小さな救世主
「ロックハザード」
その言葉と共に大きな岩がオーガに向けて放たれた。
「逃げるぞ」
オーガの目に直撃したのだろう。オーガは目を抑え立ち竦む。
勇たちは小さい「救世主」とともに洞窟を後にした。
なんて馬鹿な事をしたんだろう。そんな思いで地面に倒れこんだ。
「お前、なんでこんな場所に来ようて思ったんだ?」
「別に理由は無いよ、しかも僕の名は勇だ。てかこんな小ちゃい子まで参加させられるのか・・・・・・」
「小ちゃい子じゃない、三葉だ。これでも高校一年生なんだぞ」
「はいはい」と相槌をうちらながら勇は日の光に目を細めた。
「ところでお前、生存率何%だ?」
「・・・・・・1%だけど」
「いっぱぁぁ?」
「そういう君は何%なの?」
勇の生存率を聞いたところから元気が出たのか三葉は堂々と胸を張った。
「3%だ!」
10%以下の生存率。まさかこいつが情報屋の言ってた三人のうちの一人か。
「もし良かったら、僕と組んでくれないか?」
三葉は考える素振りも見せず、しかめっ面をした。
「はぁ? なんでこんな弱い奴と組まなきゃならないんだ」
「よわい!?」
「ああ、そうだ。あんな奴も倒せないザコとは組めねぇよ」
その言葉が深く胸に刺さる。
「そうだ、僕は弱い・・・・・・。だから強い奴と一緒にチームを組まなければ魔王なんて倒せない」
その表情で三葉は沈黙した。
しかし、すぐに沈黙は解かれ真面目な顔で話す。
「二つ目の街に決闘場がある。勝負して勝った方の言うことを聞く、それでいいか?」
三葉の強さは大体わかる。多分僕の2倍はは強いだろう。
「わかった」
だけど、やる。それが僕のできる最大の努力だから。
「勝負は1・・・・・・いや、3日後でいい。それまでに技に磨きをかけるなり、なんなりするがいい」
「いや、1日後でいいよ。早く帰らなきゃいけないし」
「そう焦るな。こちらでの1日はあっちで約の3時間だ。それに1日でどうこうできる強さじゃないだろ」
反論できない。
「そういうわけだ。3日後に闘技場の前で・・・・・・時間は昼の12時だ。遅れるなよ?」
「わかった」
言葉を交わし二人は別れた。