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いち国の女子大生達と女子留学生達の対話集  作者: 星埜梓


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取っちゃダメ 1

メイさんとユナさんがいるところに、ホウさんがやってきました。



ホウ:カカオ多めのチョコレート、大袋で買ってきちゃった。1粒どうぞ。


メイ:ありがとう。健康に良さそう。


ユナ:ありがとう。チョコレート、美味しいよね。カカオ含有率の高い物だと、砂糖が少ない分、カロリーも控えめだし。


ホウ:カカオって、どこかの国から昔に持ち出されて別の国で大規模に栽培されているんだよね。詳しくないけど。持ち出された方の国は、貴重な資源が奪われたって怒ってないのかな。


メイ:昔のこと過ぎてどうにもならないかもね。国同士の力関係もあるし。


ユナ:今だって、持ち出された先の国で予め品種登録されていなかったら保護されないよ。


ホウ:何だか、苗木や種を勝手に持ち出す人に有利な法制度ね。どこの国も、検疫くらいはするにしても、国として持ち込み推進の方向性なのかな?


ユナ:どうだろう?自生植物だと、たまたまそこに生えていただけだけど、うまく活用できる国と、国内に自生していても国力的に活用が難しい国とがあるから、遺伝資源として保護する国際条約はあるみたいだし、国によっては国内法で保護している。でも、基本的に研究の世界での話で、商業的な部分は未整備の面も大きいみたい。誰かが時間と労力とお金をかけて品種改良したものを無断で持ち出したり詐欺行為で持ち出したりするのは、ひどいと思う。



メイ:時間と労力と言えば、絵とか文とかを発表している人が、それをAIに勝手に真似られるのも、嫌だろうね。


ホウ:真似られたくなかったら自分から申し出てください、というAIエンジンがいろんな国から何種類も出たら、対応しきれなくて困る著作権者も多いだろうね。そういう、対応しきれないことを見越して、原則フリーライドで行きますと宣言するような姑息な手法は、国際的に、法的に禁じる必要があるのかもね。


ユナ:AIエンジンを作りたい企業や研究所のある国は反対するかもね。自国の著作物だけしっかり保護して、外国の著作物についてはフリーライドを黙認。なんて不公平なんだろう!


ホウ:法律を作るときに、自国民の権利を国際的にしっかり守ることを考えてくれる人に起草してもらわないといけないよね。学者主導の研究会での議論をそのまま流用されると、メンバー構成によっては、大学や研究機関での研究活用のことばかり考えて、権利者の保護をいまいち真剣に考えてくれない危険性もある。


ユナ:研究者の論文は引用されてこその世界だけど、著作物にしても品種改良した種苗にしても、基本は無断利用お断り!だよね。学者の中には、その違いについての認識が甘い人もいるかもしれない。引用元として明記されさえすれば良いってものではない。オリジナルの絵や文を直接見て読んでほしいし、オリジナルの果物を直接食べてほしい。


メイ:そうだよね。あ、お茶取ってくる。


ホウ・ユナ:いってらっしゃい。

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