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だから俺の人生は間違っていない  作者: 満月
最近の学生は
2/2

chapter2

てなわけで新年度、二年生だ。

我が斉賀高校に赴いた俺である。


別に二年生になったからといって何かが変わるわけでもない。強いていうならクラス替え。

まぁこれも俺には関係ない。

よくある『今年も同じクラスか、宜しくな』とか言い合う友達もいない。と言うかいらない。


別に同じクラスじゃなくても良いだろ、と思うが彼ら学生はそうはいかない。

同じクラスでない奴はわざわざ他クラスにまで足を運ばなければいけないと言うことに加え、新たなクラスで新たな関係が構築されると、同じクラスでない奴は完璧によそ者扱いとなるのだ。


そもそもクラスと言うひとつの大きな建物に余所者が入ってきたらどんな反応が待ってるかなんて言うまでもないだろう。


つまり、彼らにとってはクラス替えとは友達を失うか否かの分か道なのだ。

正しく、『クラスの切れ目は縁の切れ目』である。


けれど、たかがクラスが変わっただけで変わる関係を、果たして友達と言えるのだろうか。

俺は言えないと思う。


まぁ、要はそんな意図も簡単に崩れる関係性を俺はつくりたくないのだ。


断っておくが、俺は食わず嫌いのように実際によくもわからない物を嫌悪しているわけではない。

実体験から語っているのだ。


小学三年の時、今までクラスメイトだった奴が他クラスになったとたん急に会話が少なくなり、最終的には話さなくなった。止めに言われた『あいつ誰だっけ?』の一言はいい思い出。


思い返せば嫌な思いでばかりだ。恥ずかしい思いでもたくさんある。

耳にBB弾入れて抜けなくなって耳鼻科に行ったこととか、俺だけブレザーじゃなくワイシャツ+紺の短パンだった卒業式、気がついたらなくなっていた筆箱。


思い返す度に泣けてくる。


けれど俺は過去の自分を否定しない。過去が有るから今がある。つまりは俺がこんな風になれたのも今までの人生のお陰なのだ。

有り難う、俺の人生。


だからこそ、そんな人生経験豊富な俺だから(決してイヤらしい意味はない)友達作りには反対なのだ。あくまでも『俺は』だ。他者の意見や行動を否定するつもりは更々ない。俺個人は友達を作りたくないだけ。

・・・なのになぜ頷いてしまったのか。昨日の俺だけ否定したい。


まぁいいや、こうなったら適当にやって『すまん無理だった』といって終わらせよう。

努力だけでも評価は貰えるだろ。

小学生とかそうだったろ?



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

新しいクラスはなんというかもう豪華だった。

何これ?ハリウッド映画製作現場?ユニバーサルがスタジオな場所ですか?


冗談は置いておき、いやはやホントにすごいクラスだった。


何がすごいか、キャスティングだ。

去年様々なイベントで目立った御仁たちがそこにはいた。


球技大会で女子からの熱視線と男子からの多くの信頼を得た(はやし) 康煕(こうき)や、野球部のエースの谷川(たにかわ) 峻埜(しゅんや)、女子は去年のミスコン(水着じゃないよ)で二位に輝いた国立(くにたち) (はるか)とかまぁ色々。


そして今年この学校に来た美人さん山下(やました) (はな)。3月に入ってきてから既にこの学校の男どもを魅了している存在だ。


もうなんかアカデミーな賞でも取ってくださいと言わんばかりの面子だ。


こんな中で友達を作るという俺の任務はどうやら無理そうだ。

一ミリも目立たないであろう俺にどうしろと。

てか早速奴等を中心にコミュニティが作られてるし・・・。

どのみち入るところねぇじゃん。


まぁその方が都合が良いんだけどね。


早速自分の席に座る。


最初のうちは名前順=席順だ。この制度は大変素晴らしくない。 さっさと組みたいやつ同士で固まれば良いのだ。そうでないと前後間で友達をつくろうとして話しかける奴が出てくるのだ。その矛先が俺に来ないとは言えない。

するとさて面倒だ、なにか話さないといけないのだから。


さて、そんな俺の隣は誰なのか。

そう思って隣を見ると


壁だった。


つまり端っこ。

味ッ子ではない


そして反対側は誰もいない。


結論からいうと一番後ろの一番端。唯一の利点は教室入って一番席が近いこと。


唯一の難点は人との会話が不可。


そもそも人間がいないと言うところから始まるのか・・・。

これなんて無理ゲー?


楓・・・お兄ちゃん頑張ったけど無理みたい。

だから嫌いにならないで。


そんなことを考えていると、クラス内のざわめきが強くなった。


何事かと思って扉の方を見ると、件の山下 華だった。


相変わらずの人気者なことで、結構結構。


大抵のラブコメとかだと席が隣らしいがそもそも隣がいないのでラブコメが起こりようもないのだ。


けどまぁ、それでいい。

俺自身が必要としてないんだから。


そんなことを考えていると携帯が鳴った。メールを受信したらしい。


ーーーーーーーーーーーーーーー

From.楓

Title.なし

Sub.お兄ちゃん、友達できた?私予想だとオールスターメンバーなクラスに入って友達ができていないところだね。


そんなことはおいといて!

どうせお兄ちゃんのことだから適当にやっときゃいいや★とか思ってるでしょ??


ダメだよ!!大変×です!!


なので、条件を提示します♪


今週の日曜日までに形になるような成果を出してきてください。

もしできなかったらお兄ちゃんが帰ってくる前に家の鍵穴の形を変えちゃいます。


あ、嘘はダメだよ?優秀なスパイがちゃーんとお兄ちゃんのことを見てるからね!


嘘ついたらプンプン丸だからね!!


それじゃ、頑張ってね~☆☆☆


ーーーーーーーーーーーーーーー


・・・・・。


さて、状況整理だ。


1.今週末までに友達作りの成果をだすこと。


2.そうでないと俺は高校生ホームレスに


3.嘘はぷんぷん丸


4.スパイ有り


5.両隣に人はいない


6.クラスにすでにコミュニティが出来ている


7.今日は木曜日


結論


オワタ




余談ですが本文中の過去話は半分実体験です。


誰のかは言わなくていいですよね?

わかりますよね?



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