ようやく気付きました
更新が遅くなり申し訳ありません。
どら焼き擬きもプチレアチーズも好評で終わりましたよ。ごく一部は号泣していたがそれはそれ、青春の1ページにはなったのなら結果オーライさっ☆
まぁ途中、担任の乱入があったが………
あんた、ホームルーム前の職員会議はどうした?そしてホームルームに何故か担任ではなく副担任が来たが、担任どうしたっ!?
謎だ。迷宮入りの謎だが、背後に父の影が見えるのは自意識過剰なのか。
解明したくない謎をスルーしながらホームルームも授業も通常通り行われましたよ。
クラスメイトの誰もが担任のその後に突っ込まない現状に、担任の不憫さが際立った一時だった……
昼休みになりお待ちかねランチタイムなのですが私だけ理事長室で父と二人、たまに校長との三人でのお食事です。
公私混同は駄目だと私は思います。しかし誰も突っ込まない!担任の事といい、この学校内全員が高レベルのスルースキル持ちなのはどうしてかしら?ボケ担当にはこの進学校は辛いぜ。
「じゃあ行って来るね」
名残惜しいが馨子さんと紗智ちゃんに一時の別れを告げます。
「行ってらっしゃいませ」
「また」
今生の別れとは言わないが内心それに近い。
毎回お昼休みの度にこの二人の笑顔と離れなければいけないとは………
二人がキャッキャッと間接チューでお互いの食べ物を食べさせあったりしながら会話に花を咲かせる妄想にとりつかれた私は毎回心の中でハンカチをキーッと噛み締めながら涙する。
私も、混ぜてぇー!!!!!
しかし校内放送が私の名をを繰り返し呼ぶだろう。
そして父の捨て犬のような瞳には逆らえないんだ、きっと。
そんな未来しか見えない。
二人に手を振り教室を出て理事長室へと向かうが、途中にトイレに寄らないとな。
父は昼休みにギリギリまで拘束するので、そうしないと私のトイレタイムがないのだよ。
昼休みにだからか廊下は生徒達が沢山いるが私には関係ナッシング。
リアルモーゼですよ。
私が歩くと廊下の道が開く。
壁際まで背をピトリとつけて端による。手を繋いで歩くバカップルでさえ、互いに名残を残さずパッと手を離して両端に寄る。
私は病原体かっ!!!
インフルエンザウイルスもノロウイルスも保持してないわっ!
もう本当に嫌だ。
だから教室から出るのは嫌なんだよ。
幽霊憑きから病原体へとレベルアップなのかダウンなのかもう分からんよ。
しかし今日はやけに人が多くね?
この廊下の先には理事長室がデンッとあるだけで普段は生徒を見掛けないし、こんなにガヤガヤしてないのよ。
別に歩くのに邪魔にはならんが花道みたいになっとるがな。
どうした?
「だから?それこそ貴女には関係ないわね」
「ひ、姫歌はただ仲良くしたいだけなのに」
えっ、なに、なに?
修羅場?修羅場ですか?
だから今日は人が多いのか。野次馬ですね。
んっ、つかあれってプリンちゃん?
「分からない子ね。それが迷惑なのよ」
「な、なんでぇ?だって剛h」
「名前で呼ばないで。皐月さんとお呼び」
オネェだ。
プリンちゃんの前に居るのオネェだ。
TVの中の人以外で初めてのオネェ遭遇が学校で、しかも生徒かいなぁ。
テンプレ通り、オネェの本名は雄々しい。
こりゃ外見も厳ついのかね?後ろ姿を見る限りじゃ細身だが身長は高いしね。
「皐月はなんd」
「さん、もしくは先輩、会長。敬称くらいつけなさいよ、小娘」
オネェ厳しい!厳しいよ、オネェ!!
つか先輩!?しかも会長って生徒会長!?
えっ、今の生徒会長って二年生だよね。
二年でこの身長。
オネェなのにオネェなのにぃ!!まだ成長期が終わらないとか不憫過ぎる。
そしてプリンよ、お前先輩に呼び捨てって。
私は頼まれても、懇願されても、土下座されても目上には呼び捨てにしなかったぞ……………あ、あれっ?私ってプリンちゃんとは違う意味で酷い、のか?
「………皐月、さん……はなんで姫歌と仲良くなってくれないの?」
「仲良くなりたくないからよ」
バッサリ簡潔に言った!
す、スゲー。さすがオネェ。
「ど、どうしてよ!?」
「貴女、タイプじゃないの。それに仲良くりたい子なら……!!っ……天使さ……ま………」
オネェが振り返った。
周囲と同様に野次馬根性で立ち止まってガンミしてたから視線がバッチリ合いました。
……………うん。オネェ美形だね。青髭の厳ついオネェでもなければ中性的なオネェでもない。
普通?の美男子。
なんかガッカリだよ。
しかも好みのタイプが天使か。
わたしだってざんざん馨子さんや紗智ちゃんを天使呼びしてるけど一般的な天使だって知ってるよ。
天使=翼の生えた幼児だろ。
しかもオネェの天使なら性別は男。
会長、頼むから犯罪には手を出さないでくれよ。
んなことよりトイレだ、トイレ。他人のことよりトイレのが大事。
立ち止まってガンミして野次馬仲間に入ってましたが会長、ついでにプリンちゃんに会釈してさっさか通り過ぎますよ。
…………はい、二人とも無反応でした。無視ですか?無視。
挨拶は基本だろぉが!にこやかに挨拶しろとまでは言わん。会釈したんだから返すぐらいはしろやっ!!ちなみに会釈の角度は15度だからな。
そんな社会人礼儀作法蘊蓄を思い浮かべなければ膀胱が破裂してしまう位に尿意信号が点滅しております。
面白がって野次馬に成ってるどころじゃねぇーよ、自分!
女子トイレに駆け込みたい気持ちをグッと堪えて競歩なみのスピードで歩きましたよ。
女子トイレの個室のドアを荒々しく開けて暖かい便座に座ると、さっきまでの憤りと焦りが霧散した。
便器よ、君だけが私の心と体を受け入れてくれる。
……………………んっんう?
何故かデジャップ的な懐かしい感じがする。
なんだ?んー思い出せん。
まぁ、思い出せないのはそんなに大した事ではないのd……………!!!!!
「プリンちゃんがトイレの自称ヒロインかっ!!!」
可世は自称トリップ乙女ゲームヒロイン=プリンちゃんだとようやく気付きました。