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ラブラブクッキング

桃源郷(マラソン)を制覇した私は只今台所で父と娘の簡単?クッキングをしています。


父は私セレクト黒のギャルソンエプロン、私は父セレクト白のメイドエプロンヘッドドレス付きです。

ヘッドドレス付きになるのだったら、私も父にモノクルをオプション追加したのに………


そんな後悔しつつ、今日のレシピは簡単お手軽定番クッキー。


用意する物。

・薄力粉

・バター

・グラニュー糖

・卵

・バニラエッセンス

紅茶(アールグレイ)


「まずは必要な分量だけ量るよ」

「はい!先生!」


ラッジャーです!

デジタル量りは楽だからね。これくらい簡単さ。

ボールを量りに乗せて0にして後は入れるだけ。


えっ、一人で作らないのかって?

ふっふっふ、愚問だな。

お菓子なんてオバチャンだった時に目分量でホットケーキしか作ったことない私に出来るわけねぇだろ。


そもそも私は手作りお菓子をあげるなんて一言も言ってない。菓子は菓子でも私は市販駄菓子をあげるつもりだったんだ。


なのに、何だあの否定の言葉を飲みこざるをえない期待の眼差しは!

駄菓子と言えないあの雰囲気は!

しかもクラス男子も女子も運動部をおさえて上位入賞とか可笑しいから!

なして文芸部なんだよ。運動部特に陸上部に謝れよ!

優越感より罪悪感のがハンパねぇーよ。


「先生……可世の先生……いいっ!今から教職に就くのも……やっぱり成るなら担任がいいし…………今の担任には辞めt」

「お父さん!おとんっ、あっいやパパ、パパン!量れた、量れたから!」


かえってこい!そして担任を辞めさせないで!

何より父に教職は無理だから。


「そうだね。先生よりパパだね」

「お父さん、次は?」

「あれ、パパは?」

「……………次、は?」

「!Σ( ̄□ ̄;)」


お父さんとさえ呼ばなかったら父がショックを受けた顔をしたが美形のショック顔はコントにならずに庇護欲を掻き立てる。


「お父さん、次は何すればいいの?」

「次はね、バターを白くなるまで混ぜるんだよ(*´∀`)」


あざとい、だが可愛い。

可愛いぞっ、父!

娘の一言に一喜一憂する父はあざと可愛い。


常温にバターを泡立て器で混ぜようとしたが泡立て器にバターがくっつき離れない。

これ混ざるのか?つーかバターって黄色なのに混ぜたからって白になるのか?


泡立て器に刺さったバターを持ち上げて、どうするよ?と動作で問いかけるもパッシャっと一眼レフカメラを構えた父が写真撮影していた。


バターも父もどうすればいいんだ。

初っぱなからこれでクッキーははたして作れるのか?


父は写真撮影満足したのか私からボールと泡立て器を取りなんなく混ぜた!しかも超高速で!泡立て器と混ぜる手が残像を残してるよ!


それを父の一眼レフカメラで高速連写で撮影する私、血は争えない。


「だいたいマヨネーズくらいまで混ぜたらグラニュー糖を入れるよ」

「はいよ」


ドサッ


グラニュー糖投入。


「……………可世?」

「ん?」

「グラニュー糖は少しずつなんだけど」

「???全部入れないの?」

「入れるけどね。一気には、入れないね」

「!Σ( ̄□ ̄;)ど、どうしよう!!」

「(ショック顔な可世も可愛いなぁ)」


血は争えない。


「で卵、バニラエッセンスを入れるよ。そしたら薄力粉をふr」


カンカン、パカッ。

卵投入。


ブンブンブンブンブンブン。

バニラエッセンス投入。


ドサッ

薄力粉投入。


「可世さん?」

「ん?(何故にさん呼び?)」

「………………(可愛いからいいか)」


本来であれば卵は卵黄のみ、バニラエッセンスは少々、薄力粉は振るって入れるのだが、可世は最初に言ったようにお菓子と言うかオヤツの目分量ホットケーキしか作ったことしかない。


紅茶(アールグレイ)を入れて、ひとまとめにしたら空気抜きに叩きつけたら寝かせます」


全力投球で叩きつかせようとしたら、あら不思議。手から消えて父がキャッチ。

私が投げると魔球になる不思議現象。

どうせならドッチボールで力を発揮したかった。


父がキャッチした生地を数度テーブルに叩きつけたらボールへ入れてラップして冷蔵庫へ入れ、その後は生地を柔らかく捏ねて型抜きして、いざオーブンへ。


焼きたて手作りクッキーのいい匂い。

紅茶もいいアクセントになってます。


まぁ、いくつかは割れていたがね。

見た目より味で勝負しますよ。



いざっ、実食!!


舌触りがボソボソ、ジャリとした砂糖、生焼けな生地。

美味しくない。

食べれないほど不味くはないが美味しくないよっ!

匂いだけで味も見た目も駄目駄目だよ!!


「予熱した?」

「予熱?」


オバチャンだった時もオーブントースターと電子レンジしか使ったことしかありませんが。予熱とはなんぞや?


「………………」

「………………」


無言真顔でお互いを見合う私達。

先に沈黙を破ったのは私だ。


「お父さん、スーパーに行こう」

「?材料ならあるよ」


立ち上がりフリフリエプロンを脱ぎ、ヘッドドレスを取り頭を振るう。


ふっ、材料?

クッキーの材料ならね。

いや、それどころかお菓子になる材料なら冷蔵庫や保管庫に多彩に揃えられてるらしいよ。

でもね、父。

それでも私が求めている品はここにはないのだよ。











「ホットケーキミックス買ってくる」




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