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いち国の女子大生達と女子留学生達の対話集  作者: 星埜梓


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査読の匿名性が

ジン:学術論文の査読を支援するシステムに不具合があったようね。


スイ:しばらくの間、著者や査読者が誰なのか分かるようになっていたとか。


ユナ:設定ミスだったのかな。


ジン:いずれにせよ、もう修理されたみたいではあるね。


スイ:発表に値する論文かどうか論文が発表される前にチェックする査読を担当するのが誰か、が分かってしまうのはまずいよね。


ユナ:誰が読むか分からないから真剣に書くのに、査読者が分かると、良い評価で通してもらえるよう賄賂を渡そうとする人が出るおそれがある。


ジン:査読者よりも権威のある人が投稿していた場合、査読の結果によっては、査読者が嫌がらせをされる可能性も考えられる。


スイ:一旦査読者の名前が洩れてしまうと、査読者は査読をすることを嫌がるかもしれない。


ユナ:著者が分かってしまうのもまずいよね。


ジン:派閥の論理で不公平な扱いを受けるおそれがある。


ユナ:誰か分かっていると、読まずに評価を付けられてしまうおそれがある。


ジン:いずれにしても、とにかく匿名性が担保されないのは致命的にまずいよね。


スイ:学会の心臓部だからね。


ユナ:ひょんなことからシステムの不具合に気付いてしまったとしても、見なかったフリをするのが無難そうかもね。


スイ:気付いていなければ、問題にはならないはず。


ジン:でも、そうなると、システムの不具合を見つけたと連絡する人も、ある種の勇気が必要ね。


ユナ:気付いたと明かすことになるわけだからね。


スイ:その期間に論文を投稿していない人なら、いちおうの中立性はあるのかも。


ユナ:短い期間であれば、そういう人もいる可能性があるけど、長期間不具合が放置されていた場合は、対応に苦慮しそうね。


ジン:論文の発表媒体であるジャーナルの編集者が査読者に直接連絡を取る旧来の方式も、それなりに意味があるのかもね。


ユナ:そもそも、査読支援システムを必要とするような大きな学会ばかりではないしね。


スイ:大きな学会だと、手間を最小化するためにそういうシステムを必要とするのかもね。


ジン:理系の学会の中でも、AI関連のように研究に勢いがあるところというか競争が激しいところだと、投稿される論文の絶対数が多いという手間もあるのだろうね。

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