県大会みたいなもの
夜の隙間から
風船のような顔が
にょっきりと
覗いている
それは
朝と昼の間の時間という
空間の亀裂から
流れる
倦怠感
人は皆
忙しくしている時に
その顔は
ぐったりして
湧き出る時刻を
貪って
ただなにもしない
なにもしないことを
何も考えず
何も考えないことを
なにもしない
誰かに交信する記号の暗号を
誰にも悟られず
誰かにも向かわず
唱えているそれは
ただ無暗に
ぼんやりとした光の文字となって
宙に浮かんで
消えていく
誰かに伝えることはしない
わたしに伝えることもしない
風船のような顔に
マジックで
へのへのもへじを書いて
明日から明日へと
連なる時刻という空間に
空き缶を蹴る