あなたの瞳で
僕の名前は加藤守留、26歳のただのサラリーマン、ホワイトの方ではあるが勿論残業もある、家に帰ったら夜遅くで、寝ていてもおかしくない時間まで起きてボロアパートで待っていてくれる嫁がいる。夜ご飯も少し前に作り終えたものを出してくれる、本当に良い嫁だ、小さい頃からの幼馴染、本当の昔から好きだった、だからこの瞬間が嬉しくてたまらない、この瞬間が、きっと人生で1番の幸せなんだなと思う。
「守留、なんか嬉しいことでもあったの?何か新しいプラモデルでも出たの?」
つい頬が緩んでしまった僕に、春がそう言って微笑んでいた、
「いいや、ただ、なんだか無性にうれしくて、ずっと春と机を囲いたいと思ってさ」
僕はなんだかすこし気恥ずかしい事を言って、後からなんだか赤て、左顎の上を右手の指で撫でるように掻いた、
「プロポーズなら、もう間に合ってるよ、私もずっといたい、だからさ、もう少し休もうよ、最近疲れてるように見えるし、」
その言葉からの安堵と、突然な心配に僕は驚いた、
「ごめん、最近新しいプロジェクトを任されて、もしかしたら昇進できるかもしれなくて、そしたら、生活ももしかしたらもっと良いものにって、、」
すこし暗くなる春の顔をみて、黙りかかってしまう
「ごめん、私も無理言っちゃったよね、ただね、私はどこかに一緒に行きたいとか、そりゃそう言う気持ちもあるけど、1番に、体調を崩さずに守留と一緒に暮らしたいだけなの、昇進も大事だけど、まずは身体を大事にして、ね?」
僕はその言葉の重さを感じながら、その高校の頃から変わらない可愛いその姿で、大人びた事を言う嫁に、やはり、僕は幸せ者だと感じていた
「うん、やっぱり、来週末、有給を取ろうと思う、確か僕らの記念日だし、一緒に出掛けに行こうよ」
そんな急な事を言う僕に春は、
「え、いいの?!久しぶりのデートは嬉しいけど、せっかくの有給なんでしょ?」
「いいよ、せっかくだし、初めてネックレスをプレゼントしたお店に行かない?」
「やったー!嬉しい!」
そうやって久々のデートのお誘いをして、有給の日まで頑張る日々、上司にもまれ、先輩にはどやされる、幸い、社内も飲み会とかの雰囲気じゃないおかげで帰りが日を跨ぐことはない、ボロアパート様様ってところもあるかもしれない、家が近いとは、便利なものだ、そして、デート日
「じゃあそろそろでよっか、」
車の鍵をもって外に出て、自分の車に乗る、そして、必ずデカい木の前を通り過ぎて、初めてのデートのプランを思い出すかのように、僕は店を渡っていた、春風が吹いて、桜が舞っている、夜風は気持ちいけど、少し暖かい、秋など元からなかったかのように、まるで初夏の夜のやうな夜風が僕の頬を撫でる、
一連が終わり僕はマンションに帰る、
「ただいま母さん、」
「お帰り、守留、さっきまでどこ行ってたの?」
「アクセサリー屋さん」
「あら、たしかに思い出の場所だもんね、帰りにでかい木みなかった?季節外れに桜が咲いてたって、きっと、誰かの願いを叶えるためにもう一度咲いたんだわ、あの木、近所で願いの木って呼ばれてるらしいのよ」




