
中身がすべてない体には血痕1つなく、綺麗に拭きとられていた。
この事件がすべての始まりだった。
「ふふっ。見つかっちゃったね。」
10代ぐらいのツインテールをした少女が可愛らしく微笑んだ。
「あぁ、さぁ仕事はまだあるぞ、すべての“パーツ”を集めにいくぞ」
同じく10代ぐらいの少年が少女に向かって優しく言った。
「はぁーい。」
少年は近くに止まってある黒い車に乗り込んだ。
ツインテールの少女は車に乗り込む前に少女の遺体を遠くから見つめ、
「バカな女ね。可哀相に」
冷たく言い放ち車に乗り込んだ。
この事件は全国でニュースに流れた。
警察は頭を抱えていた。
目撃者はランニング中に発見した夫婦。
それしか出てこないのだ。
聞き込みをするにも、発見されたのは町外れの林の中だ。
何も発展せず困難は続いていた。