表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いち国の女子大生達と女子留学生達の対話集  作者: 星埜梓


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/92

論文をAIに?

ホウさんが一人でコモンルームにいるようです。

おや、誰かがやってきました。



メイ:こんにちは。何か面白いものを読んでいるの?


ホウ:AIがサーベイ論文を粗製濫造している分野があるって報告を見ていた。少し前のものね。


メイ:サーベイ論文って何?


ホウ:学部生なら、これから習うと思うよ。あるテーマについて、どんな先行論文があるか調べてまとめるの。新しく何かを発見したことを報告する研究論文とは違って、そのテーマの研究がどんな状況なのか、数多くの参考になる論文を挙げて、眺めて整理するのがサーベイ論文ね。研究分野によって、総説論文とかレビュー論文とか言うこともあるけど、性質は同じね。


メイ:AIは調べ物するの得意だもんね。新しい論文までAIが学習していれば、どんどん新しいサーベイ論文を作れそう。


ホウ:このまま放っておくと、サーベイ論文自体の価値が低く評価されるようになりかねないね。


メイ:良いサーベイ論文と良くないサーベイ論文の違いって何?


ホウ:新しい切り口を示したり、そのテーマの研究の課題と展望を指摘したりしているのが良いサーベイ論文。単に文献を並べただけとか、文献を孫引きしていて元の論文をチェックしていないことが分かってしまうようなものが悪いサーベイ論文。


メイ:読書記録の寄せ集めとは、ちょっと違うのね。


ホウ:何を記録しているかによって、読書記録がサーベイ論文に使えるかどうかは変わってくるけど、別々の論文から何が言えるかといったオリジナルの視点を出すことが必要ね。そういった分析や視点を出す部分が、まだAIでは弱い。


メイ:読んだ方が良い論文をAIに探してもらう目的なら、使い勝手が良いのかな。


ホウ:AIがどんな論文をいつの時点のものまでどう読み込んでいるかによって、使えるかどうかは変わってくると思うよ。この論文を高く評価するようにとAIに注文する暗号が仕込まれた論文がある、ってニュースに出ていたし、AIが作ったサーベイ論文は、扱っている論文の重要度が操作されている可能性もある。


メイ:AIが作ったサーベイ論文か、人間が書いたサーベイ論文か、見分けがつかないと困るね。


ホウ:あまりにAIがサーベイ論文を作るようになってしまうと、AIが作成したのか人間が執筆したのか分からない他人のサーベイ論文を参考にして研究を進めるのは、危ないから止めた方が良い、ということにもなりかねない。


メイ:学者や学者志望者が事実上分業して研究しているような分野だと、AIの登場がかえって研究全体の足を引っ張ることにもなるのかもね。


ホウ:同じ関心テーマの人がたくさんいて競争している分野も、AIのサーベイ論文による影響を受けやすいかも。そこから更に、本物の根拠はないけど新規性はある研究論文をAIが生成するようになってしまうと、他の人の発見を参考にして研究を積み上げている度合いの強い分野では、大混乱にもなりかねないね。


メイ:研究論文は、まだAIには書けないの?


ホウ:査読という、論文が一定水準にあるかどうかを確かめる審査があるのだけど、それを通過できるかどうか試す実験で、理系分野では、AIが生成した研究論文が査読を通過した事例があるみたい。事前の合意で、通過しても発表前に撤回することか決まっていたらしいから、どんな内容の研究論文だったかは公開されていないけどね。完全にAIだけで生成した論文を学術研究で有効活用する方法は、まだ決まっていないかな。今のところ、人間が責任執筆していないものは認めない、という方向性に見える。研究分野や学会によっても異なるけど、AIを執筆補助や校正には使っても良いけど使ったと明示しなさい、というところが多いらしいね。


メイ:結局、AIを研究に活用できるかどうかは、AIの学習度合いと人間による使い方次第ってことなのかな。


ホウ:上手く使えば、AIも研究の補助にはなるけど、研究と論文の執筆そのものは人間が自分でしないといけないよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ