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いち国の女子大生達と女子留学生達の対話集  作者: 星埜梓


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探究科目

スイ:高校に探究の科目があるよね。


アン:確かに。


スイ:あれって、長期的には失敗して、理系科目の基礎知識の学習が重視されるようになると思うんだけど、どうかなぁ。


リン:うーん、今は、周りの大学にフリーライドする形でなんとか維持しているみたいね。


アン:高校によっては、大学院生のTAを雇っているところもあるみたいだけど、そういう対応ができるのは、大学がある一部の地域の高校だよね。


リン:高校の先生って、院に進学した人もいるけど、学部卒で先生になっている人もいるし、研究が得意な先生ばかりでもないだろうから、現場はけっこう大変なんじゃないかなぁ。


スイ:フリーライドされている大学の方も大変なんじゃないかなぁ。教授だって、自分が指導する学生院生や研究周りの事務的な作業でけっこう手いっぱいなところに、企業みたいにお金を大学や研究室にもたらしてくれる訳でもない高校生からの質問にボランティアで答え続けないといけないとなると、けっこうな負担だと思う。


リン:だからといって、何の監修もせずに研究室所属の学生に丸投げする訳にもいかないだろうしね。


スイ:所轄官庁が、質問に答えた数に応じて予算を追加で出せば、何とか答えてくれるかもしれないけどね。


アン:テレビ局なんかでも、悪知恵の働くところは、対価を払わずに電話だけで質問して、何とか教授の答えによると、なんて名前を使って放送しているケースもあるみたいだけどね。


スイ:答える前に、対価についての交渉をしないといけないのね。ただ乗りなら回答を断ることも考えないと。


アン:それだ。質問する高校生からもお金を取れば良いのよ。そうすれば、高校で解決すべき基本的な内容まで投げられるような事態もある程度は抑えられる。


リン:うーん。高校生からお金を取る、というのは、何となく世間がうるさい気がするのよね。どんなものにも対価があると学ぶチャンスだと思うけど。


スイ:いや、お金持ちの高校生はいろんな学者から教えを受けられて、貧乏な高校生は質問できない、といったことになるのはマズいんじゃない?


リン:それもそうか。難しいね。


スイ:やっぱり、高校の設置者がお金を出してTAを雇うのが、現実的な解決策なのかな。


アン:探究って、いちおう文系科目にもあるみたいだけど、文系科目の探究活動で大学に負担がかかっているという話はあまり出てこないよね。


リン:そっちは高校の先生が解決している部分も大きいのかもね。理系の方はどんどん進化するから、高校の先生が学生院生だった頃の知識では追いつかない部分も多いのかも。


アン:なるほどね。それに、最新の研究ができる大学とつながりを持って、場合によってはそこに進学したいという高校生の願望や、良い進学先に繋げたい高校の願望もある。


スイ:地方の大学の先生が、都会の一流の大学に進学したい高校生の踏み台になるケースもありそうね。学術界全体としてみれば役割分担であったり、長い目でみれば後進の育成だったりもするかもしれないけど、当面の課題として、地方に良い学生が来なくなるだけだったりすると、地方大学の先生は辛いね。


アン:探究が一応の形になるレベルの生徒はまだ良いとしても、基礎知識が不足しているところに探究活動が求められてしまう生徒は、高校の先生にやらされている感があるだけで、身につかないんじゃないかなぁ。


スイ:それよりは、高校段階では基礎知識の修得を重視して、探究の基礎ができた大学生になってから研究を始めた方が、ましな結果になる気がする。


リン:探究の科目を採用した官庁の人とか意見した研究者は、学力的に恵まれた高校生活を送ってきたのだろうね。探究どころではない、平凡な高校生のことを考えていない気がする。


スイ:高校でうわべだけの研究のまねごとをして、易しめの大学に入って基礎知識の復習をするようでは、本末転倒な気がする。


アン:探究の科目が、高校生や大学を選別する結果になっているかもしれないね。厳しいね。


スイ:だから、大学の底上げのためにも、高校では基礎知識の学習に力を入れた方が良いと思うのよね。


リン:なるほど。

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