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君の名は?

第47回「今日の一冊」にて「父に愛され過ぎて困る」が紹 介されました。嬉しいです。

一日の授業も終わり、いつもの日課である放課後ガールズウォッチングに勤しもうと図書館へ向かう途中、何やら騒がしい教室があった。


何だ?防音だから教室の音がもれるなんて珍しい。あ、後ろのドアが少し開いてるや。

しかしいいね。きっとうちのクラスみたいにノリの悪い静かな居酒屋風でなく、和気藹々な校外学習の話で盛り上がってるんだろ?

いいなぁ~これが普通の学生だよね。


怨めしそうにその教室を見てたら花道Aが慌ててそのクラスにドアノックなし侵入して行った。ちなみにドアはしっかりと閉まっている。

それっていいのか?花道Aよ。たぶんそのクラスまだホームルーム中だよ。

そして花道B 、C 、D、 E………X、Y、Z、あっ足りない。どんだけ居やがる花道!花道なんぞ作らんでAを止めろや!!


まぁ、そんなことより図書館♪図書館♪

今日はどんなおんにゃの子達がいるのかしらん♪


弾む足取りを残った理性で制御しながら早足で図書館へと向かう私はこの時まさか運命の出会いがあるとは思いもよらなかった。


・・・・・・・・なぁーんて、あったらいいなぁ。


はい、いつも通り。いつも通り御手洗いを終えてからの図書館で定位置に座り読まない本を開いて窓から見える下校風景を観察しております。

ただいつもと違うことがある。

何だかわかるかい?

ノンノン。確かにいつもトイレで事件は起きてるよ。ただ今日は違います~ちなみにトイレ後の臭い対策は万全です。服を叩きまくった私は半径30センチのフローラルな香り+フルティー消臭スプレーで私は恋するロマンティックな乙女な消臭剤の香りを身に纏ったかのように変貌しました。

って、そんな乙女事情は脇に置いといて、いつもの定位置の席はがら空き、と言うか四人テーブル席を一人で占拠していましたが今日は違った!

な、なんと見知らぬ男子生徒がおりまする。


えがったー!!誰も座らんから曰く付きの席かと戦々恐々してたけどそんなことなかったー!


えっ、勿論いつもの席に座りましたよ。

人が居たからどうした。相席上等。この席が一番の観覧席なんだい。そんなことで私のガールズウォッチングの情熱は止まらないし、やめられない!


しかしこの男子生徒も私をチラチラと見てきやがりますがな。

ふっ、美形だからって誰もが声をかけると思うなよ!


「何か?」


はい、嘘です。

だって、いい加減に私だってチラチラ見られる理由が知りたいのだよ。

さすがの私だってもう現実を見るさ……

幽霊なんかじゃないだろ?お願いだからそれだけは否定してくれ!


「えっ!えっと、あの、その……これ、何ですが……」


慌てながら懐から出されたのパスケース入りの御守り。

神社で見る御守りデスネ。見間違いなく御・守・り!

何故にそれを私に見せた!?私、全力で否定したよね!?しかも何ですか!?その厳重さっ!!袋型の御守りをさらにパスケースに入れるなんてどんだけなの!えっ、それ呪いのアイテムと化してるの!?めっちゃ目の前の美形の指先震がえてるんですけどー!震える程恐いなら出すな!私のが震えてるわ!!


「これ、桜木さんのだよn、ですよね?」


何故、お主が、初対面の私の名と持ち物が分かるのかね?そして断じて私は呪いのアイテムの持ち主ではない。あと無理して敬語に言い直さんでもいいよ。


「あの、妹が、御守りに桜木さんの名前があって、それで泣いて、夜に貰って……」


スマン。支離滅裂過ぎてわからん。

誰か~誰か通訳の出来る方は居りませんか~?もしくは霊媒師の方~?出来れば女子希望で。


「ごめん、ちょっと、自分でも何言ってるのか……」


耳を赤くしてガックリと顔を両手で隠して項垂れる美形男子。

大丈夫か?憑依されてないよな?やめてくれよ?顔を上げたら奇声をあげながら笑い出すとか、やめてくれよ。


そもそもいくら御守りに私の名前があっても私のとは限らんよ。名字は普通に市販の印鑑があるくらいだし、名前の漢字は珍しいかもしれんけど日本中を探せば居るよね。しかもこの御守りの神社って日本人なら誰でも知ってるレベルだしな。


「同姓同名ですが私のではないよ」


うん。私は御守り類は呪われない様にきちんと年末に神社に持っていって御焚きあげして貰ってるからな。


「でも、セーラ、妹が貰ったって……」


えっ何?妹さんのなの?妹の強奪したんかーい。返してあげなさいよ。いや、呪いのアイテムなら早く浄霊してあげなよ。ちなみに呪われたの妹の方ですか?


「ならそれは妹さんのでしょ」


もう妹ごと浄霊してきなよ。それがいいよ。


「妹は僕にって…」


妹が兄を呪った、だとっ!?

兄妹仲悪いの?ドロドロの家庭事情なの?いや、呪いのアイテムと知らずに渡したのかな?そうだよね。知らなければ、ただ御守りを兄に贈った優しい妹だよ。そうであってくれー!!


「じゃあそれは貴方の物だよね」


もう兄妹二人で仲良くお祓いに行って下さい。


「………いいん、ですか?」


呪いのアイテムの持ち主と同姓同名だからって私に許可をとらんでくれ。


「どうぞ」


勝手にしてくれや~

悪いが、私、関係ない。


「あっありがとう、ございます」


お礼はいいから、せっかくの機会だ!私とガールズウォッチングしようぜ♪

君も好きだろ?この席はまさに穴場の絶景ポイントだからな。ここの席を選んだ君はなかなか見所があるよ。

ほほう今日はまたキャッキャッうふふと…………………


「て、あれ?」


居ないやーん!!!!!

同士よ!お主は何処へ行った!?

つーか同士よ。名くらい名のってから去れよ。

妹のセーラ?ちゃんの名前を発言するなら紹介状くらい置いていけー!

美形の妹は美少女と相場は決まってるんだからなー!!




可世さん聖愛ちゃんに御守りを渡した?のを忘れてます。ただ聖愛ちゃんを見れば思い出すはずです。

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