黒カビとクローバー
リン:ここの宿舎は、あまり黒カビ出ないね。前にいた宿舎は、換気してもすぐに黒カビが発生していて、かなり苦戦したけど。
スイ:建物の構造に問題があったのかもね。ここは、係の人も掃除してくれているみたいだから安心ね。
ユナ:黒カビと言えば、放射線を黒カビの一種が食べている、という研究結果が、かなり前に発表されているみたいね。メラニンが働くとか何とか。
リン:放射線を蓄積せずに消化してしまうのであれば、食用植物に応用できると可能性が広がるのかもね。放射能に汚染された土地も、使い道ができる。
スイ:ちょっと待って。放射線と放射能は似ているけど別物よ。放射線はエネルギーで、放射能はエネルギーを発生させる能力。放射線は体内に蓄積する訳ではないよ。放射能から放射線が発せられたら、それを消化できるかもという仮説は成り立つけど、放射能が蓄積される危険は、別に存在する。
リン:なんだー。じゃあ汚染地域で農業生産という発想はだめなのか。
ユナ:農業生産は一足飛びとしても、放射性廃棄物の処理にそのカビやそれを応用させた生物が使えると良いよね。
リン:放射線の多いエリアでは、よつ葉のクローバーがたくさんできる、って俗説もあるよね。あれ、変異するだけで吸収しないのかな。
スイ:確かに、放射線管理区域ではクローバーが栽培されていることが多いね。偶然なのか意図があってなのかは分からないけど。
ユナ:よつ葉がたくさんできるクローバーの品種もあるよね。園芸店で種を売ってるよ。品種改良したみたいだけど、よつ葉のクローバーの種が売られるようになったのよりも、放射線管理区域でクローバーが栽培されていた方が時期的に早いみたいなのよね。
スイ:よつ葉のクローバーが欲しい人って一定数いそうだけど、これが印象操作のための品種改良事業だとしたら怖いな。
リン:怖いこと言うね。よつ葉になって生き残っているのだから、ある意味、クローバー自体が放射線に強いんじゃないの?
ユナ:クローバーが栽培されていることが多い、と、クローバーしか栽培できない、では、だいぶ意味が違ってくるよね。どっちなのかは詳しくないから分からないけど。




