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入学式

誰だっ!?


『思い出せないのは、そんなに大した事ではないのだ。大事な事ほど忘れないもんだしね』


なんて言った奴はっ!?


はい。私ですね。すいません。


だってさ、だってさ誰がここが乙女ゲームの世界だと思うっ!?

私は現実主義者だっ!ボケーッ!!


そんな葛藤、虚しく時は過ぎていく。

………女子トイレで。








そう遡るは数分前、私がまだ立ち上がれず、便座に座ったままの状態であった。


先程まで戦っていた私に、新たな敵が出現しました。


人気のない女子トイレ。

そこを利用しに来た女子生徒。

私は裏工作済みの個室にて待機。

敵前逃亡出来るわけがない。


そんな私に気付かずに、敵は個室を利用することなく独り言を言い始めた。


何この子、恐い。

つーか排泄以外でトイレに来るなよ。


最初はそう思っていました。


彼女の独り言の内容を理解するまで…………


「やっぱり『ドキ学』最高っ!入学式イベントスチルの新入生代表挨拶してた雅樹(マサキ)はインテリな感じで格好良かったなぁ。(タツミ)さんも鬼畜系の大人な魅力があったし、校長だもん。きっと、お金持ちよね。担任の(イツキ)先生は優しそうだけど確か、腹黒なのよね。そこもポイント高いわ。きゃーっ!もう今日は他のキャラとは会えないのよね。うーん、ステータス次第か~ゲームと違ってステータスが見れないのがなぁ。でも好感度選択肢は完璧だもん。大丈夫よね!」


何か頭が可笑しい奴来たーっ!!


姿は見えないけど、同じ新入生だよね?たぶん……


しかしテンション高いな子だな。オバチャンはついていけないよ。入学式でキャピキャピ出来る時期は既に終わってますよ。


んっ?待てよ。

さっき『ドキ学』って言わなかったかい?

何だっけ?聞いた時があるような、ないような。

それに『キャラ』やら『ステータス』に『スチル』だと?

まんま『ゲーム』やんけ。


えっ、何この子。ゲーム中毒者ですか?

二次元と三次元の区別がつかない危ない子ですか?

ここは現実ですよー。トイレですよー。帰って来ーい。


「だって私はヒロインだし、神様に愛されてるもん。神様も私の為にこの世界を用意してくれたんだしね。逆ハールートになるのは当たり前よね。私の世界なんだもの。でもトリップより転生のが良かったかなぁ~次はそうして貰おうっと!姫歌(ヒメカ)のお願いなら神様は何でも叶えてくれるもんね」


うっわぁー

ないわ。

ない。


はっきり言って。キ、モ、イッ。

まだ、居るんだね。こんな子。

オバチャン、友達は欲しいけど、この子は嫌だわ。生理的に無理。受け付けません。


それより『ヒロイン』『神様』『逆ハー』『ルート』『トリップ』『転生』。

これって、あの定番中の定番ですよね?

マジで現実にあんの、そんなの?


いや、私も前世持ちですけどね。


この子も私と同類ですか。

でもトリップだから正確には違うのかな?

私は転生とも違うしな。

あくまで前世の記憶があるだけで、私は桜木可世ですよ。オバチャン時代の記憶は他人の記憶です。

だからオバチャンの知識はあっても感情は共有されてません。

簡単な話、精神年齢が老けただけです。

桜木可世であることには代わりありません。

私は生まれた時から桜木可世です。


「入学式も終わったし、イベントもないし、帰~えろ。にしてもこのトイレ臭いわね。やだっ、制服が臭くなっちゃう!こんなとこ、人が居ないからって入らなきゃ良かった。乙女ゲームのヒロインが臭いなんて駄目よ!帰ったら洗わないとっ」


バタンッ

タッタッタッタッ


自称ヒロインは嵐の様に去っていった。

私に疑問を残して。


そして、自称ヒロインよ。スマン。

臭いの原因は私だ。

生理現象には逆らえないのだ。

父に言って各トイレに消臭剤と消臭スプレーを設置して貰うから許してくれ。


自称ヒロインがやっとこ居なくなったので、私は戦いの成果を文字通り水に流し、臭い個室から離脱した。


そして手を洗いながら、自称ヒロインの独り言を脳内でまとめてみる。


…………………………………………


そして上記に戻る。


まとめます。

・ここは乙女ゲーム『ドキ学』の世界。

・神様にトリップされた姫歌。

・姫歌=ヒロイン。

・逆ハー狙い。


…………………………………………


オイオイ、マジかよ。

乙女ゲームの夢小説ネタかいな。


宝林(ホウリン)学校』って『ドキ学』の舞台だったわ。

いや、マジでありえないから。

だから違和感があったのね。

今頃気付きましたよ。


でも、仕方がない。

前世の記憶の乙女ゲーム知識など余り覚えていないのよ。

当たり前でしょう。

何十年前の記憶だよ。

オバチャンが中学時代にやったゲームだよ。

攻略対象の名前さえ思い出せない程です。


そう言えば、自称ヒロイン曰く、担任の先生も攻略対象だったよね。ならオバチャンが初めて攻略したのもその先生だわ。

先生と生徒なんて現実では無理。だからこそゲームでは非現実モードを楽しんでいた、気がする。

そんな初攻略対象の名前、顔さえ忘れていた私です。

今現在も思い出せません。


他にも攻略対象はいたがクリアしたのは先生を含め三人だったかな?好みのタイプ以外は眼中にない派でしたからね。勿論、その人達の名前や顔さえ先生同様に忘れてます。


だから自称ヒロインが言っていた逆ハールートなんか知らんがな。


オバチャンが小学生の時にやっていた『ドキ学』ならまだ思い出せるのにっ!!

何故、中学時代の『ドキ学』の記憶が皆無なんだっ!


そう、『ドキ学』は二つある。

そもそも『ドキ学』の大元は男性用の恋愛シミュレーションゲームであり、それが発売された数年後に『ドキドキ青春学園~ガールズside~』が発売されたのである。

ここで注目するのは『~ガールズside~』。

初代乙女ゲームが誕生した瞬間であった。


オバチャンはガチで、乙女ゲームよりギャルゲーのが好きだったのが災いしました。

ギャルゲーなら全クリアしてるのに、乙女ゲームは穴あきスチルに攻略者三人って、しかもそれ以降やらずに売った乙女ゲーム…………


私の前世のオバチャンよ。

性別間違えてるよ。

オッサンだよ。


……………………香織ちゃん(ギャルゲーヒロイン)可愛かったな。いや、千代も三奈も律子も沙羅もマリアも雫もまどかも全ヒロインは私の嫁だっ!甲乙なぞつけられん。美少女達はみんな私のものだっ!!


そんな乙女ゲームの世界と分かっても、活用されない前世の知識。

何でギャルゲーの世界でないんだっ!

私のウハウハパラダイスがっ!!


乙女ゲーの世界。

うん。私、関係ないわ。


自称ヒロインが逆ハー狙っても、私には関係ない。

だって、乙女ゲームの攻略対象なんて美形しかいないのが定番。

私は凡人。

出会いは皆無。

縁なし。


自分で言ってちょっと悲しい気分になるが、それが現実だ。

が、自称ヒロインの友達だけでも御近づきなれないかな。

きっと美少女だ。美少女オンリーだった記憶だけが明確に存在している。


こうしてはおれんっ!!

美少女達と戯れる為、一刻も早く調査しなければ!


父に聞けば一発だっ。

いや、これほど父の権力に感謝したことはない。

ありがとう。父。

ありがとう。権力。

ありがとう。オバチャンだった私。


これで友達が出来るかも!

何しろヒロインの友達ポジションの子は容姿、性格二重丸と、相場は決まっている。


これで念願だった、友達もGETだぜっ!









こうして私の高校生活の幕はあがった。




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